採集者の役得
採択者の帰路③
その警報はどうやら『空間感知』による敵感知みたいだ。
空間感知のステータスを開くように念を込め、それに従い視界内にマップが開いた。
それには、自分を示す中心点に徐々に前方から近づいてくる赤い印が表記されていた。この赤マークはモンスターや魔物を記すらしい。
「この反応は……あいつか」
ローグは見つかる前に、すぐ隣の獣道に飛び込み姿を隠した。
そして、奴が姿を見せる。
茶色い毛に覆われた四足歩行の巨体に、鋭利な大牙と野性味あふれるその眼光。ローグを追いかけまわし、魔法で崖から突き落とした犯人。否、大猪である。
buhhhhhh!
急ぎで隠れたからか、大猪は気付いていないらしいのだが……問題は視覚ではない、嗅覚だ。
猪の嗅覚は人間の何万倍もあるという、つまりどれほど上手く隠れようとも、匂いを消さない限り見つかってしまうのだ。
のそりのそりと、大猪が匂いをしつこく嗅ぎながらローグの方へ近づいてくる。その光景に息をのむローグだったが、すぐに気を取り直して「今の自分ならどうにか倒せる」と、これまで「逃げる」一択だった自分とは思えない思考がいの一番に思い浮かんだ。
「よし、殺るか」
大猪に聞こえない程度で、ローグはそう呟き近場の小石を手に取った。
空間感知のステータスを開くように念を込め、それに従い視界内にマップが開いた。
それには、自分を示す中心点に徐々に前方から近づいてくる赤い印が表記されていた。この赤マークはモンスターや魔物を記すらしい。
「この反応は……あいつか」
ローグは見つかる前に、すぐ隣の獣道に飛び込み姿を隠した。
そして、奴が姿を見せる。
茶色い毛に覆われた四足歩行の巨体に、鋭利な大牙と野性味あふれるその眼光。ローグを追いかけまわし、魔法で崖から突き落とした犯人。否、大猪である。
buhhhhhh!
急ぎで隠れたからか、大猪は気付いていないらしいのだが……問題は視覚ではない、嗅覚だ。
猪の嗅覚は人間の何万倍もあるという、つまりどれほど上手く隠れようとも、匂いを消さない限り見つかってしまうのだ。
のそりのそりと、大猪が匂いをしつこく嗅ぎながらローグの方へ近づいてくる。その光景に息をのむローグだったが、すぐに気を取り直して「今の自分ならどうにか倒せる」と、これまで「逃げる」一択だった自分とは思えない思考がいの一番に思い浮かんだ。
「よし、殺るか」
大猪に聞こえない程度で、ローグはそう呟き近場の小石を手に取った。
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