俺をとりまく彼女らからの愛が深すぎる
第2話 お見合い②
お見合いでは両方の親からの簡単な紹介、実績や学歴、さらには幼少期の写真の見せ合いなど盛大に行われた。
花憐は小さい頃からとても可愛くて、アルバムの写真もとても映えて見えた。
花憐は、終始顔が真っ赤で、とても恥ずかしがっているようだった。
そういうところが可愛い、とは流石に言なかった。
親がらみのお見合いは早々に終わり、俺と花憐は別室へ移動した。
畳6畳ほどの小さな部屋だ。
窓はあるが、カーテンで締め切られており、天井から垂れ下がっているシャンデリアがいい雰囲気を醸し出していた。
「…」
「…」
「…」
「…あっ、あのっ」
俺たちは部屋に入るなり、無言を貫いていたが、花憐がその沈黙をまず、破った。
「本日はありがとうございます。うちの親がどうもすみません。改めまして、私、宇都宮花憐と申します。これから、どうぞよろしくお願いいたしますっ」
花憐はそう言って、頬を赤く染めた。
俺も、誠意を見せなければ…
手に汗握る、会話の攻防。
…言ってみただけ
「お、俺、僕は坂倉九路瀬、と言います…。こちらこそ…親が、申し訳…ない」
失敗。二度目の失敗。
どうしていつも俺は…。
花憐はこんなにも俺に良く接してくれているのに…。
「あっ、あのぉ、もしかして、私のことはお嫌いでしょうか?」
「えっ、はい?」
「あっいえ、勘違いなら良いのですが、お見合い中も私のことを見ていただけないし、会話すらできないので、もしかしたら嫌われているのかもって」
花憐は続ける。
「わ、たしも男の子と話す機会はないので、もし勘違いなら謝ります!私のことがお嫌いなら、そう言っていただいて結構です!結構なのですが…」
…
「もし、嫌ってはいないのなら、嬉しいかな?って。だってせっかく初めてできた男の子のお友達ですもの…」
花憐…。そんなことを思って…
なのに俺は。
俺は覚悟を決めまっすぐ花憐を見つめた。
「...なわけない」
「...え?」
「そんなわけない!嫌ってない!嫌うはずない!だって宇都宮さんはこんなにも俺に良くしてくれて、やさしくて、綺麗で!むしろ俺はっ、俺は…」
俺が話すうちに花憐の顔が真っ赤に火照る。
やっちゃった…。
女の子との接する距離がわからない…。
俺の方こそ嫌われちゃったかも。
あぁ、ごめん。ごめんお母さん。俺、今回も失敗に終わって…
「花憐」
「へ?」
「花憐、と呼んで下さい。お願いいたします!」
あ、え?なんて?今、花憐って呼んで下さいって…
「あっ、うん、花憐」
「はい九路瀬様っ!」
「あの…怒ってないの?」
「はい?どうして怒るのでしょうか?」
「いや、俺いきなりへんなこと言ったし…」
「へんなことなんかないですよ」
花憐は俯きながら微笑み、続ける。
「私、嬉しかったんです。今まで綺麗とか、やさしいとか、男の子はおろか、女の子にすら言われたことなくって、私、勉強もできなくて友達も、少ないから…」
そう、なのか…
「でも九路瀬様にそう言ってもらえて私、自信になりました!私、もっと九路瀬様に見合うような女の子になりたいです!」
それでもお前は、こんな
「こんな俺のことを…」
「こんな、なんて言わないで下さい。九路瀬様は魅力的です。ですから、九路瀬様。私には、私にだけは本当の自分を見せてください。私も、九路瀬様にお似合いの妻になってみせますから」
花憐は笑みを絶やさない。
ずっと女子校で育って、俺と話すことが怖いくせに。
体だって、震えてるくせに。
なのに花憐は、俺から目を離さず、ずっと、微笑んでくれる。
花憐なら…
「わかった。俺も、花憐にもっと自分を出せるようにする。そうする。だからこれから」
「はい!これからよろしくお願いします!」
「あぁ」
こうして俺と花憐の2人きりのお見合いは、終わりを告げ…
「ふふっ」
「ん?」
「九路瀬様てば、もう私に自分を出してくれてます。ちょっとですけど」
「え?」
「俺って言ってました!自身のこと」
あっ…
花憐はイタズラをした子供みたいに無邪気に、可愛くまた笑った。笑って、
「っっ」
俺の頬にキスをした。
「なっ」
「ふふっ、少女漫画を真似てみましたけど、ど、どうですかね」
どうって…
これはさすがに…ヤバイ…
「これからよろしくお願いしますね?あなた?」
2人きりのお見合いはこんどこそ終わりを告げた。
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お疲れ様です、ろりおです!更新しました!もっとヒロインが増えてからドロドロになりますが、花憐は次から危ないヤツになっていきます。フォロー、応援ありがとうございます。頑張ります!
