転生して帰って来た俺は 異世界で得た力を使って復讐する

カイガ

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 大阪府警捜査部署。


 「くそ...!目的の人物が目の前におったのに、何で途中切り上げてここに戻ってたんや!?」
 「僕も先輩と同じで、気が付くとここにいました...」

 怒りと困惑で頭を抱えているこの刑事二人は、先日山形県にまで出張捜査をして、連行対象の人物と対面していたにも関わらず、自分の意思とは勝手に対象を放って退散してしまってここまで帰ってしまっていた。

 「少し前に山形県警から報告がきたのですが、彼らも気が付けば各署に帰ってしまっていたそうです。それもあの日から三日も経った状態で...」
 「三日か...。俺らも同じや。杉山友聖と対面したあの日からもう三日も経ってる。俺らはその間ずっと眠ってたわけないゆーてたな。ここにいる皆は俺らはいつも通り出勤してたって聞いたし」
 「あと報告の続きなんですが...あのアパート部屋はもぬけの殻になっていたそうです。杉山の私物は一つ残らず消えていたそうです。恐らく県外へ逃亡したと考えられますね」
 「あいつ、薬物か何かで俺らを催眠にでも落としたゆーんか。益々警戒せなアカンでこりゃ」
 「......やはり杉山が例の連続惨殺事件の犯人として進めるべきですかね?」
 「ああせやろうなぁ。あの時直に奴と対面したけど......アレは普通やないで。人を殺したとかそんなレベルやない、人間かどうかすら怪しい存在やっておもたわ...」

 中年刑事の深刻な顔でそうぼやく様子を、後輩刑事は茶化すことはしなかった。
 しばらく沈黙が続いた後、若い刑事が二人のもとへやって来た。

 「ここにおられましたか!市内で突然惨殺事件が発生しましたっ!」

 男の突然過ぎる報告に二人はまさかといった顔を浮かべて行動に移った――





 この国は色々腐っている(俺視点で)。主に性格や人格が(俺基準で)破綻した連中とマナーを全く守らない連中とモラル意識が底辺の連中のせいでだ。そのせいでこの日本という国の社会は、もはや俺にとって受け付けられないレベルに堕ちてしまっている。どうしようもなく腐ってしまっている。
 せっかく漫画・小説やアニメ、ゲームにおいて豊富で発達した文化を持ち、美味い食い物が揃う良い国のはずが、ああいう連中のせいで台無しにされている。ああ、なんて嘆かわしい現状だ!?魅力的で優れた文化がありながら、肝心の人間・社会の環境がクソとか冗談じゃねーぞマジで。生前の時代の時点で相当腐ってたから、今もそれなりに穢れた人間が蔓延っているに違いない!ここ最近だって、復讐対象以外で何人俺に害を為したゴミ人間がいたことか...。
 だから...俺にとって害が無く、生活と文化を支える仕事をしている人間だけを選定し、それ以外全てはこの国から消していく。それが完遂した時は、俺が理想とする日本に早変わりや...! 
 しかし生かす奴を選ぶのは些か面倒だ。だからまずは、俺が特に不要で消えるべきだと断定している腐った人種どもを殲滅していく!
 何、やり方は簡単や。この検索魔術は全てを俺に教えてくれる。誰を消せば良いかなんてあっという間に分かるし、あっという間に全員消せる。

 理想国家...そういえば「ドラえもん」のエピソードには“どくさいスイッチ”という大変興味深い道具があったな。
 あれは自分にとって邪魔者・気に入らない者を、スイッチを押すことでこの世から消し去るというそれはそれは愉快――いや、恐ろしい道具だとか。スイッチ一つで人を抹消するのもヤバいが、あの道具のもっとヤバくて怖いところは...スイッチを使用した者以外の人間たちから、消えた奴に関すること全てが消去されて、初めからいなかったことになるということだ。
 だがあの道具は、使用者の欲求をただ満たす物ではなく、独裁的な者を懲らしめる為の物だとか。次第に孤独という状況に陥らせて反省させるのが目的だとか。
 まぁとにかく俺がこれから何をするのかと言えば、その“どくさいスイッチ”と同じことをするゆーことや。

 ただ、人をパッっと消すだけでは済まさない......最初のうちは今まで殺した連中と同じように血をたくさん流して殺して消していく!見せしめと宣伝の為や。
 俺は自分の力で邪魔者どもを消していく......奴らの血を流すことでなァ!!
 強い決意とともに俺は粛清活動を開始した。





 現在、歩行路には夥しい血が流れ、肉片があちこちに散っている。他ならない俺の仕業だ。なぜ往来で...多くの人前でそんなことをしたのかというと...


