俺をとりまく彼女らからの愛が深すぎる
第7話 家へ、花憐とともに
「じゃっ、行きましょうか?」
先程までの緊迫した状況から抜け出した俺と花憐。
花憐は学校から数秒、駆け足で俺を路地まで連れ回した後、ゆっくり歩いていった。
「おいっ、行くって…」
花憐は「当たり前でしょ?」というような表情を浮かべている。
「もちろん、お勉強、です!」
「いや、だから今日は駅前のカフェでって話だったじゃないか。そっちは反対方向でなんならそこは…」
そこは…
「九路瀬さんのお家、ですよね?」
花憐…
「あぁ…」
家まで聞いていたとは。
「私、どうしても九路瀬さんのお家に行きたくって…」
「行きたいって。何か理由でもあるのか?」
俺がそう尋ねると花憐は両手の平を互いにすり合わせ、モジモジしだす。
なんだその動き…
ちょっと面白いかも。
「いやだって、将来的に住むことになるかもしれないお家、ですよね?なら見学は早いに越したことはないのかなって…」
「なっ…」
突然そんなことを言う。
花憐は本当にずるいやつだ。
俺が予期していない答えをよくもまぁ。
しかも俺の家は二世帯住宅ではない。
もし結婚したとしても別の家を買って住む。
え…。これ俺がおかしい…?
「まぁ、そう言うことなら、いいけど…」
俺が苦し紛れの一言を言うと、花憐は両手を胸の前で合わせてパァっと明るい表情を見せた。
だからなんなんだよその動きは!
「ありがとうございます!私昨日から九路瀬さんのお家に伺いたいと思っていたんです!」
そうだったのか…。
さては花憐、もともとカフェ行く気なかったな。
花憐のお母さんからはバカな世間知らずのお嬢様と説明を受けていたが…。
意外と策士…。
まさか奇襲とはな。
俺は花憐の策にまんまと嵌められ自宅に向かうことにした。
…数分後
「着いた」
俺の家。俺の家は少し大きい一軒家、というほどで誰もが想像する「財閥といえばうん億円する豪邸!」というものとはかけ離れていると思う。
念のため言っておくが、別にうちの父の会社はお金がない訳ではない。
むしろ国内トップクラスだ。
そんな国を引っ張っている家系の家がなぜ普通の一軒家なのかというと、それは一重に父の性格が現れていると言っていいだろう。
父は謙虚で庶民派だ。
昔、アフリカの地へ赴いた際、貧困民の生活環境の悪さに驚いたという。
それから父は日本、海外問わず、貧困な地域のライフライン確保や食糧配給などを善地事業として行なっている。
「消費者様のご考えを理解するには、消費者様と同じ生活を営む必要があります」
それが父の口癖だった。
おかげで父の会社は父の代で更に成長を遂げた。
次は俺かと思うと荷が重い…。
「素敵なご自宅ですね、暖かさが感じられますわ」
と頬を染めて俺に頷く花憐。
なんか恥ずかしかって頬がゆい。
ま、まぁなんだ。
これは父親を褒められて、誇りに思っている証拠だ。
「ありがとう。狭いけど上がってくれ」
俺は玄関の鍵を開け、花憐に入るよう促した。
そういえば、女の子を家に入れるなんてあまりないことだから、変な緊張がする。
来る女の子は大体ひな。
あいつはしょっちゅう家に来る。
父は仕事、母は社長夫人兼秘書なので家にいることなんて滅多にない。
母に関しては最近、奥様会なるものにはまっており、近所の奥様の家にお呼ばれされお茶をいただいているそうだ。
あのお嬢様が奥様会…。
っと、花憐を待たせてはいけない。
「花憐、勉強はリビングでやるよな?廊下の1番奥の階段を上がってすぐだから先に待っておいて」
ん?なんだ花憐。その不満そうな顔は。
「九路瀬さんは私を自室に入れるのがいやですか」
「いや、いやとかじゃないんだけど…。男の部屋だぞ?」
「ならいいじゃないですか!九路瀬さんのご趣味を理解するのも未来の花嫁なんですから!」
そんなこと…。
「いや別にそうと決まったわけではないんだが…」
「私、悲しいです。こんなにも九路瀬さんのことを想っているのに。いいから部屋を教えてください!」
「えぇ」
挙動といい、話し方といい、やはり今日は何かがおかしい。
いや、昨日は緊張していて、普段はこれが普通なのか?
とにかく乗り切るしかない。
_________________________________________
お疲れ様です。ろりおです。更新しました。
花粉症で鼻がやばいです。
頑張ります!
