神の使徒、魔王卿となり平和を求む

こにユウ

会議は踊るらしい

「では、初めに卿の発表について話し合おうと思う。」

そう切り出したのは国王だ。

「まず、今回の卿の発表だが3名とする。あまり多い人数を発表すると貴族にたいする尊敬や権力などが揺らぎかねんからな。」

それについてはみんな、頷いた。確かに貴族より上で国王より下という中途半端な奴らがたくさんで出来たら国民は混乱するだろうしな。

「そこで発表する3名なのだが」

そこで国王は俺たちにプリントを配った。
そこに書かれていたのは

魔王卿 ナーガ・エル・ウォーグ

剣王卿 ヴォル・エル・サイトス・アストル

魔法卿  バルカン・エル・ミルトン

「その3名にしようと思う。もちろん。当日はフェイスマスクと、それぞれの衣装を用意します。」

うん。この3人なら文句ないな。
皆が頷いていると

「国王陛下。発言よろしいでしょうか?」

そういって手を挙げたのは校長先生だ。

「どうした。バルカンよ」

「はい。恐れながら私は辞退させて頂きたく思います。」

「ふむ。理由を聞こうか。」

国王は少し語気を強くして聞いた。まぁ当然少しは怒るよなぁ。

「はい。まず確認ですが魔王卿とは魔法を最も上手く使う王という認識で宜しいですか?」

「うむ。間違ってはいないな。」

「でしたら、そこに私が並ぶのはどうかと思うのです。」

そこで全員、納得いったといった表情をした。
確かに、魔法を最も強く使う王を謳う者のよこにに魔法を上手く使う者がいても威厳もなにもあったもんじゃない。

「確かに。だか、そうなると代わりの者を立てないといけない。他の卿にこのような場に出てくれて、表に出せそうな卿はいるか?」

そう聞かれ、魔法卿と剣王卿ともに黙り込んでしまった。

「えっ、いないの!?」

さすがに驚いて声を出してしまった。

「ナーガ、卿とはな表に出るものばかりではないんだ。諜報に長けた者も卿の中に多くいるだがそのもの達を表に出す訳にもいかない。だか、そうなると明日、発表できるようなすごく力の強い卿はそう居ないんだよ。」

驚いた俺に国王はそう言った。なるほど

「では、力だけでなく回復に長けた者などはどうなのでしょう?」

「それも、考えたのだがそれでは聖女と立場が被ってしまう。教会はそれを許さないだろう」

うーん。そうか。何か手はないかな。

「スピースピー…」

何かないか

「スピー…」

何…か

「スピー…」

「あ、あった!!!」 

「な…に?」

俺の大声に反応してレイが起きた。
よし、レイには寝起きで悪いけど

「レイさ、回復魔法使えたよね?」

「うん。使える…よ?」

「どの程度?」

「全部」

「なら、聖王卿になってくれないか?」

「お〜け〜」

そう言ってレイはまた寝た。

「国王陛下。聞いてくれてましたか?」

「あぁ。聞いていたが…」

国王は自分の話を聞いていなかったのかという風に顔を顰めた。

「もし聖王卿を立てたとしても教会が…」

「ですから俺がどうにかします。正確には俺とレイがですが…」

そこまで聞いて国王はハッとした表情になり、ニヤッとし、

「なるほど。わかった。では発表するのは
 魔王卿 ナーガ
 剣王卿 ヴォル
 聖王卿 レイ
とする。」

そう言って、締めくくった。

「では次に国王陛下とビーナ先生…失礼、ビーナ様の結婚発表会の話に移ります。」

国王がひと睨みした瞬間、理事長は先生から様に言い直した。
国王って怒ったら怖いんだ…

「あの、いいですか?」

そこで口を出したのは、生徒会長

「私たち生徒はもう帰ってもいいですか?」

「あぁ、構わないよ」

「そうですか。それでは…」

アルゴ兄さんが席を立つと

「アルゴノートくんはダメだよ。」

「ですよねぇ…」

しょんぼりしてアルゴ兄さんは席に着いた。

「それでは、行きましょうか。」

生徒会長にそう言われ俺とレイは理事長室を後にした。




気づけば、お気に入り登録が50を超え、
さらにはハートも100を超えていて驚いてしまいました。
読者の皆様に心からの感謝を!
これからは週一更新に出来るように頑張りたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします!!

こうした方がいいのでは?などの意見もあればよろしくお願いします!
なにぶん、作者が実力不足なので( ˊᵕˋ ) 

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品