花憐は小さい頃からとても可愛くて、アルバムの写真もとても映えて見えた。
花憐は、終始顔が真っ赤で、とても恥ずかしがっているようだった。
そういうところが可愛い、とは流石に言なかった。
親がらみのお見合いは早々に終わり、俺と花憐は別室へ移動した。
畳6畳ほどの小さな部屋だ。
窓はあるが、カーテンで締め切られており、天井から垂れ下がっているシャンデリアがいい雰囲気を醸し出していた。
「…」
「…」
「…」
「…あっ、あのっ」
俺たちは部屋に入るなり、無言を貫いていたが、花憐がその沈黙をまず、破った。
「本日はありがとうございます。うちの親がどうもすみません。改めまして、私、宇都宮花憐と申します。これから、どうぞよろしくお願いいたしますっ」
花憐はそう言って、頬を赤く染めた。
俺も、誠意を見せなければ…
手に汗握る、会話の攻防。
…言ってみただけ
「お、俺、僕は坂倉九路瀬、と言います…。こちらこそ…親が、申し訳…ない」
失敗。二度目の失敗。
どうしていつも俺は…。
花憐はこんなにも俺に良く接してくれているのに…。
「あっ、あのぉ、もしかして、私のことはお嫌いでしょうか?」
「えっ、はい?」
「あっいえ、勘違いなら良いのですが、お見合い中も私のことを見ていただけないし、会話すらできないので、もしかしたら嫌われているのかもって」
花憐は続ける。
「わ、たしも男の子と話す機会はないので、もし勘違いなら謝ります!私のことがお嫌いなら、そう言っていただいて結構です!結構なのですが…」
…
「もし、嫌ってはいないのなら、嬉しいかな?って。だってせっかく初めてできた男の子のお友達ですもの…」
花憐…。そんなことを思って…
なのに俺は。
俺は覚悟を決めまっすぐ花憐を見つめた。
「...なわけない」
「...え?」
「そんなわけない!嫌ってない!嫌うはずない!だって宇都宮さんはこんなにも俺に良くしてくれて、やさしくて、綺麗で!むしろ俺はっ、俺は…」
俺が話すうちに花憐の顔が真っ赤に火照る。
やっちゃった…。
女の子との接する距離がわからない…。
俺の方こそ嫌われちゃったかも。
あぁ、ごめん。ごめんお母さん。俺、今回も失敗に終わって…
「花憐」
「へ?」
「花憐、と呼んで下さい。お願いいたします!」
あ、え?なんて?今、花憐って呼んで下さいって…
「あっ、うん、花憐」
「はい九路瀬様っ!」
「あの…怒ってないの?」
「はい?どうして怒るのでしょうか?」
「いや、俺いきなりへんなこと言ったし…」
「へんなことなんかないですよ」
花憐は俯きながら微笑み、続ける。
「私、嬉しかったんです。今まで綺麗とか、やさしいとか、男の子はおろか、女の子にすら言われたことなくって、私、勉強もできなくて友達も、少ないから…」
そう、なのか…
「でも九路瀬様にそう言ってもらえて私、自信になりました!私、もっと九路瀬様に見合うような女の子になりたいです!」
それでもお前は、こんな
「こんな俺のことを…」
「こんな、なんて言わないで下さい。九路瀬様は魅力的です。ですから、九路瀬様。私には、私にだけは本当の自分を見せてください。私も、九路瀬様にお似合いの妻になってみせますから」
花憐は笑みを絶やさない。
ずっと女子校で育って、俺と話すことが怖いくせに。
体だって、震えてるくせに。
なのに花憐は、俺から目を離さず、ずっと、微笑んでくれる。
花憐なら…
「わかった。俺も、花憐にもっと自分を出せるようにする。そうする。だからこれから」
「はい!これからよろしくお願いします!」
「あぁ」
こうして俺と花憐の2人きりのお見合いは、終わりを告げ…
「ふふっ」
「ん?」
「九路瀬様てば、もう私に自分を出してくれてます。ちょっとですけど」
「え?」
「俺って言ってました!自身のこと」
あっ…
花憐はイタズラをした子供みたいに無邪気に、可愛くまた笑った。笑って、
「っっ」
俺の頬にキスをした。
「なっ」
「ふふっ、少女漫画を真似てみましたけど、ど、どうですかね」
どうって…
これはさすがに…ヤバイ…
「これからよろしくお願いしますね?あなた?」
2人きりのお見合いはこんどこそ終わりを告げた。
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お疲れ様です、ろりおです!更新しました!もっとヒロインが増えてからドロドロになりますが、花憐は次から危ないヤツになっていきます。フォロー、応援ありがとうございます。頑張ります!
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