はやくも1000PV突破!
皆様のおかげです!
コメント、フォロー、応援、星よろしくお願いします。
今日はもう1話更新するつもりです。
できなくても許して。勉強がやばいの…
          
先程までの緊迫した状況から抜け出した俺と花憐。
花憐は学校から数秒、駆け足で俺を路地まで連れ回した後、ゆっくり歩いていった。
「おいっ、行くって…」
花憐は「当たり前でしょ?」というような表情を浮かべている。
「もちろん、お勉強、です!」
「いや、だから今日は駅前のカフェでって話だったじゃないか。そっちは反対方向でなんならそこは…」
そこは…
「九路瀬さんのお家、ですよね?」
花憐…
「あぁ…」
家まで聞いていたとは。
「私、どうしても九路瀬さんのお家に行きたくって…」
「行きたいって。何か理由でもあるのか?」
俺がそう尋ねると花憐は両手の平を互いにすり合わせ、モジモジしだす。
なんだその動き…
ちょっと面白いかも。
「いやだって、将来的に住むことになるかもしれないお家、ですよね?なら見学は早いに越したことはないのかなって…」
「なっ…」
突然そんなことを言う。
花憐は本当にずるいやつだ。
俺が予期していない答えをよくもまぁ。
しかも俺の家は二世帯住宅ではない。
もし結婚したとしても別の家を買って住む。
え…。これ俺がおかしい…?
「まぁ、そう言うことなら、いいけど…」
俺が苦し紛れの一言を言うと、花憐は両手を胸の前で合わせてパァっと明るい表情を見せた。
だからなんなんだよその動きは!
「ありがとうございます!私昨日から九路瀬さんのお家に伺いたいと思っていたんです!」
そうだったのか…。
さては花憐、もともとカフェ行く気なかったな。
花憐のお母さんからはバカな世間知らずのお嬢様と説明を受けていたが…。
意外と策士…。
まさか奇襲とはな。
俺は花憐の策にまんまと嵌められ自宅に向かうことにした。
…数分後
「着いた」
俺の家。俺の家は少し大きい一軒家、というほどで誰もが想像する「財閥といえばうん億円する豪邸!」というものとはかけ離れていると思う。
念のため言っておくが、別にうちの父の会社はお金がない訳ではない。
むしろ国内トップクラスだ。
そんな国を引っ張っている家系の家がなぜ普通の一軒家なのかというと、それは一重に父の性格が現れていると言っていいだろう。
父は謙虚で庶民派だ。
昔、アフリカの地へ赴いた際、貧困民の生活環境の悪さに驚いたという。
それから父は日本、海外問わず、貧困な地域のライフライン確保や食糧配給などを善地事業として行なっている。
「消費者様のご考えを理解するには、消費者様と同じ生活を営む必要があります」
それが父の口癖だった。
おかげで父の会社は父の代で更に成長を遂げた。
次は俺かと思うと荷が重い…。
「素敵なご自宅ですね、暖かさが感じられますわ」
と頬を染めて俺に頷く花憐。
なんか恥ずかしかって頬がゆい。
ま、まぁなんだ。
これは父親を褒められて、誇りに思っている証拠だ。
「ありがとう。狭いけど上がってくれ」
俺は玄関の鍵を開け、花憐に入るよう促した。
そういえば、女の子を家に入れるなんてあまりないことだから、変な緊張がする。
来る女の子は大体ひな。
あいつはしょっちゅう家に来る。
父は仕事、母は社長夫人兼秘書なので家にいることなんて滅多にない。
母に関しては最近、奥様会なるものにはまっており、近所の奥様の家にお呼ばれされお茶をいただいているそうだ。
あのお嬢様が奥様会…。
っと、花憐を待たせてはいけない。
「花憐、勉強はリビングでやるよな?廊下の1番奥の階段を上がってすぐだから先に待っておいて」
ん?なんだ花憐。その不満そうな顔は。
「九路瀬さんは私を自室に入れるのがいやですか」
「いや、いやとかじゃないんだけど…。男の部屋だぞ?」
「ならいいじゃないですか!九路瀬さんのご趣味を理解するのも未来の花嫁なんですから!」
そんなこと…。
「いや別にそうと決まったわけではないんだが…」
「私、悲しいです。こんなにも九路瀬さんのことを想っているのに。いいから部屋を教えてください!」
「えぇ」
挙動といい、話し方といい、やはり今日は何かがおかしい。
いや、昨日は緊張していて、普段はこれが普通なのか?
とにかく乗り切るしかない。
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できなくても許して。勉強がやばいの…
          
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