捨てられた令嬢~呪われた皇太子~

ノベルバユーザー417511

第二十話

 ヒューは、グレクからレオの事を聞いてから、どうにかして、犬の呪いをとけないかと考える。


サラと、ヒューは部屋でのんびりとしている。
「サラ、明日、出掛けないか?」
ヒューがサラに尋ねる。
「いいよ。何か食べたいものでもあるの?」
「いや、そういう訳じゃないんだ。サラも大変だったろ?たまには息抜きでもどうかとな」
「そうだね、色々あったから、たまにはいいかもね。じゃあお母さんに聞いてみるね」
「ああ、頼むぞ」


店も閉店の時間になり、夕食の時間になる。
「お母さん、明日ヒューと出掛けてもいい?」
「いいよ。たまにはのんびりしておいで。近くに教会の丘があるから、そこに行ってみたらいいよ。とても綺麗なんだよ」
「じゃあ、サンドイッチでも作って行こうかな」
「いいじゃないか、まるでデートだね」
ヒューはわんっ、としっぽを振り喜ぶ。
夕食が終わり、部屋へ戻る。
「ヒュー明日楽しみだね」
「ああ、そうだな」
ヒューはサラの顔をいとおしそうに顔をペロッと舐める。
「そろそろ、寝ようっか」
ベッドに入る。ヒューももぐり込んで、サラはヒューを抱き締める。
「ヒューってモフモフして、温かいっ」
サラはうとうとし始める。
「犬だからな。俺がもしも人間だったらどうする?」ヒューは返事を待つが、返ってこない。
サラの穏やかな寝息が聞こえる。
「寝たか.....」
ヒューはサラにキスをして、目を閉じる。


朝になり、二人は目覚める。ステラが大量のサンドイッチを作ってくれたようで
「サラ、サンドイッチ作っておいたからね」
「お母さん、こんなに食べれないよ」
「大丈夫さ。ヒューも行くんだろ?」
ヒューは、わんっと鳴いて返事をする。
「ほら、食べれるってさ」
「ふふふ、そうだね、じゃあお母さん行ってくるね」
「あんまり、遅くなるんじゃないよ」
「うん、分かった!」
ステラは、サラが法廷から帰って来てから、自分達への遠慮という壁が無くなったのが嬉しく思う。


サラとヒューは店を出る。
「ヒュー、天気が良くて良かったね」
「ああ、そうだな。なあ、サラには好きなやつはいるのか?」
「何?唐突に。うーん、そうだね」
サラは考える。頭にラッセル王子の顔が浮かぶ。
「ううん、いないよ」
「なんか、間があったな.....」
「ヒューが一番だって!私ヒューが人間なら絶対ヒューを選ぶ!」
「そ、そうか?」ヒューは照れる。
「あっ、今照れてるっ!ヒューこそ、好きな子いるの?」
「ああ、とても大切な子がいる....」
「あっ、だからいつもどこか出掛けてるの?ちゃんと紹介してよね」
サラは少しモヤっとしたが、親バカなのかな?「バカ、犬じゃないっ」
「えっ、じゃあ誰なの?」
ヒューは立ち止まり
「サラ、少し屈んでくれ」
サラが屈むと、ヒューはサラにキスをする。
「えっ、私?嬉しいっ!」
サラもヒューを抱きしめ、お返しにキスをする....しかし、ヒューは犬のままだ。
「ははっ、そう簡単には行かないか....」
「ん?」
「いいや、何でもない....」


教会の丘へ到着した。街が一望出来き、周りには花が沢山咲いている。
「綺麗だね。とっても幸せ....」
昔を思い出しながら、微笑む。
「ああ、本当だ。綺麗だな」
ヒューは、サラの顔を見て答える。サラの笑顔は太陽に照らされ美しさを放つ。
「サンドイッチっでも食べようか」
サラとヒューは、丘に座りサンドイッチを食べ始める。
「はいっ、ヒュー、あ~ん」
「いや、置いてくれたら、食べる」
「ダメです。今日はデートなんだから」
「そ、そうか?」
ヒューは口を開け、サラからサンドイッチを食べる。
「いつもと違って、外で食べると旨いな」
「本当だね」
「サラ、口にパン屑が付いてるぞ」
ヒューは、サラの口の周りを舐める。
「ふふふ、くすぐったいっ」
まるで本当の恋人のように甘い。サンドイッチを食べ終わると
「教会があるな。行ってみるか」
「うんっ」
教会へ向かい、中に入る。
マリア様の像が中心にあり、ステンドグラスが窓を埋め尽している。日が差し込みキラキラと幻想的な空間となっている。
「うわっ.....」サラは思わず声に出す。
「こんな所があるなんてな」
「うん。今日ここにヒューと来れて良かった」
ヒューは、真剣な表情をし、少し間をあけ
「サラ、俺はサラの事を愛している。いつか必ず人間になるから、だから俺を愛してくれないか?」
「ヒュー、それ本気なの?」
サラはヒューの顔を見て、その真剣さが伝わり
「うん。分かった。愛するかと言われたらまだよく分からないけど、私ヒューが誰より大切だもの」
「ありがとう。サラ」
「でも、人間になるって、どういう事なの?」
「それは、こっちの話しだ」
サラは首を傾げる。ヒューはマリア様に何かお祈りしている。その姿が、ラッセル王子と重なる。サラは、目の錯覚かと目を擦る。
「サラ、屈んでくれ」
「また?」
「何度でもだ」
ヒューがサラにキスをしようとした瞬間
突然アンブラが現れる。
「久しぶりだね、ヒューって言うんだ?」
「何しに来たっ!」
ヒューはサラの前に出てサラを守る。
「今日は、あんたに用じゃないんだよ」
アンブラは、瞬間移動のようにサラの後ろに立つ。そして、サラを掴むと何かの薬を無理矢理飲ませる。
「何っ?やめて。うっ」
サラは、その薬を飲むと、ガクッと項垂れる。
「サラに、何をしたっ!」
「あんたの弟が、ヘタレでなかなか動かないからね。簡単にあんたの呪いが解けても面白くないからね。けけけ。ヒントだけあげるよ。真実の愛だ」そういうと、煙と共に消えて行く。


「サラっ!」
ヒューはサラに声をかける。
サラが顔を上げると、瞳は光を失い、濁ったような眼差しでヒューを見つめるのだった。

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