リアル乙女ゲームは、悪役さえも付いていない、ただの令嬢だった。~40オーバーおばさんの乙女ゲーム初デビュー~

ノベルバユーザー417511

王子達との出会い

 リズとメアリは、アンリの館へ向かう。
「ねえ、メアリ、四人の王子って有名なの?」
「リズお嬢様、最近もの忘れが酷いです。もちろん、知らない人はいません。皆様の憧れなの的なんではございませんの?」
「そんなに?」
「それはもう、容姿端麗で、素敵な方ばかりですわ」
「メアリもその中の一人って所ねっ」
「な、何を仰ってるのですかっ!めっそうもございませんっ」メアリが頬を染めて反論している。
「リズお嬢様だって、王子達の事、素敵だと仰ってたじゃございませんか」
「私も?そうなんだ。今は、全く興味無いわよ。むしろこのまま、ひっそりと暮らしたいくらいよ。でも、アンリ様があの調子だものね.....」全く関わらないとはいかなそうだが、顔見知り程度なら問題無いだろう。馬車に揺られながら、アンリとランバードをどうやって引っ付けようか。と考えていた。

その頃、アンリは庭でいつもの令嬢達に囲まれながら談話をしていた。アンリがあまりにも、キョロキョロ、ソワソワとしている為、周りの令嬢達は、心の中で、ランバード王子達、早く到着してくれないと、アンリ様の機嫌が.....とハラハラしていた。少しすると、
「きゃ~、王子達よっ」
アイドルばりの黄色い声援が聞こえてくる。アンリの取り巻き達が
「アンリ様、ランバード王子いらっしゃいましたよ」と伝え、ほっと胸を撫で下ろす。しかしアンリは顔をしかめ
「ちっ、来るの早いじゃない....なんなら来なくて良いと伝えたのに....」とぶつぶつ言っている。驚いて、皆一斉にアンリの顔を見る。
「な、何よっ。何か文句でもあるって言うの?」
皆慌てふためき
「めっそうもございません」と返事をした。

ランバード達がアンリの隣に来て、
「なんだ、俺が来るのが遅いから、また機嫌が悪いのか?」
アンリは、ランバードを睨むと
「ふんっ、そんな事ございませんっ」と言ってそっぽを向く。ランバードは、アンリが自分の事にベタ惚れだと思っている為、好きでも無いのに、何をしても良いと思っている。
しかし、アンリはもうランバードの事など、どうでもよいと思っている事を知らない。

「なんだ?俺の事そんなに好きなのか?」ランバードが皆の前でわざとらしく言うと、いつもなら顔を真っ赤にさせて俯くのだが、今日に限っては、反抗的な態度を見せる。
「何を仰ってるのですか?意味分かりませんわ」
「な、何?」
他の王子達がニヤニヤとしている。

遠くからリズが息を切らせながら、向かって来るが見える。アンリはランバードを払いのけ
「リズっ」と言うと、嬉しそうに駆け寄る。
王子達は、ランバードに
「振られちゃったね」とからかうと、
「うるさいっ」と言い返す。

リズは、急いでアンリの元へ向かうと、アンリが嬉しそうに駆け寄って来るのが見える。
「アンリ様、遅れて申し訳ありません」
「もうっ、遅いじゃないっ。来ないかと思ったじゃないっ」と言うと、リズに腕を回しべったりと引っ付く。皆が興味津々にリズとアンリを見てる。それを見て、王子達が近寄ると
「あれっ?君、この間アンリに説教した子?」
リズは王子達に失礼が無いように、
「私、リズ・ルイーズ・カリーと申します」と挨拶をする。
「ふ~ん。普通だね.....」皆、納得するように頷く。
失礼なっ、普通が一番じゃないかっ。このボンクラ王子達め。無駄にキラキラしやがって。と心の中で悪態をつく。

「リズっ、向こうに行きましょっ。リズの好きなお菓子を用意したのよっ」と嬉しそうに、リズの腕を引く。ダメだ。ランバードとの仲を取りもたないと、私の体力も、持たない。
「ですが、ランバード王子達を放っておくのは、どうかと思いますわよ?」
「リズ、私よりランバード王子の方がいいって言うの?」
そっちもかよ。めんどくせ~。と思いながら、
「いいえ、私は、アンリ様に皆と仲良くして貰いたいのですよ」
アンリは、渋々
「分かったわよ...リズがそう言うなら、そうするわ」
「良く出来ました」と言って、リズはアンリの頭を撫でる。アンリは、真っ赤になりながら、俯く。
王子達が、口をポカンと開け驚いていると、ランバードが
「お前、俺がブルーアリアの王子だと知っているか?」と少しイライラしながら尋ねてきた。
「ええ、もちろんですわ。あなたを知らない方など、ここにはいらっしやらないのでは?」
「じゃあ、俺がアンリの婚約者だと分かっているんだろうな?」
おやっ?焼きもちか?いい感じなんでないかい?

ここで選択肢が現れる。ここは、きっと重要ポイントね。A.大笑いをする。B.口答えをする。
んっ?これ、どっちかが、上手く話し進むわけ?
カウントダウンタウンが始まる。どっちも選べないんじゃん。失敗すれば、GAME OVERだよ。桜は答えようとするが、惜しくも間にあわず、勝手にAが選ばれる。
ちょっと可笑しくないんだから、笑いたくないって.....

「あはははっ!」
「な、何が可笑しいっ?」
そりゃ、怒るさ。私だってこんなシーンで、笑われたら怒るって。この後なんて言えばいいんだって。そこは放置なのかよ....

リズは、難しい顔をして黙り込む。でも焼きもち焼くランバードも私からすれば、可愛いらしいよね。
「すみません....あまりにもランバード王子が可愛らしくて」
「可愛い?」
「ええ、焼きもち焼かれているのですよね?」
「ち、違うっ。断じてそんな事はっ」
「いいのですよ。私、ご自分に素直な方は嫌いではございません。王子だからと言って無理に強がらなくてもいいのですよ?」ランバードの顔も赤くなる。
「お前、リズって言うのか?」
「そうですわ」
「そうか....」ランバードは一瞬、微笑んだように見えた。アンリが、
「ちょっとっ!ランバード王子、私のリズになんて事仰るのですか?」アンリがランバードに怒ると、
「お前のじゃないだろ?」と訳の分からない事を言い出している。
アンリは、リズを引っ張って連れて行くと、ランバードと王子達がゾロゾロと、その後をついてくるのだった。

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