リアル乙女ゲームは、悪役さえも付いていない、ただの令嬢だった。~40オーバーおばさんの乙女ゲーム初デビュー~
アンリのお茶会
声の主は、桜が『なんプリ』と言う乙女ゲームをしてないと告げると
「まあ、それもありでしょうか....」
その声は、自分は世界だと言った。この世界を作った創造神なのかな?と思ったけど、別に興味ないから深くは聞かなかった。
桜はあらすじと登場人物だけは、読んでいた事を思い出した。
「だからか、さっきの王子どこかで見たと思ったんだよね。でも、殺されちゃったじゃない....」
「ええ、なのでやり直します」
「意外と便利だな....」
「では、Aを選びますか?Bを選びますか?」
「今度は騙されないわよ。どうせやるなら主人公でしょ。断然Aよっ!」
「ではっ、行ってらっしゃいませ~」世界の声と共に目を閉じる。桜は、非日常な世界に少しだが、ワクワクしながら、そっと目を開ける。そして急いで鏡を見る。
「セフィじゃないよね....」登場人物を思い出す。
「記憶にないな....」もう一度鏡でじっくりと顔を見る。
「普通~。中の中。いやなんなら、中の下くらいじゃん。騙された~っ!」桜は思いっきり叫ぶ。そして、少し考える。
「ちょっと待てよ。さっきは悪役令嬢のアンリとか言う人物で速攻、殺されたよね。ならこのモブCくらいの人物でいいのかも。平穏に暮らせるよね」
桜は、シメシメと顔をにやつかせる。
コンコンコン。
「リズお嬢様、準備が整いました」
侍女のメアリが何かの準備をして、部屋にやって来た。
「なんかのイベントか?まあ、モブCならすぐ殺される心配は無いか」と思い
「お入りになさい」と返事をする。
メアリが部屋に入って来る。
「リズお嬢様、アンリ様のお茶会の準備が出来ました」
アンリってあの悪役令嬢の事ね。
選択肢が現れる。A行く、B行かない。これは、Aで問題無いよね。お茶会ってのに興味もあるしね。Aが点滅する。
「では、ご用意致します」
綺麗なピンクのドレスに着替え、化粧を施して貰う。
「リズお嬢様、こんな感じで宜しいでしょうか?」
鏡を覗き込む。.......ジミ~。なんてジミなんでしょう。
「ちょっと、貸してっ!」化粧道具を奪い取ると、これでも若い時はね、クラブでブイブイ言わせてたんだからっ!桜は器用にしっかり厚めメークなのに、ナチュラルに仕上げる。40代のカバー化粧力を舐めちゃ困るよ。化粧も仕上がり、鏡を覗き込む。
「まあ、まあ、いいんじゃない?」
「リズお嬢様、とても綺麗ですっ!」メアリが大喜びしている。
「さてと、アンリ様のお茶会でも行きますかね。よっこらしょっと....」いつもの癖で、ついつい言ってしまう。
桜は、アイリの屋敷へと出発する。馬車の中で、侍女のメアリに
「ねえ、所で、アンリ様って誰と婚約してるの?」
「ランバード様ですが。お忘れですか?」
「まだ婚約破棄とかされてないの?」
「えっ、いつでございますか?」
「うそうそ、冗談よ」
「まさかリズお嬢様、前からランバード王子をとても素敵な方だとおっしゃってましたが、奪うおつもりですかっ!」
「そんな訳無いでしょ。なんなら、近寄りたくないわ。いつ殺されるか分からないもの」
「殺されるとは....穏やかじゃございませんね」
「妄想よ。ほら、私なんていてもいなくても、分からないんだから、そんな事あるわけないでしょ」
「そうですか...」メアリと話しをしている内に、大きな屋敷に到着した。
「ここ?結構大きな屋敷ね」
「何度かお茶会にも出席してるはずですが?」
「最近、物忘れが酷くてね~。嫌んなっちゃう」最近の40代トークだ。
