忠犬コタ公物語

小鳥 薊

登場人物紹介

藤谷カヨ
通称、カヨちゃん。犬である僕の飼い主。
僕が世界で一番大切な人。
両親はカヨちゃんが赤ちゃんのときに交通事故で亡くなっていて、身内は母方の祖母、おばあだけだ。
とても美しい女の子で、大人になってからはプロのモデルを目指す。
性格は、優しいけれど、結構頑固で気分屋なところがある。友達は多い方じゃなかったから、人付き合いはあまり得意な方ではないのかもしれない。

コタ
或る日突然、犬の姿から人間の姿になった。僕。
カヨちゃんに拾われて、藤谷家にやって来た。
口癖は、カヨちゃん。
好物はキャベツの芯とササミ。その他、宝物は野球のソフトボールとカヨちゃんの匂いの付いたキャミソール。
自分は犬なのか、人間なのか、何のために生まれたのか、が永遠のテーマ。
性格は、単純、素直で結構ポジティブ。

おばあ
カヨちゃんの祖母。
老衰による身体の不調が続き、寝ていることが多い。
カヨちゃんのことを一番に考えてくれる保護者。
僕のこともカヨちゃんと隔てなく接してくれている。
カヨちゃん僕をが拾ってきたときも、僕が突然、人間になったときも、順応が早かった。ちょっと抜けているところもあって、犬のときの僕の訴えをよく勘違いしていたりもしたが、僕の良き理解者であることは間違いない。思慮深く利発な人だ。

さっちゃん
カヨちゃんの小学校からの友達。高校までずっと一緒だった。
元気が良くて明るい。少し気難しいカヨちゃんの良き理解者。
僕が唯一、一緒に遊んだことのあるカヨちゃんの友達で、よく家にも遊びに来ていた。高校を卒業してからも、カヨちゃんとたまに連絡を取り合っているみだいた。

藤谷小太郎
カヨちゃんと一緒に考えた、僕の人間の名前。
さっちゃんに紹介するときもこの名前を名乗った。
生まれつき心臓が弱くて、この田舎に療養しにやって来た。都会育ちだけれど、ずっと病院生活だったから流行にはめっぽう疎い――という設定。
カヨちゃんの恋人という設定は、僕が勝手に付け足した。
大人になってからは、仕事に響くからという理由で身体が弱いという設定は取り外された。

笹原君
カヨちゃんの高校時代の同級生。カヨちゃんのことが好きだったらしい。
女生徒に人気のある硬派な男子で、カヨちゃんもまんざらではなさそうだった。
大人になってからカヨちゃんと付き合い、カヨちゃんと暮らすが、何かの理由で別れてしまったらしい。僕のライバルに違いない。

西蔵さん
僕の公園で暮らすようになってお世話になった人。
エリート人生から一変し、訳あってホームレスになったらしい。
僕の知らないことを何でも教えてくる。口調は荒いが世話焼き。好物はとにかくパン。
実は、巷のホームレスを仕切るほど、人望があるらしい。今でも公園で元気に暮らしているのだろう。

初美さん
雨の日に僕を拾い、一時的に寝床を提供してくれたお姉さん。風俗嬢をしている。
爪の先まで、身なりに気を使っている人。ユーモアもあって優しいけれど、どこか淋しい雰囲気を携えている。僕に、ホストの才能があると言った。
僕は初美さんの家を出てからは、どんな人生を送ったのかは分からない。

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