リアル乙女ゲームは、悪役さえも付いていない、ただの令嬢だった。~40オーバーおばさんの乙女ゲーム初デビュー~

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ヤンデレ王子ケイン編1

 リズは、停めてある馬車に乗り込む。
「リズお嬢様、今日もお早いお帰りなのですね」
メアリが聞いてきた。
「そうそう、後は若い人に任せたわ。長居して邪魔してもね。それより、お土産」
「またお嬢様は....ありがとうございます」
メアリもだんだんと桜の行動に慣れてきたようだ。
「どうでした?今日のお茶会?」
「なんとかアンリ様とランバード王子を上手く行くように仕向けたつもり。手応えは悪くなかったの。だってね、ランバード王子ったら、私に焼きもち焼くんだよ?」リズは嬉しそうに話す。
「あら、それは良かったですわね」
「それとね、ソフィという令嬢がいるんだけど、その子もまた可愛いのなんのって。他の王子にアピール出来たんじゃないのかな?」
「お嬢様、他の方の事よりも、自分のアピールもお忘れないように」
「うーん、そうなんだけど、いまいちピンと来ないのよ。だって、皆フレッシュすぎ」
「フレッシュとは?」
「ごめん。ごめん。若いって事よ」
「まさかっ、リズお嬢様は、年配の方が好みだったのですか?」
「メアリ、年配って、だいたい、いくつの事よ」
「そうですね....40才過ぎでしょうか?」
「あははっ、まさに私じゃん....」
「何をご冗談を。リズ様の好みをとやかくは言いませんが、リズ様も殿方に目をを向けて下さいませ」
「その内ね.....」
いや、当分は無理でしょう。だいたいこの乙女ゲームって対象年齢いくつよ?って感じ。私だって、携帯で乙女ゲームやってみた事あるのよ。無料だって言うし、暇つぶしにさ。でもいい所で課金が来るのよ。上手い事作られてるわ。あったま来て直ぐ削除してやったわ。と言う思い出しかない。しかし現実はリアルな乙女ゲームの世界にいる。今は一応無料か....ダンディな騎士とか執事が出てきたら考えてあげてもいいけどさ...なんて事を考えていると、屋敷に到着した。

「今日も疲れたわ。リズ、ワ」まで言うと
「ワインと、おつまみでございますわね」メアリがニッコリと微笑む。
「さすがね、私リズを嫁に貰いたいわ....」と言うと
「ご冗談は、お止めください...」リズの頬が赤くなった気がした。
メアリがワインとつまみを持って来ると、いつもの晩酌タイム。今日は飲むのは程々にしとこっ。明日はさすがにアンリも来ないだろう。ランバードがデートにでも誘ってるだろうから。程よく酔いが回ると、ベッドに潜り込み眠りに落ちた。

朝になりメアリが起こしに部屋までやって来ると
「お嬢様、リズお嬢様っ」と何やらただ事ではない雰囲気の様子で起こしに来る。
「何?リズどうしたのよ。そんなに慌てて....」
「ケイン王子が、いらっしゃってます」
「アンリ様じゃなくて?ケインってヤンデレの?」
「ヤンデレの意味は分かりませんが、とにかく早く支度を....」
眠い目を擦りながら
「はい、はい」と言って支度に取りかかる。5分もしたら準備が出来き、ケインを客間に通してあるらしくリズは面倒くさそうに客間に向かう。
「お待たせしました。ケイン王子」
「ごめんね。こんな朝早く。早く来ないと誰か来ちゃうでしょ」
何の事か分からず、首を傾げると
「いいの、いいのこっちの話し」ケインは今の所、ヤンデレではなく、好奇心旺盛なお茶目な若者と言った所だ。
「今日は、どうされたのですか?」
「うんとね、僕ちょっと悩みがあるんだ。ここじゃ何だからさ、僕の城に来てよ」

選択肢が現れる。A.ケインの城に行く。B.行かずにここで悩みを聞く。めんどくさいから、Bで。

「ここで、聞くの?じゃあしょうがないよね」と言うと、手錠をガチャリとかけられる。桜は嘘でしょ~。と思ったが、説明書を思い出す。手錠を掛けて離さないって書いてあったな。こいつ、手錠マニアなのかよ~。選択間違えたわ。と思ったがもう遅い。もう片方の手錠はケイン自身の腕にはめ
「これで離れられないねっ」と喜んでいる。まだ死ぬ気配は無さそうだから、仕方無くケインに従う。

だけど、手錠をはられるのは、ソフィじゃ無いの?と思ったが、実際にはめられてるのは私なので、ここは諦めよう。
「さっ、行こうかっ」と言うと、楽しそうに、ケインは停めてある馬車に向かう。メアリが来て
「お嬢様どちらへ?」と聞いて来たので、心配をかけたくないし、一応このバカたれでも王子なので
「ちょっと、ケイン王子の城へ行ってきます」と手錠を隠しながら馬車へと乗り込む。

ケインは、馬車の中でも鼻歌を歌いながら、ウキウキしている様子だ。
「ケイン様、楽しそうな所申し訳ありませんが、手錠を外して頂けませんか?」
「痛かった?でも、まだダメ~」なんと子供なんだろう?見た目は、栗色のサラサラヘアに、ブルーの瞳で大人な色気を漂わせているのに....このクソガキが。と心の中で悪態をつくが、本人に言う訳にもいかず黙って従う事にする。
きっと何か暗い過去を持っているに違いないから。程なくすると、馬車はケインの城へ到着したのだった。

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