俺をとりまく彼女らからの愛が深すぎる
第4話 登校
月曜日に追いつかれてしまった。
昨日のお見合いが一瞬のことに感じられて、気づけば月曜日。
全然眠れなかった。
…今日は学校だ。
しかも新学期2日目だ。
これからもう2年、学校にいくと考えるとけっこうしんどい。
勘違いしている人もいるかもしれないが、俺が通っている学校は一般的な私学校だ。
私立礼陵高等学校。
それが俺の現在通っている学校だ。
もちろん、御坊ちゃま高校に入学すると言う選択肢もないことはなかった。
この高校に入学する決め手となったのは父だ。
父も俺と同じく一般高校の出身で、曰く、「あんな高貴な高校に通うと男は腐ります」
だそうだ。
一方お嬢様高校の出の母は父の意見にあまり賛同はしていなかった。
父と母の熱い2日間に及ぶ討論の末、俺の入学する高校がこの、礼陵高等学校に決まったと言う訳だ。
…ちなみに花憐はというと星ノ村女学園という、超有名な学校に通っている。
星ノ村はまさにお嬢様のために作られた学校で、学問はもちろん、礼儀作法、家事、花嫁修行を行う、平凡とは一段階違う教育をしている。
確かに花憐のたたずまいはお嬢様そのものだったな…
…ただ、花憐は学問が壊滅的だ。
俺は一応学問に関しては校内1位をキープしているので力になれるはずだ。
今日は花憐と一緒に勉強をする予定だ。
一緒に勉強するだけなのになんかむずむずする。
まずい。家を出てからというものずっと花憐のことを考えてる。
別に花憐が絶対花嫁になる訳ではない。
...ただ、俺の妻となるものがあんなやさしい、美しい女性ならいいなって、そう思った。
「クロ」
登校中、考え事をしていると後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。
「あぁ、ひな」
俺が振り返るとそこには俺の小さい頃からの幼馴染み、津軽野陽向が手を振り俺の方へ歩み寄ってくる。
陽向、ひなは小学校からの幼馴染みで、俺が女性不審に陥った時もそばにいてくれた、親友である。
ひなとは話すことができる。
ひなは礼陵高校で一番の評判で、その容姿、成績、佇まいから多くの男子を虜にしている。そうだ。
確かにひなは、見てくれは本当に優秀だ。花憐にも劣らない。
学問も申し分なく出来、いつも校内順位20位以内をキープしている。
長い黒髪にきりっとした目、細身なのにも関わらず出るところはしっかり出ている。特に胸!!
確かにひなに落ちるヤツもわからなくはない。
だが俺は、そんなひなを苦手としている理由がひとつある。
「今年も同じクラスになれてよかった。ね?クロ。
あ、そういえばクラスで委員会を決めるっていってたわね」
それは、
「ねぇクロ、クロは風紀委員にしなさい。クロなら出来るわ。あら、大丈夫、私もやってあげるから」
ひなは、俺の選択肢を勝手に絞って、勝手に選ぶということ。
クロ、あれはこうしなさい。これはこうしなさい。
―大丈夫。私も一緒にやってあげるから
「あ、あぁ。そうだね。俺もそうおもってたんだ」
俺はひなに逆らえない。ひなは怒ると怖い。
「そう?さすがクロね。なら決まり。それよりクロ、寝不足?」
「え?」
「え?って。ふふ。目の下にうっすらくまが出来てるわよ」
「あ、あー」
「ねぇ、なにがあったの?」
ひなが呪文を唱えたかのように、俺にそう、尋ねた。
身が硬直する。
ひなの鋭い目はいつも俺を逃さない。
「いや、なんでもないよ」
俺は自然に、ただ自然に答えた。
が、ひなは突然立ち止まる。
「クロ、何で嘘つくの?」
「あっ、え、ひな?ちょっとおちつい「クロ!!」
ぎょっとした。
「嘘つかないで!いつもいってるでしょ!なんで?なんで嘘つくの?私今までクロのこと支えてきたのに...。クロに嘘なんかついたことないのに...!クロはなんで平気で嘘つくの?」
言い忘れていたが、こいつが俺にたいして嘘を見破る精度は異常に高い。
それはもう病的なまでに...。
そしてこの場合、俺に残された手段は真実を述べるのみだ。
俺は意を決して本当のことを述べた。
「...実は昨日お見合いがあったんだけど」
その時クロは...
