女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~
162話 悲しみはやがて具現化する(闇)
4月1日、日本。
家のピンポンを押すと、中からおじぃちゃん達がでてきた。
蒼龍「やぁ、みんな。元気にしてたかい?」
佳穂「しばらくはうちでゆっくりしてなね。」
大和「悪いな、色々頼っちまって。」
理子「お世話になります、お義母さん、お義父さん。」
由良「おじぃちゃんにおばぁちゃん!亀ー!」
蒼龍「おうおう、久しぶり。会えて嬉しいぞ~」
佳穂「・・・あれ、日向は?」
大和「え?あれ、どうしたんだろ・・・日向、こっちこいって。」
お父さんが僕を呼ぶ。僕はゆっくりと、おじぃちゃん達の家に入った。
佳穂「・・・どうしたの?何かあった?」
蒼龍「俺たちで良ければ、話聞くぞ?」
おじぃちゃん達が心配そうに声をかけてくる。ダメだこんなんじゃ、もっとちゃんとしないと・・・。
日向「な、なんでもないよ、大丈夫。朝早かったから、ちょっと眠いだけ・・・」
加奈「それはあるな。時差って結構辛いぜ・・・ふぁぁ。」
奈緒「加奈先輩、そんなに大きく口を開けて・・・はしたないのです。」
愛菜「まぁ、眠いのは事実だから・・・。」
大和「はは・・・まぁ、そういうこって。悪いんだけど、こいつらが寝られるスペースある?」
佳穂「ふふふ・・・じゃあリビングにお布団しきましょうね。」
蒼龍「俺も手伝うよ。」
大和「俺も。」
佳穂「大和はゆっくりしてなさいな。長旅で疲れたろう?」
大和「そういって、父さんとイチャイチャしたいだけなんじゃねぇの?」
蒼龍「はっはっは、どうだろうなぁ?」
グイッ
佳穂「もう、あなたったら・・・ふふ。」
大和「俺が悪かった、だから目の前でイチャイチャせんでくれ・・・」
お父さんは、呆れ顔でそう言った。おじぃちゃん達、ずっとラブラブなんだなぁ・・・。アフィア、ちゃん・・・って、ダメだってば暗くなっちゃ。心配かけちゃ悪いもん。
僕はお母さん達とお話をしながら、その日はすぐに眠りにつくのだった。
─待ってよ、アフィアちゃん!置いてかないでよ!─
─離れないでよ、お願いだから!アフィアちゃん─
日向「うぅ・・・っ・・・夢、かぁ。」
カナダを離れる数日前から、この夢をよく見るようになった。アフィアちゃんが、どんどん遠ざかっていく夢。
走っても追いつけなくて、最終的に闇の中に消えていく。何度呼びかけても、振り向いてもくれない。
・・・だから、なんでこうなのかな。ダメだって言ってるのに、暗くなっちゃ。
・・・お水でも飲もうかな。
僕は、お母さん達を起こさないように布団から出て、キッチンの方へ。コップを探し出して、お水を汲む。
飲むと少し、落ち着いてきた。
??「・・・ねぇ」
日向「ぴっ!?」ビクッ
突然、暗闇から話しかけられた。持っていたコップを落とさないよう、机の上に置く。
日向「だ、誰・・・?」ビクビク
端っこの方で震えながら返事を待つ。まさか、幽霊とかじゃないよね・・・!?
??「・・・日向」
日向「な、なんで知ってるの・・・?幽霊なの・・・?」
??「誰が幽霊よ。」
日向「ぅえっ?」
その辺で、ようやく電気のスイッチが見つかり、つける。
由良「全く・・・人が心配して来てみたら・・・」
日向「ゆ、由良かぁ。」
由良「由良かぁ、とは何よ。」
腰に手を当て、少しムスッとした顔の由良がいた。
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