幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)
そして最奥へ
「さてと、全快とまではいかないけど、皆それなりに回復したことだし、そろそろ行こっか!」
ダンジョン攻略の話題以外にも、色々な雑談に興じ、休息に励むこと数十分。
勢い良く立ち上がった、みのりんの号令で他のメンバーも腰を上げた。
「よっしゃ! お待ちかねの宝探しだぜ!」
休憩を挟んだことで元気が有り余っている様子のカナが、肩を回しながら、気合を入れる。
「まだ敵や罠が潜んでいるかもしれないんだから、油断は禁物だよ。それと、先の戦闘で君を護衛したのは、あくまでも勝利のためだ。次も同じように守って貰えるとは思わないことだね」
そこに、ベイドからの嫌味が飛ぶも、カナはフンッと鼻を鳴らすのみだ。
どうやらムキになったら負けだと思うことにしたようだ。
「ま、まぁまぁ。ベイドさん。そんな喧嘩腰にならなくても。それに、カナさんは元々、誰かに守られるようなタイプじゃありませんし。……って、そういえば、これって競争だったんじゃなかったです? 結局、あの人型兵器は協力して倒しちゃったんですけど、勝敗って、どうなるんですか?」
二人の間に入って仲裁していたラックが、ふと思い出したように疑問を口にする。
「あっ、そういや忘れてたな! どうする、みのりん。先に宝を見つけた方が勝ちで良いか?」
「あー、えーっと、そうだねぇ……。ぶっちゃけ、ここまできたら勝敗とか、どうでも良いんだけどね、私的には」
あはははは……と、みのりんが返答に困りつつ、愛想笑いを浮かべると、カナが驚いたように目を見開いた。
「はっ!? じゃあ何のために、ソイツとペア組んで競争なんてしたんだよ?」
カナがベイドを指差して声を荒げると、今度はベイドがその指をやんわりと払って口を開く。
「彼女に同調するのは癪だけど、腑に落ちないのは確かだね。僕が麻痺毒に侵された時も、君は無理を押して攻略を続ける事を選んだだろう? それは競争に拘っていたからじゃ無かったのかい?」
「私が拘ってたのは、競争そのものであって、勝敗は別に気にしてないよ? お互いに全力で競い合ってこそ見えてくるものがあると思ったからね」
「うーん、良く分かりませんけど、それは既に達成されたって事ですか?」
みのりんの真意を読み切れていない様子のラックが首を捻りつつ、疑問を述べる。
「さぁ? でも、きっと、その答えも、この先で明らかになるんじゃないかな」
そう言って、先陣を切った、みのりんが、最奥のドアの前に立つ。
その気配に反応したのか、ドアが自動的にスライドし、来訪者を誘っている。
「ほらっ、先に進むよ」
「ちょ、待てよ、みのりん!」
「ふぅ、相変わらず何を企んでいるのか良く分からないな。まぁ、だからこそ面白いとも言えるけどね」
「み、皆さん、僕を置いてかないで下さい〜!」
こうして、みのりんに翻弄されつつ、三人は人型兵器の間を後にした。
ダンジョン攻略の話題以外にも、色々な雑談に興じ、休息に励むこと数十分。
勢い良く立ち上がった、みのりんの号令で他のメンバーも腰を上げた。
「よっしゃ! お待ちかねの宝探しだぜ!」
休憩を挟んだことで元気が有り余っている様子のカナが、肩を回しながら、気合を入れる。
「まだ敵や罠が潜んでいるかもしれないんだから、油断は禁物だよ。それと、先の戦闘で君を護衛したのは、あくまでも勝利のためだ。次も同じように守って貰えるとは思わないことだね」
そこに、ベイドからの嫌味が飛ぶも、カナはフンッと鼻を鳴らすのみだ。
どうやらムキになったら負けだと思うことにしたようだ。
「ま、まぁまぁ。ベイドさん。そんな喧嘩腰にならなくても。それに、カナさんは元々、誰かに守られるようなタイプじゃありませんし。……って、そういえば、これって競争だったんじゃなかったです? 結局、あの人型兵器は協力して倒しちゃったんですけど、勝敗って、どうなるんですか?」
二人の間に入って仲裁していたラックが、ふと思い出したように疑問を口にする。
「あっ、そういや忘れてたな! どうする、みのりん。先に宝を見つけた方が勝ちで良いか?」
「あー、えーっと、そうだねぇ……。ぶっちゃけ、ここまできたら勝敗とか、どうでも良いんだけどね、私的には」
あはははは……と、みのりんが返答に困りつつ、愛想笑いを浮かべると、カナが驚いたように目を見開いた。
「はっ!? じゃあ何のために、ソイツとペア組んで競争なんてしたんだよ?」
カナがベイドを指差して声を荒げると、今度はベイドがその指をやんわりと払って口を開く。
「彼女に同調するのは癪だけど、腑に落ちないのは確かだね。僕が麻痺毒に侵された時も、君は無理を押して攻略を続ける事を選んだだろう? それは競争に拘っていたからじゃ無かったのかい?」
「私が拘ってたのは、競争そのものであって、勝敗は別に気にしてないよ? お互いに全力で競い合ってこそ見えてくるものがあると思ったからね」
「うーん、良く分かりませんけど、それは既に達成されたって事ですか?」
みのりんの真意を読み切れていない様子のラックが首を捻りつつ、疑問を述べる。
「さぁ? でも、きっと、その答えも、この先で明らかになるんじゃないかな」
そう言って、先陣を切った、みのりんが、最奥のドアの前に立つ。
その気配に反応したのか、ドアが自動的にスライドし、来訪者を誘っている。
「ほらっ、先に進むよ」
「ちょ、待てよ、みのりん!」
「ふぅ、相変わらず何を企んでいるのか良く分からないな。まぁ、だからこそ面白いとも言えるけどね」
「み、皆さん、僕を置いてかないで下さい〜!」
こうして、みのりんに翻弄されつつ、三人は人型兵器の間を後にした。
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