これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!

ノベルバユーザー417511

異世界にて。

「マリー様、マリー様っ!」
誰かが、慌てるように声をかけてくる。


「うっ、痛い····」
庭の散歩中に、石につまずき、おもっいきり、
転倒してしまったようだ。


「マリー様? 私、まりだけど。めっちゃ、
ニアピン。呼び方間違えて無い?」
「何をおっしゃっているのですか?」
メイドのような格好をしている女性が
心配そうにこちらを見ている。


「マリー様、頭は大丈夫ですか。
呼び掛けても、返事がないようですので、
心配いたしました」
「痛い所はございませんか?」


「痛いは、痛いけど。
いったい····ここ····どこ?」


「マリー様、大変っ! 私の事分かりますか?
すぐにお医者様にみてもらいましょう」


ぐいぐいと、その女性が手をひいて、
屋敷のほうへと連れていかれる。
周りを見渡すと
中世のヨーロッパのような庭が広がっている。


屋敷に着いたまりは、沢山の人に
着替えをさせられて、ベッドに寝かされた。


「マリー様、すぐお医者が来られますので
安静にしておいで下さいませ」
静かに女性が、部屋から出ていく。


ガバッ。
まりは直ぐにベッドから出て、鏡へと向かう。


「なっ....! なにこれ~! 」
まりは、目を見開き、鏡に映る人物を
くいいるように見つめる。


「だっさ~! なにこれ。縦巻きロールって
どこの悪役令嬢よ・・・・・
えっ・・・・・悪役令嬢?
もしかして、これって、悪役令嬢~っ!」
思わず、大きな声で叫んでしまう。


ドンドンドン。


「マリー様、どうされました?
何やら大きな声が聞こえたのですが。
扉を開けさせて頂きます。」


ガチャ。


「マリー様、起きてはいけません。
すぐにベッドにお戻り下さい」
無理やり、ベッドに戻されてしまう。


まりは、訳がわからず、考え込んでしまう。
「いったい、どうなってるの....」


お医者様のような人が来て、診察される。
「頭を打って、一時的に記憶が
飛んだのでしょう。時間がたてば、
記憶は戻ります。心配はいりません」
どうやら、一時的な記憶喪失と
診断されたようだ。


「マリー様、とりあえずは、
安心いたしました。直ぐ思い出すかと
思いますが、何かございましたら、
リリアンをお呼び下さいませ 」


「ご夕食ができましたら、
本日は、お部屋に運びますので。
それまで安静にして下さいませ」


リリアンが部屋から出ていった。


「のんびりしてる暇はないわ。
まずは、状況から把握しなくては」
まりは、ベッドから起き上がり、
もう一度、鏡の前にたつ。


「う~ん。何度見ても、ださいわ....」
目はパッチリ二重のグリーン、
髪の毛は明るい栗色の縦巻きロール。
年は15才位。
肌は真っ白で透き通る位白い。
なかなかの美少女である。


「はぁ~。どうしてこうなった。
朝、出勤しようとして横断歩道を
渡る所まで覚えているんだけど」
「はっ!!!もしかして、私死んだっ!?
これって、まさか、最近読んでた、
悪役令嬢に転生するって話しじゃないよね?
いやいや、落ち着け、マリーとか言う人
出て来なかったし」


チリン....


音のする方へ目を向けると、朝見た黒猫が
こちらを見ていた。


「あっ~! あの時の、黒猫~!!」

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品