これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!

ノベルバユーザー417511

マリの夜会での支度。

「何か、あったの?大ピンチって! 」
ジルが慌てて聞いてきた。
「そうなの、大ピンチなの。
ドレスがださいのよ~」
「なんとか、ならない? 」


少し間が空き、
「なりません!!!」
ハッキリと言われる。
「そんな事で呼び出したんじゃ、
ないよね」


「何言ってるのよ。乙女の大ピンチよ! 」
「ジルには貸しがあるのよ。私をこの世界に連れて来たのはジルなんだから」
「それよりも、早くこのドレスなんとか、
もうちょっとシンプルにして」
「リリアンが戻って来ちゃう! 」
「どうせ、魔法とか使えるんでしょ」


「はいはい。分かりましたよ。
でも、もうくだらない事で
呼び出さないでよね」


「分かったから、早く!!! 」


ジルがクルリと一回転した。


その途端ドレスはリボンやらレースが
外れて、しっとりとしたシンプルなドレスに
変わった。


「お~!! 初魔法!! 生きてて、
魔法が見れるとは。流石ね!! 」
いや、一回死んだか.........


ジルは誇らしげに、胸を張っている。


猫が胸張ってるよ。
可愛いすぎるんですけども。


「ジル~。ありがとう。ホント凄いわ」
これでジルの攻略も分かったわ。
誉めちぎり作戦ね。


「じゃあ、僕行くよ。
ほんと、忙しいんだから、
あんまり呼び出さないでよね」
と言って消えて行った。


ほどなくして、リリアンがお茶を用意して
戻ってきた。


「お嬢様、お茶の用意が出来ました」
「ありがとう。皆も少し休んで」


ザワザワ。
侍女達がなにやらヒソヒソと話している。


あー、あれね、ありがとう。効果ね。


なるべく早く皆にも慣れて貰いたいわ。
悪役令嬢なんて、いつどこで、恨みを買って
殺されるか、わかったもんじゃないんだから。


「では、マリー様、お着替え初めましょう」


コルセットをこれでもかと、
ぎゅうぎゅうに絞めあげられ、
「うっうっうっ、苦しぃ~~。もう無理!! 」
「何をおっしゃってるのですか。
今日は大切な日なのですよ。他の方より綺麗にしなくてはっ!! 」


私は全くそんなつもりなんて、無いから~。


そしてドレスを持って来る。


「あれっ?こんな形でしたか?もっとこう
ゴテゴテした、ブリブリな.....」


やっぱり、皆そう思ってたんじゃない!!


「何を言ってるの?間違いなくこれよ」
「そ、そうですか......」
首を傾げている。
すっとぼけるしかないわね。
「リリアン、早く着替えさせて。」
シンプルになったドレスに着替える。
「まぁ~。なんて素敵な
ドレスなんでしょう」
「これで、ルーファス王子も、
いちころですね」


全く、仕留める気はございませんから。


「次はお化粧と、髪をセット致しますね」


でたっ。グリクリの縦巻きロール。
これは、なんとしても阻止しなくては。


「リリアン、お願いがあるのですが」
「なんでございますか? 」
「少しいつもと雰囲気を変えたいから、
あの縦巻きロールやめてくれない? 」


「························」
「ねぇ、リリアン、聞こえている? 」
「やはり、お嬢様変わられました....」
マリーは縦巻きロールに
深いこだわりがあったのだ。


「リリアン、人はね、
経験を経て変わるものなのよ。
良くも、悪くもね。」


よし、決まった!


リリアンが今にも泣き出しそうな顔になる。


「そ、そうでございますよね。
マリー様。リリアンは感動いたしました」


ふふふふふ。
これで、縦巻きロールは完全阻止ね。


「ふわっとした
半分ロールアップにしてくれないかしら」
「それと、お化粧もナチュラルにね」


「かしこまりました」


お化粧も髪のセットもオッケー!
これで完璧じゃない!


「お待たせ、致しました。後はジュエリーを
着けて、終了でございます。」
「じゃあ、シンプルなドレスだから
少し大きめなガーネットにでも
しましょうか」
赤色のイヤリングとネックレスを着ける。


リリアンがニコニコと微笑んでいる。


鏡に向かう。


「かっ、可愛~いぃ~! 」
思わず口から出てしまった。
もとが良いから、まじ可愛いんですけど。


「お嬢様、大変お美しいです。他の令嬢にも
絶対、負けません! 」


だから、勝負しませんってば。


気が付けば、もう夕方になっていた。


コンコンコン。


「お姉様、用意は出来ましたか?
そろそろ向かう時間ですよ」


ロイが部屋まで迎えにきた。

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