「はあ、お若いのに....」メアリは可哀想な人を見る目でリズを見る。リズは、馬車から降りると、庭へ向かう。
「なんて、素敵な庭なんでしょ」と感動していると、庭で貴族達が優雅にお茶をしながら会話をしている。すると選択肢が、A.アンリに挨拶に行く。B.アンリに挨拶に行かない。
「どっちにしようかな。Bも気になるよね。でもとりあえず、Aだよね」桜はAを選ぶ。Aを選ぶと、一人の女性が近寄って来る。
「リズ様ですか?」
「ええ、そうですが...」
「私、ジーナですよ。リズ様なんかいつもと違うから分からなかったですわ」そしてリズを引っ張り、耳元で
「今日のアンリ様は、荒れていましてよ。ランバード王子がなかなか来ないから、機嫌が悪いんですのよ」
と耳元でこっそり話す。
えっそうなの?じゃあB選んでれば良かったじゃん。と心の中で呟く。
このジーナという令嬢もモブAといった所だろう。ジーナは一人でアンリの元に行きたくないようで、リズを引っ張りながら、アンリの元へ連れて行く。
すると、アンリを中心に令嬢達が、誰かを囲みながら、文句や嫌味を浴びせている。
「あなた、ちょっと可愛いからって、殿方に色目使ってるんじゃないですわよっ」
女のやっかみだ。やだやだ。ゲームだからって、それは無いでしょう。今時の高校生だって、囲みはしないわ。桜はいつもの癖で、手をぱんぱんと叩き
「はい、皆、先生に注目~」周りは、ざわっとするが、当の本人は全く気が付いていない。アンリが
「先生?あの令嬢誰ですの?」と聞いている。
ジーナが焦ったようで
「ちょっと、リズ様」と腕を引くが、桜は先生としての習性が抜けきらず、構わず続ける。
「年頃の女の子が、皆で寄ってたかって、ダメでしょう?それじゃ、好きな男の子も寄って来ないわよ。先生悲しい」と言って、虐められてる令嬢の手を引く。
「あら、あなた....」その令嬢の顔を見ると潤んだ瞳の主人公のセフィだったのだった。
「まあ、それもありでしょうか....」
その声は、自分は世界だと言った。この世界を作った創造神なのかな?と思ったけど、別に興味ないから深くは聞かなかった。
桜はあらすじと登場人物だけは、読んでいた事を思い出した。
「だからか、さっきの王子どこかで見たと思ったんだよね。でも、殺されちゃったじゃない....」
「ええ、なのでやり直します」
「意外と便利だな....」
「では、Aを選びますか?Bを選びますか?」
「今度は騙されないわよ。どうせやるなら主人公でしょ。断然Aよっ!」
「ではっ、行ってらっしゃいませ~」世界の声と共に目を閉じる。桜は、非日常な世界に少しだが、ワクワクしながら、そっと目を開ける。そして急いで鏡を見る。
「セフィじゃないよね....」登場人物を思い出す。
「記憶にないな....」もう一度鏡でじっくりと顔を見る。
「普通~。中の中。いやなんなら、中の下くらいじゃん。騙された~っ!」桜は思いっきり叫ぶ。そして、少し考える。
「ちょっと待てよ。さっきは悪役令嬢のアンリとか言う人物で速攻、殺されたよね。ならこのモブCくらいの人物でいいのかも。平穏に暮らせるよね」
桜は、シメシメと顔をにやつかせる。
コンコンコン。
「リズお嬢様、準備が整いました」
侍女のメアリが何かの準備をして、部屋にやって来た。
「なんかのイベントか?まあ、モブCならすぐ殺される心配は無いか」と思い
「お入りになさい」と返事をする。
メアリが部屋に入って来る。
「リズお嬢様、アンリ様のお茶会の準備が出来ました」
アンリってあの悪役令嬢の事ね。
選択肢が現れる。A行く、B行かない。これは、Aで問題無いよね。お茶会ってのに興味もあるしね。Aが点滅する。
