幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)
二つのチーム
「なるほど。ここが、さっき見た部屋の下だったんだね」
「謎の穴と、そこから差し込む光……か。しかし、相変わらず、その意味については不明のままだな」
ダンジョンの通路から繋がる小部屋の一つに足を踏み入れた、みのりんとベイドが、そんなことを呟いた。
実は、第1層でも同じような構造の部屋を発見していたからだ。
状況から察するに、この部屋は、その真下に当たる場所らしい。
天井には、くり貫いたような穴が空いており、その下の床にも同じように穴が空いている。
ちなみに、第1層には天井がなく、吹き抜けになっており、そこから太陽の光が降り注いでいた。
謎の穴を通じて、その光が階下まで届いているのだ。
「うーん、多分、何かの仕掛けか、そのヒントに関わってると思うんだけど……。今の所は、さっぱり分かんないな~」
そう言いつつ、腰のホルスターから魔導銃を抜いて、穴に向かって発砲する、みのりん。
パシュン! と空気を裂く甲高い音と共に、エネルギー弾が放たれるが、脆そうに見える床はビクともしない。
第1層でも、床をブチ抜いてショートカットが出来ないかと試してみたが、結果は同じだった。
「力押しは通じない、ということだろう。この穴がショートカットに使うもので無いとすれば、最下層にある何かを照らす為のものじゃないか? それによって扉が開くとか」
「確かに、そうかもしれないね。取り敢えず、この下の階でも何か仕掛けがないか調べてとこっか」
「まぁ、何も無いとは思うが、念のためにな」
今後の方針について、意見を固め、二人は再び第2層の攻略を再開した。
……
…………
………………
一方、カナとラックのチームは、どうしているかというと——、
「…………(バサバサッ!)」
「…………(カタカタカタッ!)」
「…………(ドスン、ドスン、ドスン、ドスン!)」
「ぎぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!?」
「うっせぇぞ、ラック! その悲鳴のせいで、余計にモンスターが寄ってくんだろうが!」
無言で圧力を放つ大量のモンスターに追われていた。
コウモリ型、ガイコツ型、ゴーレム型のモンスターは合計で50を越えると思われる。
当然、ダンジョンの狭い通路はモンスターで埋め尽くされているため、最後尾は確認できないが。
「そうは言いますけど、こうなったのは、カナさんが後先考えずに突撃したからじゃないですかぁ!」
「お前こそ、ドジ踏みまくって、大量にトラップ作動させただろが!」
お互いに責任を指摘しあって、仲間割れの真っ最中である。
何だかんだでチームワークが取れていた、みのりんチームとは大違いだ。
とはいえ、こうなった責任の一端は、みのりんにもあるのだが。
「そもそも、なんで、みのりんさんは、あっちに行っちゃったんですか!? カナさんの仲間でしょう!」
「みのりんの考えなんか、俺様に分かるわけねぇだろ! というか、あいつの頭ん中なんて、シオンでも読み切れねぇしな!」
「シオンって、誰ですか!」
「いけすかねぇ、派手好きなインテリお嬢様だよ!」
そんなことを喚きつつ、必死にモンスターから逃げ回る二人。
さすがのカナも、こんな狭い空間では、まともに戦えない。
首尾よく何体か倒せても、後続のモンスターに押し潰されるだけだからだ。
そして、ラックは魔法も使えるオールラウンダーな剣士だが、この状況では落ち着いて詠唱する暇がない。
二人が攻勢に転じるには、一刻も早く広い部屋に辿り着くしかなかった。
「見えました! 出口です!」
そして、散々、追いかけ回された果てに、二人は円形のホールのような広い空間へ飛び出した。
「っしゃあ! 反撃開始だぜ!」
「謎の穴と、そこから差し込む光……か。しかし、相変わらず、その意味については不明のままだな」
ダンジョンの通路から繋がる小部屋の一つに足を踏み入れた、みのりんとベイドが、そんなことを呟いた。
実は、第1層でも同じような構造の部屋を発見していたからだ。
状況から察するに、この部屋は、その真下に当たる場所らしい。
天井には、くり貫いたような穴が空いており、その下の床にも同じように穴が空いている。
ちなみに、第1層には天井がなく、吹き抜けになっており、そこから太陽の光が降り注いでいた。
謎の穴を通じて、その光が階下まで届いているのだ。
「うーん、多分、何かの仕掛けか、そのヒントに関わってると思うんだけど……。今の所は、さっぱり分かんないな~」
そう言いつつ、腰のホルスターから魔導銃を抜いて、穴に向かって発砲する、みのりん。
パシュン! と空気を裂く甲高い音と共に、エネルギー弾が放たれるが、脆そうに見える床はビクともしない。
第1層でも、床をブチ抜いてショートカットが出来ないかと試してみたが、結果は同じだった。
「力押しは通じない、ということだろう。この穴がショートカットに使うもので無いとすれば、最下層にある何かを照らす為のものじゃないか? それによって扉が開くとか」
「確かに、そうかもしれないね。取り敢えず、この下の階でも何か仕掛けがないか調べてとこっか」
「まぁ、何も無いとは思うが、念のためにな」
今後の方針について、意見を固め、二人は再び第2層の攻略を再開した。
……
…………
………………
一方、カナとラックのチームは、どうしているかというと——、
「…………(バサバサッ!)」
「…………(カタカタカタッ!)」
「…………(ドスン、ドスン、ドスン、ドスン!)」
「ぎぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!?」
「うっせぇぞ、ラック! その悲鳴のせいで、余計にモンスターが寄ってくんだろうが!」
無言で圧力を放つ大量のモンスターに追われていた。
コウモリ型、ガイコツ型、ゴーレム型のモンスターは合計で50を越えると思われる。
当然、ダンジョンの狭い通路はモンスターで埋め尽くされているため、最後尾は確認できないが。
「そうは言いますけど、こうなったのは、カナさんが後先考えずに突撃したからじゃないですかぁ!」
「お前こそ、ドジ踏みまくって、大量にトラップ作動させただろが!」
お互いに責任を指摘しあって、仲間割れの真っ最中である。
何だかんだでチームワークが取れていた、みのりんチームとは大違いだ。
とはいえ、こうなった責任の一端は、みのりんにもあるのだが。
「そもそも、なんで、みのりんさんは、あっちに行っちゃったんですか!? カナさんの仲間でしょう!」
「みのりんの考えなんか、俺様に分かるわけねぇだろ! というか、あいつの頭ん中なんて、シオンでも読み切れねぇしな!」
「シオンって、誰ですか!」
「いけすかねぇ、派手好きなインテリお嬢様だよ!」
そんなことを喚きつつ、必死にモンスターから逃げ回る二人。
さすがのカナも、こんな狭い空間では、まともに戦えない。
首尾よく何体か倒せても、後続のモンスターに押し潰されるだけだからだ。
そして、ラックは魔法も使えるオールラウンダーな剣士だが、この状況では落ち着いて詠唱する暇がない。
二人が攻勢に転じるには、一刻も早く広い部屋に辿り着くしかなかった。
「見えました! 出口です!」
そして、散々、追いかけ回された果てに、二人は円形のホールのような広い空間へ飛び出した。
「っしゃあ! 反撃開始だぜ!」
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