幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)
最後の一手
「み、みのりんさん……本当に、これで行くんですか?」
「もちろん! だって、他に方法は無いでしょ?」
「それは……そうなんですけど。でも流石に、この体勢は、かなり恥ずかしいんですが……」
「あーもう、モジモジしない! 男の子でしょ!」
「いやいや、男だからこそ恥ずかしいんですってば! ……こんな風に女の子に抱き付くなんて」
顔を真っ赤にしたラックが全力でツッコんだかと思えば、一転して蚊の鳴くような声で呟きを漏らす。
そう、現在ラックは、みのりんの背中から抱き付き、みのりんのお腹を締め付けるように、足をクロスした体勢になっている。
一言で説明すると変則的な“おんぶ”の状態だ。
これは別に遊んでいる訳ではなく、人型兵器討伐の会議で導き出された作戦である。
「仕方ないでしょ? あの赤レーザーの隙間を見抜けるのはラックさんだけだし、ラックさんが一人でロボットの所まで行くのは無謀なんだから。私が背負って運ぶしかないじゃん」
みのりんが言った事からも分かるように、この作戦の要はラックである。
どうやら、あの赤レーザーを撃ち終わった瞬間だけ、人型兵器の心臓部が露になるらしいのだ。
そして、それを見抜いたのはラックのみで、他のメンバーは良く分からなかった。
そこで、カナとベイドが囮になり、機動力特化の、みのりんがラックを運ぶ手筈となった訳だ。
そんな面倒な事をしなくても、遠くから銃撃するなり、ラックの魔法で攻撃するなりすれば良いという案も出たが、結果的に成功しなかった。
遠距離攻撃を仕掛けると、人型兵器が危険を感知して、赤レーザーで迎撃してしまうのだ。
おまけに赤レーザーの威力が高すぎて、こちらまで貫通して来るのである。
つまり、どうにかして接近して、人型兵器を叩くしかないという事で、最も効果的なのが、その心臓部への一撃という訳だ。
「そ、それは分かってますよ? でも、あの、みのりんさんは何ともないんですか? 僕が、こんなにピッタリ張り付いてても」
「ん? 別に? だってラックさんだし」
「そ、そうですか……。これは嫌われていない事を喜ぶべきなのか、それとも男扱いされてないことを悲しむべきなのか……」
ちなみに、カナがラックを背負うという案もあったが、そちらは却下された。
純粋な機動力を活かして余裕を持って回避する、みのりんと違って、カナは常人離れした反射神経と、巧みな体捌きで紙一重の回避を実現している。
そのまま攻撃に繋げやすいという利点はあるが、今回のように誰かを背負った状態だと動きが制限されてしまい、回避が追い付かないだろう……という考えだ。
「なーに、ブツブツ言ってるの? カナちゃん達も準備が出来たみたいだし、そろそろ始めるよ!」
「は、はい! よろしくお願いします!」
ラックの返答を受け、みのりんは勢い良くスタートダッシュを決めた。
「もちろん! だって、他に方法は無いでしょ?」
「それは……そうなんですけど。でも流石に、この体勢は、かなり恥ずかしいんですが……」
「あーもう、モジモジしない! 男の子でしょ!」
「いやいや、男だからこそ恥ずかしいんですってば! ……こんな風に女の子に抱き付くなんて」
顔を真っ赤にしたラックが全力でツッコんだかと思えば、一転して蚊の鳴くような声で呟きを漏らす。
そう、現在ラックは、みのりんの背中から抱き付き、みのりんのお腹を締め付けるように、足をクロスした体勢になっている。
一言で説明すると変則的な“おんぶ”の状態だ。
これは別に遊んでいる訳ではなく、人型兵器討伐の会議で導き出された作戦である。
「仕方ないでしょ? あの赤レーザーの隙間を見抜けるのはラックさんだけだし、ラックさんが一人でロボットの所まで行くのは無謀なんだから。私が背負って運ぶしかないじゃん」
みのりんが言った事からも分かるように、この作戦の要はラックである。
どうやら、あの赤レーザーを撃ち終わった瞬間だけ、人型兵器の心臓部が露になるらしいのだ。
そして、それを見抜いたのはラックのみで、他のメンバーは良く分からなかった。
そこで、カナとベイドが囮になり、機動力特化の、みのりんがラックを運ぶ手筈となった訳だ。
そんな面倒な事をしなくても、遠くから銃撃するなり、ラックの魔法で攻撃するなりすれば良いという案も出たが、結果的に成功しなかった。
遠距離攻撃を仕掛けると、人型兵器が危険を感知して、赤レーザーで迎撃してしまうのだ。
おまけに赤レーザーの威力が高すぎて、こちらまで貫通して来るのである。
つまり、どうにかして接近して、人型兵器を叩くしかないという事で、最も効果的なのが、その心臓部への一撃という訳だ。
「そ、それは分かってますよ? でも、あの、みのりんさんは何ともないんですか? 僕が、こんなにピッタリ張り付いてても」
「ん? 別に? だってラックさんだし」
「そ、そうですか……。これは嫌われていない事を喜ぶべきなのか、それとも男扱いされてないことを悲しむべきなのか……」
ちなみに、カナがラックを背負うという案もあったが、そちらは却下された。
純粋な機動力を活かして余裕を持って回避する、みのりんと違って、カナは常人離れした反射神経と、巧みな体捌きで紙一重の回避を実現している。
そのまま攻撃に繋げやすいという利点はあるが、今回のように誰かを背負った状態だと動きが制限されてしまい、回避が追い付かないだろう……という考えだ。
「なーに、ブツブツ言ってるの? カナちゃん達も準備が出来たみたいだし、そろそろ始めるよ!」
「は、はい! よろしくお願いします!」
ラックの返答を受け、みのりんは勢い良くスタートダッシュを決めた。
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