レーヴハーモニー輝く星の希望

天羽睦月

第74話 部屋を堪能


従業員の女性が部屋を後にすると、愛理たちはベットやソファーのダイブした。弾むや柔らかいなどと思い思いの感想を言いながら、部屋を堪能していた。楓はテレビの前にある小さな小机の上にあるルームサービスの孔雀温泉旅館のお菓子を食べていた。

「この饅頭美味しいわ! 愛理も食べてみなさいよ!」

楓が愛理に自身の食べていた饅頭と乾燥わかめを渡す。愛理はそんなに美味しいのかと疑問に思って恐る恐る食べると、口を大きく開けて美味しいわと叫ぶ。奏とエレナは何が起きたのか愛理の方を見ると、愛理がこの饅頭と乾燥わかめ美味しいと二人に言う。

「ここの饅頭は美味しいって有名だけど、乾燥わかめもなんだ!」

奏がそう言うと、饅頭を一口食べる。すると、やっぱりここの饅頭は美味しいわと両頬に手を当てて喜んでいた。

「ここの饅頭は前に差し入れでもらったことがあるから美味しいの知ってた!」

奏が言うと、差し入れいいなと愛理が拗ねていた。愛理は奏とエレナを見ると、まだ夕食まで時間が沢山あるから温泉に行こうよと誘う。

「温泉行こうよ! 最上階にある温泉景色良くて凄いらしいよ!」

愛理はそういいながら部屋にあるパンフレットを見せながら言う。それを聞いた奏とエレナは行くと元気な声で言い、風呂道具を自身の持ってきている鞄の中から取り出して、誘った愛理よりも早く準備を整えていた。

「二人とも早いわ! ママも行く?」

愛理がそう言うと、楓はこの部屋の温泉を堪能するわと言う。

「わかったわ。 なら三人で先に大浴場行ってくるね!」

愛理はそう言い、奏とエレナを連れて部屋を出ていった。愛理は奏とエレナを連れて屋上階にある大浴場に向かった。屋上階には男性と女性で半分に分けられており、東側が男性で西側が女性となっている。どちらも海が見渡せる作りとなっているので大好評である。

「さて、屋上にきたわね。 バスタオルとタオルは使いたい放題だから気にしなくていいのが最高ね」

愛理はそう言いながらエレベーター前の広い踊り場を歩いていると、年齢が様々な男性の視線が自分たちに注がれていることに気がついた。

「なんかすごい視線を感じるんだけど……何か私たちに悪いことでもした?」

愛理が小首を傾げて奏に話しかけると、奏が小さく私が芸能人だってばれたのかもしれないと言う。また、エレナがすれ違った人たちが黒羽奏がいたかもって話していたことを愛理に言った。

「まじか! 奏そんなに有名人だったの?」

愛理が横を歩きながら数段の階段を上っていると、マネージャーにばれないように気をつけなさいと言われるくらいにはと言う。

「先に言ってよぉ……エレナも奏がばれないようにやってね!」

そう言った矢先、奏と年が近い男性と女性が奏に近づいてきて黒羽奏さんですかと話しかけてきた。

「え、あ、いや、その……」

奏は戸惑ってしまい、自身の後ろを歩いていたエレナを見たり横にいる愛理を見る。その目からは助けてと喋らずとも聞こえてくるかのような目をしていた。

「わかったわよ……あの、この子は私の妹でそのなんとか奏じゃないわ。 ごめんね」

愛理がそう言うと、似た人だったんだと落ち込みながら若い男女はエレベータに乗った。

「こんなにあっさり引くんだ。 もっと喰いつくかと思ってたのに……」

愛理がそう呟くと、まさか平日のこの時間にいるなんて思わなかったんじゃないかなと奏が言う。すると、エレナがばれなかったし良かったねと笑顔でいたのでこの場はこれでいいかと二人は考えることにした。先を歩くと、自販機が三個ありその近くに多数の椅子やテーブルが置いてあった。その場で風呂上りに休む用や談笑をする場として設置してあるようである。そして、その奥には左右に分かれる通路があった。

「右が男性用で、左が女性用みたいね」

愛理がそう言うと、三人は女性用の通路を歩いて行く。途中壁に掛けてある絵や掛け軸、昔の孔雀温泉写真や歴史が書かかれた書物を見ながら楽しく笑いながら歩いていた。

「あ、あの扉が入り口かな?」

愛理がそう言いながら指をさしていると奏とエレナが温泉だと喜びながら二人して走り出してしまう。

「ちょっ、ちょっと待ちなさい!」

愛理は両手を上にあげて二人の名前を叫びながら奏たちの後を追った。そして、愛理が木で出来た引き戸を進むと、そこは大きくもなく小さくもないこじんまりとした脱衣所であった。

その脱衣所にはキーがついた小さめのロッカーが多数並んでおり、上中下の三段あり、愛理・奏・エレナの順に上から服を入れていく。愛理はタオル持って入りなさいよと言おうとした時には、既にエレナが小走りで大浴場に入ってしまった。

「エレナ! まったくもう!」

愛理は自身とエレナの分のタオルをバスタオルとタオルが多数置いてある場所から持つと、奏と共に大浴場に入っていく。

「さ、行きましょう」

愛理は横にいる奏に大浴場に行こうと言う。それに対して奏は、早く行こうと愛理の右腕を引っ張って小走りで大浴場に二人とも入った。

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