俺をとりまく彼女らからの愛が深すぎる
第18話 浸かるF
さて夜、今日の晩御飯だが、紫音の9年ぶりの再会を祝してパーティーを開くこととなった。
といってもやるのは家族だけでそんなすごいなものではない。
まぁ、紫音はこの地に知り合いがいないから仕方がない。
料理は美味しそうなものを適当に注文してならべるだけ。
さすが大企業社長の妻、ポチる手に曇りがない。
俺も適当にポチっていく。
「晩御飯も作って差し上げようと思ってましたのにぃ」
とやや不満そうな紫音。
確かに俺も紫音の料理が食べたいというところはある。
だが自分のパーティーの料理を作るのはちょっと違うからなぁ。
...ほんとに残念だけど。
「明日食べさせてよ、楽しみだなぁ」
「ふわぁぁ///はいっ。とびきりの愛妻料理、お兄様にご馳走しますね?」
愛妻って、妻じゃないでしょ。
まったく、そういうところは変わってないんだからな。
「...いずれは妻だもんね」ボソッ
「ん?なんか言った?」
「いえ!楽しみにしていてくださいね?」
ほんと楽しみだよ。
俺のいつものご飯はコンビニで弁当を買って食べるかたまにひなや母さんが作ってくれたものを食べる。
が、コンビニ弁当は味気ないし、ひなと母さんの料理はちょっと...癖がある。
この年になって料理に目覚める気力もないので、紫音の存在は俺にとって大きいものとなっている。
なぜか紫音も嬉しそうだしwin-winってやつだな。
ま、花憐は来るわけないし、母さんも明日からまた父さんのもとへ戻るらしいから、今日は3人で仲良く食事って感じか。
「リィンドーン」
と、家のチャイムがなった。家のチャイムは「ピンポーン」ではなく「リィンドーン」だ。雰囲気あ...(二回目につき以下略)。
「はぁい」
出たのは母さん。
ピザとかが届いたんだろう。にしては速い気もする。
俺はひとつの可能性を考える。
...まさか、ね。
冷や汗が出てきた。
いや、まさかそんな。
来るはずがないよなぁ?
ははっ、そうだ。あんな別れ方をしたんだ。
今さらお互い、どんな面下げて会おうってんだ...
よーし落ち着け。落ち着け俺。
きっと宅配、そうだ、宅配なん...
「あらぁ花憐ちゃん、久しぶりねぇ。今日はありがとう!」
花憐ェェェェェェ!
俺は鬼の速さで階段を降り玄関へ。
そこにはパーティーっということもあってか、いつもよりも小綺麗なワンピースを着た美しい一輪の花が。
「か、花憐...」
「あら、お久しぶりです、九路瀬さん♥」
俺には恐ろしい人食い花に見えた。
...――――...
花憐は普段のとおり靴を脱いで並べ、母さんと軽い挨拶を交わしてから俺の腕に擦りつき、俺をリビングまで促した。
道中俺は冷や汗だらだらでめまいがした。
まさか本当に来るなんて。
花憐は俺の考えなんてお見通しなのだろう。
彼女は俺の耳元で、
「また襲って?」
言った。
あのぞくぞくした感覚が戻ってきた。
「で、お兄様、その方は?」
紫音が何故か切れぎみで俺に尋ねた。
家族水入らずの時間を邪魔されて怒っているのだろうか。
「あ、ああ紫音。こいつは...」
「はじめまして妹さん。宇都宮花憐と申します。九路瀬さんとは将来を誓い合ったなかですの」
ニヤリと嗤う。
「あら、所詮は候補でしょう?別に秘書だなんてあなたでなくても、それこそ一番親い存在である私、坂倉紫音でも良いのですよ?」
紫音も嗤う。
怖いから二人ともやめてぇぇぇ!
しかし二人は俺の気持ちなどどうでも良く、続ける。
「いえ、妹さんにまでそんなしきたり、押し付ける訳にはいきません。私にお任せを。あ、お姉様と呼んでいただいても結構ですよ?」
「いえいえ、宇都宮様で十分ですわ。こんな強情な方、お兄様のお側にはますますおいておけませんわねぇ。やはりお兄様には私しかおりませんわね」
「あら?紫音さんったら御兄妹でしょう?結婚はできませんよ?」
「ふふっ。できますよ。ねぇ?お兄様」
ゴクリ。
そうだ、実は紫音は俺と結婚する権利が与えられているのだ。
紫音は地方、石川県にいる分家の戸籍を手にいれている。
そこでの名前は長島紫音。
つまり長島の籍を使えば俺との結婚も可能...って。
いやいやいや!それでも実の妹だぞ!
なに考えてるんだこの娘は!
「だ、だとしても私よりふさわしい女性なんておりませんのよ!なにせ、坂倉のお父様、お母様公認ですから!」
花憐が食いぎみでそう言う。
「な、なにおぉ~!」
「そちらこそぉ~!」
お、お二方!張り合うのはやめて!しわ!眉間にしわよってるから!
「おい、そろそろそんな話「九路瀬さん《お兄様》はどっち《なんですか》!?」
「あ、え、ええと...」
どちらをとっても怖い。
俺はこの日、人生二度目(第6話参照)の修羅場を経験した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
お疲れ様です。ろりおです。
僕はどちらかと言うと花憐ちゃん派です。
好評価よろしくお願いします!
