女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~
143話 唐突なるお願い(緊)
3月中旬の、ある日の土曜日。休みだもんで、家でだらけていた。
ホワイトデーは既に過ぎて、ちゃんとお返しも全員に渡せたから、特にやることもないんだよねぇ。宿題もあとちょっとだし。
そんなわけで、一日中ゴロゴロしようかなんて考えていた、その時。
大和「おい日向」
日向「うひゃわぁっ!?」
突然後ろから話しかけられて、変な声が出てしまった。しかも、体が勝手にビクッと動いて、ソファから転げ落ちた。ゴチンという鈍い音が鳴る。
日向「っ~~~!!」プルプル
大和「だ・・・大丈夫か?」
日向「大丈夫にみえる・・・?」
大和「いんや」
言葉に出来ない痛さって、こんな感じなんですね・・・。
大和「悪かったよ、後ろから・・・立てるか?」スッ
日向「う、うん。ありがとう・・・。」
お父さんの手を取り、なんとか立ち上がる。痛いなぁ、もう。
大和「日向、今って暇かい?」
日向「暇じゃなかったら、こんな時間にソファでくつろいでなんてないよ。」
大和「そっか。なら、1つ提案があるんだけど。」
日向「・・・提案?」
お父さんは笑っていながら、何故か少し神妙な面持ちでそう言ってきた。
そんな言い方だったから、何を言ってくるのかと身構える。
大和「・・・アフィアちゃんとデートしない?」
日向「・・・はぇ?」
こう言っちゃ悪いけど、身構えた割に迫力のない提案で、気が抜け・・・抜け?
・・・え、ちょっと待って、え?
日向「・・・はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ほんとに、ほんとに待って!ちょっと待てぇぇぇぇ!
日向「でででデートって、そんな」
大和「そこまで動揺しなくても・・・デートだぞ?」
日向「そんな、僕デートなんて」
大和「いや、いつものように遊んでんだろ?2人でさ。それを少しレベルアップして、2人でお出かけして欲しいってだけさ。」
お父さんは何も分かってない!遊ぶのとデートでは何もかもが違うの!レベルアップなんて言うけど、段違いなの!
日向「出来ないよ、デートなんて!」
大和「大丈夫大丈夫、サポートはするさ。」
日向「デートは、付き合ってる人とか、付き合うためにやることでしょ!?」
大和「その理屈はおかし・・・くはないか。まぁとにかく、付き合えなんて言わんからよ、1回くらいデート行っとけって。」
日向「ううぅぅ・・・でも・・・。」
そんな急に言われても、決められるわけ・・・
大和「・・・新作のゲーム」ボソ
日向「合点承知。」
あっさり釣られちゃった。えへへ。
大和「よし、よく言った。サポートするから、頑張れよ。」
日向「え、あ・・・わかったよぉ。」
僕はお父さんに乗せられた感じに、アフィアちゃんをデートに誘うことになったのであった。・・・緊張するなぁ。
2021年です。今年もよろしくお願い致します。
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