雨のための詩

小鳥 薊

第1話 雨のための詩


さえずる小鳥を遮って 私
水溜り どんどん大きくなっても 私
陽が射しても 私
雨音は 私だった
いつの日も いつでも




なぜ君は泣かないのか と訊かれた
私は独りで泣くのだから
いいでしょ

雨音を聴きながら
雨音と一つになって

しと しと しと
と 一つになって

ぽつり ぽつり
の 一つになって

アスファルトに溶けていけたなら……
地は鍵盤
雨は音楽
生み出されるム―ブマン
私は躍って
雨のロンド

やがて夜もふけ
私らしく眠るために
雨音を聴きながら
雨音と一つになって

私は雨のように泣く
傍らに 雨でいい
雨がいい

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