太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜
52,自己紹介
「よし分かった。ついて行くのはいい。だがもし【王種】に会っても決して飛びかかろうとするな。それが条件だ」
「………………」
「い・い・な?」
「…………分かった」
タマの真摯な説得を聞いてルドルフも諦めてれたようだ。いやー、よかったよかった。
ま、諦めないならそれはそれで断ればよかったんだけどね。でも見殺しにするようなもんだし。
「なあなあ、オレも行くんだよな?」
「……別に無理なら」
「いや、無理とかじゃなくてよ。行くなら行くでそれぞれ、名前ぐらいは知ってた方がいいんじゃないか? 【王種】ほどじゃないとはいえヘビィ大洞窟ってそれなりに強い魔物も出るって聞くし、ある程度連携できた方がいいだろ?」
「確かにそうだな。あ、俺達ももちろん行くぞ。面白そうだし、これも何かの縁だ。な、お前ら」
「「「「「「「ジクシオ様のためならば」」」」」」」
「……助かる」
やっと自己紹介か。
まずはルドルフからだ。話始めると同時にマフラーを外す。
「……俺は……吸血鬼だ……下級の吸血鬼は血を啜るが……俺は必要としない……だがそれでも吸血鬼に忌避感を覚えるやつは多い……冒険者になったのはそれが理由だ……あいつらは種族なんてのより強さで他を評価するからな……」
「吸血鬼か。ってことはやっぱ不死なのか?」
「ああ」
「ッ!」
「すげえ、本当に一瞬で治っちまった」
「ええ、ほんとすごいわ」
ルドルフは見た方が早いな、なんて言うわけでもなく! 唐突にナイフで自分の腕を切った。
腕から血がダラダラと流れていたが、少し経つとピタリと止まり、傷口は嘘のように無くなっていた。
これが不死の象徴とされる吸血鬼の再生能力。太陽を浴びなければ死なないというのは本当っぽいね。あいや、【王種】とかはそれを無視してやっちゃいそうだけど。
「……ルドルフ・クレーパー……72歳……S+級冒険者だ……剣と魔法両方使える」
「S+級! おいおいまじかよ! すげぇじゃねえか! オレなんてまだA+級になったばっかだぜ?」
あの、それだと僕はEになった所なんですが。
A+級だと言ったのは、龍契者の青年だ。
てか、ルドルフ結構生きてるんだな。
「お前、A+級なのか!?」
「ん? そうだぞ?」
「え、嘘でしょ!? 信じられない」
「なんでだよ……そんな弱そうか? オレ」
タマとアンナが驚きに目を見開いている。当然だな。
入国前の彼を見ているから……あの凄まじい覇気はなんだったのか。
「オレの名はライカ……間違えた。オレの名はラウル! ラウル・リオだ! ライカってのは相棒の龍の方だな。雷龍 ライカ。下位の龍らしいが、頼れるやつだぜ? 歳は18だな。冒険者ってより傭兵稼業を生業としている。武器は、一応なんでもつかえるな。冒険者のランクも、傭兵でのランクもA+級だぜ? ルドルフには劣るが、どうだ、やるだろ」
はい。そうですね。
く、こんなことならルドルフに頼んでA+にしてもらえば良かった! いや、冗談だけど。
というか傭兵と両方って、ランクは別々でとる必要があるのか。
しかし、ラウルさんね。面倒くさいかと思ってたけど案外いい人っぽい? 名前間違えたりするけど。
「おお、ラウル! 俺と同い歳じゃねえか!」
「まじか! お前とはよくやってけそうだ!」
「ああ! 俺もそう思うぜ!」
この2人性格も似ているのかよ。
賑やかになりそうだね。
「俺はジクシオ。自分で言うのもなんだが、少しいいとこの坊ちゃんでな。兄貴に家は任せて、俺は今は剣士ギルド《デュランダル》で活動している。こいつらは俺の召使いだったやつだが、今じゃ大事な仲間なんだよ」
「「「「「「「ジクシオ様……!!!」」」」」」」
「ランクだが、俺はB級だ。こいつらはそれぞれ、Cぐらいだな」 
ということは全員でB+級にはなるのかな?