 「ここはァ、喫煙して良い場所やないはずなんなぁ?喫煙...それも紙巻タバコで喫煙する場合は喫煙所でするのが常識でありマナーであり、法律ではそう決まってるはずや。にも関わらずこんなところで吸うヤニカスは、俺の中では重罪人や。だから殺しましたー!」
 

 と、周りの奴らに聞こえる音量で殺した理由を丁寧に告げてやった。この後記憶操作をして今の出来事を忘れさせる...なんてことはもうしない。もう隠す必要が無くなった。むしろ見せつけるようにしなければ何の意味もなさない。
 これからこの国を俺好みに改造するのだから...!

 「あーあー!安心しろー。別にお前らを無差別に殺す気は無いぞ。こいつを殺した理由は、ここで歩きタバコを吹かしてたからや。喫煙は喫煙所でするという当たり前のことを、このクズは守ることなく受動喫煙を俺にさせようとした。だから殺しましたー。お前らもこうなりたくなければ絶対に歩きタバコは止め――あらら、全員聞いちゃいねー。騒いで逃げやがったか。まぁいいや。これを続けていればいずれ伝わるやろーし」

 ここいらはパニック地帯になっちゃったから、少し移動する。数十キロ離れた区域に移り再び散歩を開始。そして数分後、横断歩道を渡る途中で横から車が入ってきて俺を横切って通過しやがった。

 
 「歩行優先という交通ルールを守らなかった。よって死刑」


 直後、引力で今通った車を引き寄せて真っ二つにする。さらに中からクソ運転者を引きずり出してその腐れ野郎の頭を掴む。

 「ひ、ひぃ...!?」
 「ひぃじゃねーよゴミクズが。お前俺が歩道渡ってるの見えてへんかったんか?歩行者と自転車が渡ってる間は、白線の前で停止して通過するのを待つこと...常識やろがああ!?ああやって歩行を邪魔されるのがもの凄い不快だって分からねーかなァ、ええ!?」
 「あああああああんた、何言ってんだ――」
 「反省の余地無しと見た、ぶち殺す」

 ――ブチャアアアアァ

 有無を言わさずに掴んだ手に全力を込めてこのクズの頭をトマトみたいに潰した。汚いのでバリアーで血と骨と肉片をガード。ゴミ箱にゴミを捨てるように死体を放り捨てて何事も無かったかのように散歩を再開。
 周りから悲鳴が聞こえる中、ひと際うるさい耳障りな音が辺りに響く...バイクだ。必要無いだろう騒音を出して通過しようとするバイクを不快気に睨みながら即死刑判決を下す。

 「俺の前で、そのうるさい音を出すのを止めろやッッ!!」

 虚空から巨大な岩を召喚してそのまま下へ落とす。ちょうどバイクが岩の真下を通って......そのままグシャリと下敷きになって潰れた!

 「ええか!移動するのにあんなうるさい音出す必要は無いはずや!運転してる本人はええよなァ、スピード出して気持ちよく通行してるようやけど、俺にとってはそのうるさい音が堪らなく厭で不快や!!だから殺した!俺に耳障りな音を聞かせるクズは死刑だッッ!!」

 これもまた聞こえるように叫んで、移動する。見せしめ活動はまだしばらく続行する。


 「死ねヤニカスどもっ!!!」
 ズバン!グシャア!!グチャア...ッ!

 「歩行者と自転車を優先しろっ!!横断歩道の真ん中で止まんな!!消えろっっ!!!」
 ドガァン!!ゴキャア...ン!!

 「うるせェンだよ!!静かに通過しろや!!!」
 ヒュン...ドォオオン...ッ!!!


 害悪もたらすクズどもの死体の山が色んなところで積み上がっていった。


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