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
お疲れ様です。ろりおです。更新しました。
第二ヒロイン、ひな登場です。花憐と会わせるのは怖いです。
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昨日のお見合いが一瞬のことに感じられて、気づけば月曜日。
全然眠れなかった。
…今日は学校だ。
しかも新学期2日目だ。
これからもう2年、学校にいくと考えるとけっこうしんどい。
勘違いしている人もいるかもしれないが、俺が通っている学校は一般的な私学校だ。
私立礼陵高等学校。
それが俺の現在通っている学校だ。
もちろん、御坊ちゃま高校に入学すると言う選択肢もないことはなかった。
この高校に入学する決め手となったのは父だ。
父も俺と同じく一般高校の出身で、曰く、「あんな高貴な高校に通うと男は腐ります」
だそうだ。
一方お嬢様高校の出の母は父の意見にあまり賛同はしていなかった。
父と母の熱い2日間に及ぶ討論の末、俺の入学する高校がこの、礼陵高等学校に決まったと言う訳だ。
…ちなみに花憐はというと星ノ村女学園という、超有名な学校に通っている。
星ノ村はまさにお嬢様のために作られた学校で、学問はもちろん、礼儀作法、家事、花嫁修行を行う、平凡とは一段階違う教育をしている。
確かに花憐のたたずまいはお嬢様そのものだったな…
…ただ、花憐は学問が壊滅的だ。
俺は一応学問に関しては校内1位をキープしているので力になれるはずだ。
今日は花憐と一緒に勉強をする予定だ。
一緒に勉強するだけなのになんかむずむずする。
まずい。家を出てからというものずっと花憐のことを考えてる。
別に花憐が絶対花嫁になる訳ではない。
...ただ、俺の妻となるものがあんなやさしい、美しい女性ならいいなって、そう思った。
「クロ」
登校中、考え事をしていると後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。
「あぁ、ひな」
俺が振り返るとそこには俺の小さい頃からの幼馴染み、津軽野陽向が手を振り俺の方へ歩み寄ってくる。
陽向、ひなは小学校からの幼馴染みで、俺が女性不審に陥った時もそばにいてくれた、親友である。
ひなとは話すことができる。
ひなは礼陵高校で一番の評判で、その容姿、成績、佇まいから多くの男子を虜にしている。そうだ。
確かにひなは、見てくれは本当に優秀だ。花憐にも劣らない。
学問も申し分なく出来、いつも校内順位20位以内をキープしている。
長い黒髪にきりっとした目、細身なのにも関わらず出るところはしっかり出ている。特に胸!!
確かにひなに落ちるヤツもわからなくはない。
だが俺は、そんなひなを苦手としている理由がひとつある。
「今年も同じクラスになれてよかった。ね?クロ。
あ、そういえばクラスで委員会を決めるっていってたわね」
それは、
「ねぇクロ、クロは風紀委員にしなさい。クロなら出来るわ。あら、大丈夫、私もやってあげるから」
ひなは、俺の選択肢を勝手に絞って、勝手に選ぶということ。
クロ、あれはこうしなさい。これはこうしなさい。
―大丈夫。私も一緒にやってあげるから
「あ、あぁ。そうだね。俺もそうおもってたんだ」
俺はひなに逆らえない。ひなは怒ると怖い。
「そう?さすがクロね。なら決まり。それよりクロ、寝不足?」
「え?」
「え?って。ふふ。目の下にうっすらくまが出来てるわよ」
「あ、あー」
「ねぇ、なにがあったの?」
ひなが呪文を唱えたかのように、俺にそう、尋ねた。
身が硬直する。
ひなの鋭い目はいつも俺を逃さない。
「いや、なんでもないよ」
俺は自然に、ただ自然に答えた。
が、ひなは突然立ち止まる。
「クロ、何で嘘つくの?」
「あっ、え、ひな?ちょっとおちつい「クロ!!」
ぎょっとした。
「嘘つかないで!いつもいってるでしょ!なんで?なんで嘘つくの?私今までクロのこと支えてきたのに...。クロに嘘なんかついたことないのに...!クロはなんで平気で嘘つくの?」
言い忘れていたが、こいつが俺にたいして嘘を見破る精度は異常に高い。
それはもう病的なまでに...。
そしてこの場合、俺に残された手段は真実を述べるのみだ。
俺は意を決して本当のことを述べた。
「...実は昨日お見合いがあったんだけど」
その時クロは...
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