にしても、
「えっと、剣士ギルド?」
「……お前知らないのか?」
「あー、うん」
ギルドって冒険者ギルドしかないと思ってたし。
違いがわからん。
「簡単に言えば私立か公立かみたいなもんだな。冒険者ギルドは世界各地に点々としているが、剣士ギルド……それに魔導師ギルドなんかはその国や地域にバラツキがある。というか沢山ある。ギルドマスター1人とギルド職員が1人以上あれば誰だって作れるしな」
「むずかしいね」
「……むずかしいか?」
タマが軽く説明してくれたけどまだ少し分からないな。
とりあえず冒険者ギルド以外のギルドって認識でいいか。間違ってはないだろうし。
「え、ジクシオ。あなた剣士ギルドなの!?」
「そうだな」
「なのにあんなに魔法を!?」
そうか。聞いた話だとこの7人は魔法の連携が完璧だったって。なのに剣士ギルドだもんな。
「俺は剣士ギルドだ。こいつらは、剣も使えないわけはないが魔法が主体だからな。冒険者ギルドの管轄だ」
「あら、主従で別なのね」
「主従……今はチームだが、そうだな。別に違法じゃないしよ」
へー。
ごめん。へー としか言えない!
制度とかよくわかってないし!
アンナは納得したみたい?
「じゃあ次は私の番ね。名前はアンナ。魔人族よ。魔法を使う。B+級よ。年齢は言えないわね。まず言う必要ないでしょ」
実にさっぱりとした説明。
年齢言えよ! 意味無くても!
流れ的に次は僕か。
「タマだ。魔法も剣もそれなりには使える。ただ俺は剣よりも槍の方が得意だな。ほら、こんな感じで」
タマに先越された!
しかもなんか槍取り出した!
あん時のやつだ!
「一体どこから!?」
「おい、しかもあれ相当な業物だろ」
「そうなのか?」
「恐らくな」
タマの巧みな槍さばき。
前もみたけどやっぱ凄い。観ていて圧巻だ。
1つの劇みたい。ずっと見ていられる。
「ま、こんなとこだ。一応冒険者で、ランクはDだな」
「…………」
「いやいや、絶対Dに納まってるやつじゃないだろ」
「俺のことより、次はこいつだ」
みんなの視線が一斉に集まる。
どこにって? 僕だよ!
「………………」
「い・い・な?」
「…………分かった」
タマの真摯な説得を聞いてルドルフも諦めてれたようだ。いやー、よかったよかった。
ま、諦めないならそれはそれで断ればよかったんだけどね。でも見殺しにするようなもんだし。
「なあなあ、オレも行くんだよな?」
「……別に無理なら」
「いや、無理とかじゃなくてよ。行くなら行くでそれぞれ、名前ぐらいは知ってた方がいいんじゃないか? 【王種】ほどじゃないとはいえヘビィ大洞窟ってそれなりに強い魔物も出るって聞くし、ある程度連携できた方がいいだろ?」
「確かにそうだな。あ、俺達ももちろん行くぞ。面白そうだし、これも何かの縁だ。な、お前ら」
「「「「「「「ジクシオ様のためならば」」」」」」」
「……助かる」
やっと自己紹介か。
まずはルドルフからだ。話始めると同時にマフラーを外す。
「……俺は……吸血鬼だ……下級の吸血鬼は血を啜るが……俺は必要としない……だがそれでも吸血鬼に忌避感を覚えるやつは多い……冒険者になったのはそれが理由だ……あいつらは種族なんてのより強さで他を評価するからな……」
「吸血鬼か。ってことはやっぱ不死なのか?」
「ああ」
「ッ!」
「すげえ、本当に一瞬で治っちまった」
「ええ、ほんとすごいわ」
ルドルフは見た方が早いな、なんて言うわけでもなく! 唐突にナイフで自分の腕を切った。
腕から血がダラダラと流れていたが、少し経つとピタリと止まり、傷口は嘘のように無くなっていた。
これが不死の象徴とされる吸血鬼の再生能力。太陽を浴びなければ死なないというのは本当っぽいね。あいや、【王種】とかはそれを無視してやっちゃいそうだけど。
「……ルドルフ・クレーパー……72歳……S+級冒険者だ……剣と魔法両方使える」
「S+級! おいおいまじかよ! すげぇじゃねえか! オレなんてまだA+級になったばっかだぜ?」
