捨てられた令嬢~呪われた皇太子~

ノベルバユーザー417511

第三〇話

 ヒューの呪いはとけ、ラッセルとしての人生が始まろうとしている。
サラは久しぶりに家へ帰って来た。
「お父さん、お母さん只今、戻りました」
「サラ、お帰り。心配したんだよ。この子はどこまで強くなるってんだい」ステラとロビンがサラに駆け寄る。
「ラッセル王子の呪いは解けんたんだろ?」
「うん。それがね....」
わんっと言ってヒューが入って来る。
「呪い解けてないのかい?」
ラッセルが
「たまにな、サラがヒューになって欲しいって言うからな。ハンナに頼んで自由に姿が変えられようにして貰ったんだ」
「あんたも、サラには甘いね~」
「お前もなっ」
と言って二人は二階の部屋へ戻る。


「サラ、これからなんだがな。あまり会えなくなるかもしれない」
「うん、分かってる。婚約したって言っても、私は名ばかりの伯爵ですもの。反対する人だって沢山いるでしょ?」
「ああ、それもあるがな。今城では、俺がいない間、シーラの一派が、力を付けて来てるようなんだ」
「だって、シーラ様も、レオ王子もラッセル王子に従うと....」
「政事なんて、力を付け過ぎると、王子関係無く動きだすものだ。俺もレオもただの飾りになってしまう」
「私はいいの。だけどラッセルが心配。私が原因で何かあるとしたら、私....」
「バカを言うな。俺はサラ以外、妻にする気はない。心配するな」
「うん。ありがとう」とサラが言うと、ヒューはわんっと言いながら、サラを押し倒し、顔をペロペロと舐める。サラもヒューに抱きついて
「やっぱり、ヒューのモフモフ大好きっ」と言う。
「俺は、人としての方がいいがな」
「たまにだけねっ」ラッセルはサラにベタ惚れなのでサラのおねだりには逆らえない.....


「二人共、降りといで、ご飯ができたよ」
久しぶりの我が家にサラもラッセルもステラの声を聞くと安心してしまう。
二人は下へ降りると、ステラが
「家族が揃うのは、やっぱりいいね」
「うん、そうだね」とサラが返事をする。
「そうだ、あんた達、婚約したんだって?」
「そうなの。お父さんと、お母さんに報告しようと思って」
「そうかい、良かったよ。ヒューがサラの本当のナイトだったんだね。ヒュー、サラを泣かすような事があったら、城まで乗り込んでやるからね」
「はははっ、心配するな。ステラ。必ずサラを幸せにする。でも本当にステラならやりかねないな....」
「あたり前だろっ」
和やかな家族団らんも終わり、二人は部屋へと戻る。


「ラッセル、今日はここにいれるの?」
「ああ、明日、城に戻る」
「良かった」
「サラ、人に戻ってもいいか?」
サラはコクンと頷く。ヒューはハンナに貰ったペンダントで自由に姿を変える事が出来る。もちろん洋服も着ている。今までだって裸のまま姿を変えた事などは無い。
ヒューはラッセルの姿に戻るとサラを抱きしめる。
「やっぱり、抱きしめられるっていいな」
サラはラッセルの顔を見上げる。
「サラ、目を閉じてくれ」と言うとラッセルはサラの顎を掴み、深くキスをする。
「んっ....」唇が離れるとラッセルは、サラの頬を撫で
「早くサラを迎えられるようにするからな。それまで待っててくれるな?」
「うん。私は大丈夫だよ。だからラッセルも無理しないで」
二人は、ベッドに潜り込むと
「ヒューじゃないなんて、不思議」
「そうか。俺はこっちの方がいいがな。お休みサラ」
と言うと、ラッセルはサラを抱きしめ瞼にキスを落とす。
「お休み、ラッセル」と言うと二人は目を閉じた。


朝になり、サラは目を覚ますと、隣にいたはずのラッセルの姿は無かった。
「もう、城に帰ったのかな?」
サラは着替えを済ませ、下に降りる。
「サラ様おはようございます」ちゃっかりとラッセルを迎えに来たカイルも一緒に朝ご飯を食べている。
「ラッセル、起こしてくれればいいのに」
「いや、気持ちよさそうに寝てたからな」
「んもう....」
ステラが
「王子のお口に合いますかね?はははっ」
と冗談を言うと
「なんだステラ、今さらだろ。食べ慣れた味だ。ここは俺にとっては実家みたいなもんだろ?」
「そうだよ。王子がいやんなったら、いつでも家の養子にしてやるから。気がねなく来るんだよ」
「当たり前だ。たまに帰って来るから、ステラ、サラを任せたぞ」
「ああ、もちろんさ」
「それでは、ラッセル王子そろそろ、城に戻られませんと、議会に間に合いません」
サラが
「議会?ラッセルも忙しいね」
「これでも王子だからな。じゃあ直ぐにまた来るからな」と言うと、サラの頭にキスをして店から出る。
「気を付けてね。行ってらっしゃい」と見送る。
ラッセルとカイルは馬車に乗り込むと、
ステラが、
「いいね~。新婚さんみたいだね~」と言っている。
「まだ、結婚してないよ?気が早すぎたよ。お母さん」
「サラのウェディングドレスなんて素敵なんだろうね....」とブツブツ言っている。
「もうっ、お母さんたら.....」


サラは、ラッセルの乗った馬車を見えなくなるまで見送るのだった。

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