「では、ご用意致します」
綺麗なピンクのドレスに着替え、化粧を施して貰う。
「リズお嬢様、こんな感じで宜しいでしょうか?」
鏡を覗き込む。.......ジミ~。なんてジミなんでしょう。
「ちょっと、貸してっ!」化粧道具を奪い取ると、これでも若い時はね、クラブでブイブイ言わせてたんだからっ!桜は器用にしっかり厚めメークなのに、ナチュラルに仕上げる。40代のカバー化粧力を舐めちゃ困るよ。化粧も仕上がり、鏡を覗き込む。
「まあ、まあ、いいんじゃない?」
「リズお嬢様、とても綺麗ですっ!」メアリが大喜びしている。
「さてと、アンリ様のお茶会でも行きますかね。よっこらしょっと....」いつもの癖で、ついつい言ってしまう。
桜は、アイリの屋敷へと出発する。馬車の中で、侍女のメアリに
「ねえ、所で、アンリ様って誰と婚約してるの?」
「ランバード様ですが。お忘れですか?」
「まだ婚約破棄とかされてないの?」
「えっ、いつでございますか?」
「うそうそ、冗談よ」
「まさかリズお嬢様、前からランバード王子をとても素敵な方だとおっしゃってましたが、奪うおつもりですかっ!」
「そんな訳無いでしょ。なんなら、近寄りたくないわ。いつ殺されるか分からないもの」
「殺されるとは....穏やかじゃございませんね」
「妄想よ。ほら、私なんていてもいなくても、分からないんだから、そんな事あるわけないでしょ」
「そうですか...」メアリと話しをしている内に、大きな屋敷に到着した。
「ここ?結構大きな屋敷ね」
「何度かお茶会にも出席してるはずですが?」
「最近、物忘れが酷くてね~。嫌んなっちゃう」最近の40代トークだ。
「はあ、お若いのに....」メアリは可哀想な人を見る目でリズを見る。リズは、馬車から降りると、庭へ向かう。
「なんて、素敵な庭なんでしょ」と感動していると、庭で貴族達が優雅にお茶をしながら会話をしている。すると選択肢が、A.アンリに挨拶に行く。B.アンリに挨拶に行かない。
「どっちにしようかな。Bも気になるよね。でもとりあえず、Aだよね」桜はAを選ぶ。Aを選ぶと、一人の女性が近寄って来る。
「リズ様ですか?」
「ええ、そうですが...」
「私、ジーナですよ。リズ様なんかいつもと違うから分からなかったですわ」そしてリズを引っ張り、耳元で
「今日のアンリ様は、荒れていましてよ。ランバード王子がなかなか来ないから、機嫌が悪いんですのよ」
と耳元でこっそり話す。
えっそうなの?じゃあB選んでれば良かったじゃん。と心の中で呟く。
このジーナという令嬢もモブAといった所だろう。ジーナは一人でアンリの元に行きたくないようで、リズを引っ張りながら、アンリの元へ連れて行く。
すると、アンリを中心に令嬢達が、誰かを囲みながら、文句や嫌味を浴びせている。
「あなた、ちょっと可愛いからって、殿方に色目使ってるんじゃないですわよっ」
女のやっかみだ。やだやだ。ゲームだからって、それは無いでしょう。今時の高校生だって、囲みはしないわ。桜はいつもの癖で、手をぱんぱんと叩き
「はい、皆、先生に注目~」周りは、ざわっとするが、当の本人は全く気が付いていない。アンリが
「先生?あの令嬢誰ですの?」と聞いている。
ジーナが焦ったようで
「ちょっと、リズ様」と腕を引くが、桜は先生としての習性が抜けきらず、構わず続ける。
「年頃の女の子が、皆で寄ってたかって、ダメでしょう?それじゃ、好きな男の子も寄って来ないわよ。先生悲しい」と言って、虐められてる令嬢の手を引く。
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