          
といってもやるのは家族だけでそんなすごいなものではない。
まぁ、紫音はこの地に知り合いがいないから仕方がない。
料理は美味しそうなものを適当に注文してならべるだけ。
さすが大企業社長の妻、ポチる手に曇りがない。
俺も適当にポチっていく。
「晩御飯も作って差し上げようと思ってましたのにぃ」
とやや不満そうな紫音。
確かに俺も紫音の料理が食べたいというところはある。
だが自分のパーティーの料理を作るのはちょっと違うからなぁ。
...ほんとに残念だけど。
「明日食べさせてよ、楽しみだなぁ」
「ふわぁぁ///はいっ。とびきりの愛妻料理、お兄様にご馳走しますね?」
愛妻って、妻じゃないでしょ。
まったく、そういうところは変わってないんだからな。
「...いずれは妻だもんね」ボソッ
「ん?なんか言った?」
「いえ!楽しみにしていてくださいね?」
ほんと楽しみだよ。
俺のいつものご飯はコンビニで弁当を買って食べるかたまにひなや母さんが作ってくれたものを食べる。
が、コンビニ弁当は味気ないし、ひなと母さんの料理はちょっと...癖がある。
この年になって料理に目覚める気力もないので、紫音の存在は俺にとって大きいものとなっている。
なぜか紫音も嬉しそうだしwin-winってやつだな。
ま、花憐は来るわけないし、母さんも明日からまた父さんのもとへ戻るらしいから、今日は3人で仲良く食事って感じか。
「リィンドーン」
と、家のチャイムがなった。家のチャイムは「ピンポーン」ではなく「リィンドーン」だ。雰囲気あ...(二回目につき以下略)。
「はぁい」
出たのは母さん。
ピザとかが届いたんだろう。にしては速い気もする。
俺はひとつの可能性を考える。
...まさか、ね。
冷や汗が出てきた。
いや、まさかそんな。
来るはずがないよなぁ?
ははっ、そうだ。あんな別れ方をしたんだ。
今さらお互い、どんな面下げて会おうってんだ...
よーし落ち着け。落ち着け俺。
きっと宅配、そうだ、宅配なん...
「あらぁ花憐ちゃん、久しぶりねぇ。今日はありがとう!」
花憐ェェェェェェ!
俺は鬼の速さで階段を降り玄関へ。
そこにはパーティーっということもあってか、いつもよりも小綺麗なワンピースを着た美しい一輪の花が。
「か、花憐...」
「あら、お久しぶりです、九路瀬さん♥」
俺には恐ろしい人食い花に見えた。
...――――...
花憐は普段のとおり靴を脱いで並べ、母さんと軽い挨拶を交わしてから俺の腕に擦りつき、俺をリビングまで促した。
道中俺は冷や汗だらだらでめまいがした。
まさか本当に来るなんて。
花憐は俺の考えなんてお見通しなのだろう。
彼女は俺の耳元で、
「また襲って?」
言った。
あのぞくぞくした感覚が戻ってきた。
「で、お兄様、その方は?」
紫音が何故か切れぎみで俺に尋ねた。
家族水入らずの時間を邪魔されて怒っているのだろうか。
「あ、ああ紫音。こいつは...」
「はじめまして妹さん。宇都宮花憐と申します。九路瀬さんとは将来を誓い合ったなかですの」
ニヤリと嗤う。
「あら、所詮は候補でしょう?別に秘書だなんてあなたでなくても、それこそ一番親い存在である私、坂倉紫音でも良いのですよ?」
紫音も嗤う。
怖いから二人ともやめてぇぇぇ!
しかし二人は俺の気持ちなどどうでも良く、続ける。
「いえ、妹さんにまでそんなしきたり、押し付ける訳にはいきません。私にお任せを。あ、お姉様と呼んでいただいても結構ですよ?」
「いえいえ、宇都宮様で十分ですわ。こんな強情な方、お兄様のお側にはますますおいておけませんわねぇ。やはりお兄様には私しかおりませんわね」
「あら?紫音さんったら御兄妹でしょう?結婚はできませんよ?」
「ふふっ。できますよ。ねぇ?お兄様」
ゴクリ。
そうだ、実は紫音は俺と結婚する権利が与えられているのだ。
紫音は地方、石川県にいる分家の戸籍を手にいれている。
そこでの名前は長島紫音。
つまり長島の籍を使えば俺との結婚も可能...って。
いやいやいや!それでも実の妹だぞ!
なに考えてるんだこの娘は!
「だ、だとしても私よりふさわしい女性なんておりませんのよ!なにせ、坂倉のお父様、お母様公認ですから!」
花憐が食いぎみでそう言う。
「な、なにおぉ~!」
「そちらこそぉ~!」
お、お二方!張り合うのはやめて!しわ!眉間にしわよってるから!
「おい、そろそろそんな話「九路瀬さん《お兄様》はどっち《なんですか》!?」
「あ、え、ええと...」
どちらをとっても怖い。
俺はこの日、人生二度目(第6話参照)の修羅場を経験した。
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お疲れ様です。ろりおです。
僕はどちらかと言うと花憐ちゃん派です。
好評価よろしくお願いします!
          
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