ウルトラマン太郎。就職決まったってよ。

メメントモリゾー

1,286,459社目の面接!

「はぁ、ここが面接会場かぁ。」
ウルトラマン太郎(以下、太郎)は、高くそびえ立つオフィスビルを眺めていた。高さは約800mくらいありそうだ。太郎は首が痛くなってきたので、首を戻し、付けてる時計を見た。針は12時41分をちょうど刻んだ。
「えっと13時から面接で、早すぎず、遅すぎない15分前がベストって書いてあったから、あと4分待たないと。」太郎を自動ドアの前で時間が来るのを待つことにした。
(もう、これで1,286,459社目だよ。親父からは、「決まるまで、ひたすら時を戻しとけ!」って言われて、時を戻しては、ワープしてを繰り返して、体感だと約16年になるなぁ。早く決めて遊びたいなぁ。)
太郎はおもむろに、募集要項の紙を眺めた。

【募集要項】
採用企業 (株)ネクストステージ
業務形態 派遣型宇宙警備
雇用形態 正社員(試用期間なし)
給与   固定給(月給10万円)+歩合給
応募資格 スペシウム光線
     普通テレポーテーション免許
年間休日 年間休日96日

(休日が少ない気がするけど、やっぱり試用期間なしが魅力的だ!スペシウム光線は使えるけど、磁場が安定しなくて威力が出ないんだよなぁ。まぁ、その場でやれとは、言われないだろう。)
「そこで何やってるの?きみ。」
太郎はびっくりして、声の方を見た。ビルの自動ドアの前に女性が立っていた。
「もしかして、13時からの面接の方?もう、5分前だから早くいらっしゃい。」
もう、そんな時間になっていたのか、太郎は慌ててビルに入る。
「す、すいませんでした。」
「ふふ、良いのよ。多分すぐに終わるし。」
太郎は、″すぐ終わる″が気になったが、気にしないことにした。それにしても綺麗な人だ。まるで母みたいだ。太郎は、受付?のお姉さんに惹かれるようについて行った。
「はい。ここが面接会場よ!頑張ってね!」
お姉さんさんは、来た道を戻って行った。
太郎は、忘れていた緊張が戻ってきたので深呼吸をした。そして、扉を3回ノックした。
「どーぞー」扉の向こうから声がした。
「失礼します!」太郎はマニュアル通り元気よく声を出し、扉をあけた。

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