あの、それだと僕はEになった所なんですが。
A+級だと言ったのは、龍契者の青年だ。
てか、ルドルフ結構生きてるんだな。
「お前、A+級なのか!?」
「ん? そうだぞ?」
「え、嘘でしょ!? 信じられない」
「なんでだよ……そんな弱そうか? オレ」
タマとアンナが驚きに目を見開いている。当然だな。
入国前の彼を見ているから……あの凄まじい覇気はなんだったのか。
「オレの名はライカ……間違えた。オレの名はラウル! ラウル・リオだ! ライカってのは相棒の龍の方だな。雷龍 ライカ。下位の龍らしいが、頼れるやつだぜ? 歳は18だな。冒険者ってより傭兵稼業を生業としている。武器は、一応なんでもつかえるな。冒険者のランクも、傭兵でのランクもA+級だぜ? ルドルフには劣るが、どうだ、やるだろ」
はい。そうですね。
く、こんなことならルドルフに頼んでA+にしてもらえば良かった! いや、冗談だけど。
というか傭兵と両方って、ランクは別々でとる必要があるのか。
しかし、ラウルさんね。面倒くさいかと思ってたけど案外いい人っぽい? 名前間違えたりするけど。
「おお、ラウル! 俺と同い歳じゃねえか!」
「まじか! お前とはよくやってけそうだ!」
「ああ! 俺もそう思うぜ!」
この2人性格も似ているのかよ。
賑やかになりそうだね。
「俺はジクシオ。自分で言うのもなんだが、少しいいとこの坊ちゃんでな。兄貴に家は任せて、俺は今は剣士ギルド《デュランダル》で活動している。こいつらは俺の召使いだったやつだが、今じゃ大事な仲間なんだよ」
「「「「「「「ジクシオ様……!!!」」」」」」」
「ランクだが、俺はB級だ。こいつらはそれぞれ、Cぐらいだな」 
ということは全員でB+級にはなるのかな?
にしても、
「えっと、剣士ギルド?」
「……お前知らないのか?」
「あー、うん」
ギルドって冒険者ギルドしかないと思ってたし。
違いがわからん。
「簡単に言えば私立か公立かみたいなもんだな。冒険者ギルドは世界各地に点々としているが、剣士ギルド……それに魔導師ギルドなんかはその国や地域にバラツキがある。というか沢山ある。ギルドマスター1人とギルド職員が1人以上あれば誰だって作れるしな」
「むずかしいね」
「……むずかしいか?」
タマが軽く説明してくれたけどまだ少し分からないな。
とりあえず冒険者ギルド以外のギルドって認識でいいか。間違ってはないだろうし。
「え、ジクシオ。あなた剣士ギルドなの!?」
「そうだな」
「なのにあんなに魔法を!?」
そうか。聞いた話だとこの7人は魔法の連携が完璧だったって。なのに剣士ギルドだもんな。
「俺は剣士ギルドだ。こいつらは、剣も使えないわけはないが魔法が主体だからな。冒険者ギルドの管轄だ」
「あら、主従で別なのね」
「主従……今はチームだが、そうだな。別に違法じゃないしよ」
へー。
ごめん。へー としか言えない!
制度とかよくわかってないし!
アンナは納得したみたい?
「じゃあ次は私の番ね。名前はアンナ。魔人族よ。魔法を使う。B+級よ。年齢は言えないわね。まず言う必要ないでしょ」
実にさっぱりとした説明。
年齢言えよ! 意味無くても!
流れ的に次は僕か。
「タマだ。魔法も剣もそれなりには使える。ただ俺は剣よりも槍の方が得意だな。ほら、こんな感じで」
タマに先越された!
しかもなんか槍取り出した!
あん時のやつだ!
「一体どこから!?」
「おい、しかもあれ相当な業物だろ」
「そうなのか?」
「恐らくな」
タマの巧みな槍さばき。
前もみたけどやっぱ凄い。観ていて圧巻だ。
1つの劇みたい。ずっと見ていられる。
「ま、こんなとこだ。一応冒険者で、ランクはDだな」
「…………」
「いやいや、絶対Dに納まってるやつじゃないだろ」
「俺のことより、次はこいつだ」
みんなの視線が一斉に集まる。
どこにって? 僕だよ!
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