これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!

ノベルバユーザー417511

危険な匂い8

 マリーはライルから借りた鍵を持ち
ルーファスの部屋へ訪れる。


「ルーファス、ちょっといい?」
返事は無い。
「居るんでしょ?」ドアノブを回す。
やはり、鍵が掛かっているようだ。
すると、
「一人にしてくれ....」と返事が来る。
マリーは鍵を使い、部屋へ入る。


「残念でした~!一人にはしませんっ!」
わざと、大きな声で明るく話す。


「ライルか....」
「正解っ。もうっルーファスったら、
明かりも付けないでっ」
ルーファスを探すと、真っ暗な部屋で
ソファーに俯きながら座っている。


「一緒にいるのに、一人じゃ淋しくない?」


「........俺は...淋しさなんて
感じた事が無かった。でも今は淋しくて
堪らない。弱くなったのかもしれん...」
淋しそうに、答える。


「それは違うわ。痛みを知って、人は
強くなるの。そして優しくもなる。
守る者が出来た時、もっと強くなるわ。
私を助けるのに、必死になって
くれたでしょ?」


「だが、俺は、あいつと同じ事を
マリーにっ.....」
「言わなかった私が、悪いの。
ジャックとかいう奴に、
体を奪われると思った時は、さすがに
怖かったわけどねっ」
ルーファスは言葉に詰まる。


「でもね、あいつに触られた時、
鳥肌たったのよ。ホントに嫌だったの。
らしくない、涙まで出ちゃたんだからっ」
ルーファスは、マリーに触れようとするが
手を引っ込める。


マリーはルーファスの隣に座り
そっと抱きしめる。
「聞いてくれる?」
「ああ」
「私ね、初めてはルーファスと決めているの。
ううん、ルーファスじゃなきゃ嫌。
でも、今はまだ心の準備が出来てないの。
それまで、待っててくれる?」


マリーは、ルーファスを離す。
「俺で、いいのか?」
「何、言ってんのよ。俺様で淋しがりやの
ルーファスがいいのっ!」


ルーファスとマリーは微笑みながら
見つめ合う。
そして、ゆっくりと自然に唇が重なり合う。
何度も何度も角度を変えながら...


「んっ、ルーファス....」唇が離れる。
しかし、ルーファスがマリーの
頭を引き寄せ、またキスをする。
マリーもそれに答える。


時間がゆっくりと感じられた。
そして、名残惜しそうに唇が離れる。
「マリー」
ルーファスがマリーを抱きしめる。
「助けてくれて、ありがとう.....」
「どこでだって俺はマリーを助けに行く」


そして、二人は、またキスをするのであった。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品