神の使徒、魔王卿となり平和を求む
兄さん達は偉大らしい
「では、改めて。僕の名前は、アルゴノート・エル・ウォーグ。ナーガ、君の兄だよ。」
「「ええええええええええええ!!!」」
俺とドリルは驚いて大声を上げた。
いやいやいや!歳離れすぎだろ!
「えーと、アルゴノート兄さん?は長男?」
すると、兄さんはキョトンとして
「あっはっはっはっ!!」
声を上げて笑いやがった。俺、そんなにおかしいこと聞いたかな?
「…あぁ、すまないナーガ。僕は次男だよ。確かに歳は5つも離れてるけどね。それと、僕の事はアルゴ兄さんとかアル兄さんとかでいいよ。長いでしょ?」
確かに長いが。
それより、長男とはどのくらい離れているんだよ。
「ちなみに、長男のルード兄さんは18だよ。」
「あっありがとう。」
なんだろ。さっきから心が読まれてるような…
「それと、俺とナーガは1度会っているよ。ナーガが眠ってる時にだけどね。俺達も時間が無くて1日で帰ってしまったしね。」
「なるほど。だから俺が知らなくて兄さんたちは俺の顔を知ってたんだね。」
「あぁ、そうだよ。」
すると、アルゴ兄さんは俺の後ろに目を向けて
「それで、ナーガ。そちらの子達は?」
「あっ、えっと…」
俺がタジタジになっていると
「こんにち…は。ナーガの…お兄さん。
ナーガの…婚約者の…レイエル。…よろ」
よ、よろって…
「なんとも個性的な女性だね。そちらは?」 
「シュワン伯爵家時期当主エリス・エル・シュワンですわ。」
へぇ、女性で時期当主か。これは珍しいな。
「ご丁寧にありがとう。僕は、アルゴノート・エル・ウォーグ男爵です。」
およよ?男爵?
「あら、男爵だったのね。それなら…」
 
ドリルあらためエリス嬢がアルゴ兄さんに向き直った。そして
「伯爵家の私が上よ。跪きなさい?」
こいつ。ここまで末期か。しかし、それよりも気になることがある。
「あら、お兄さんの方はよく分かってるじゃない」
 
アルゴ兄さん跪くの早いな…。俺とレイも倣って跪き、兄さんに耳元で聞く。
「アルゴ兄さん?」
跪いているあるご兄さんに気になっていたことを聞いた。
「なんだい?」
「ウチって確か公爵家だよね?」
そう。確かウチは公爵家だったはずだ。この短期間で降格された?いやいやあの父さんの母さんに限ってありえない。だとしたら…まさか!
「流石、ナーガ。もう気づいたか。」
エリス嬢にも聞こえるようにアルゴ兄さんは喋りだした。
「エリス嬢。失礼ながら申し上げます。貴女は少し勘違いをなされているかと存じます。」
「ふん。何よ勘違いって…」
「確かに、私の地位は男爵であります。」
「それがどうしたのよ!今更」
エリス嬢はまだ、気づかない。
「そうです。僕の家はウォーグ家。父の名はジーク・エル・ウォーグ・アストルでございます。そして爵位は公爵です。」
「えっ…えっ…」
困惑しているエリス嬢。どうやらジークという名は聞いたことがあるようだ。それなりに有名なのかな?父さんって
「で、でも!さっき男爵って」
「えぇ、ですか言ってるではありませんか。
 私の地位は男爵ですと。」
その瞬間、エリス嬢の顔は真っ青になった。
「いやぁ、つい2年前に叙勲されまして、ナーガは眠ってたから知らなかっただろうけどね。」
アルゴ兄さん。敬語とタメがごちゃごちゃしてる。
にしても何したんだろう?男爵に叙勲ってなかなか無いはずだが…
「なんで叙勲されたかは、おいおい話すよ。」
「あっうん。ありがとう。」
なんでこの人は人が考えたことがわかるんだよ。
「それでエリス嬢。もう立ってもいいかな?」
「えっあっはい。いえ!お立ちになってください!」 
やっと正気に戻った?エリス嬢は慌てて兄さんを立ち上がらせる。
勘違いされそうだが、この世界では、爵位を持ってる者の方が、公爵などの親戚や息子よりも権威は上なのだ。だから、いくら時期当主とはいえ、エリス嬢の兄に対する振る舞いはよくない。下手したら不敬罪で死刑だしな。
「えっと、この度は本当に申し訳なく…」
「あぁ、いいよ。別に。それにしてもシュワン伯爵家はまだ爵位至上主義なのか?」
「えっと、いえ。お父様とお母様は違うのですが、私に勉強を教えてくださった先生はそうだったので…」
「なるほど。してその先生とは」
「フェルモンド・レーヨン先生です」 
それを聞いて兄さんは小声で「また、あいつか。」と言っている。知り合いなのだろうか?
「その事はまぁ大丈夫かな。それと爵位至上主義はこの国ではもう古い習慣だし、あまり良くない。敵を作らないように改めた方がいいかもね。」
「はい…わかりました。」
エリス嬢はシュンとした。その姿は犬に見間違えるほどだった。
キーンコーンカーンコーン
「「「あっ…」」」
3人で話し込んでいると予鈴のチャイムが鳴った。3人で顔を合わせて頷いて
「ナーガ。また昼休みに会おう。それとエリス嬢。今回のことは気にしなくていいからね。授業に遅れると、僕はホント殺されるからじゃあね!」
「あっ!私も、それでは!」
アルゴ兄さんとエリス嬢は慌てて走っていった。だがしかし俺は大丈夫。なんたってレイがいるからな。
「よし、それじゃあ、レイ。いこう…か?」
おかしい。レイの姿がない。まさか!誘拐されたか!レイを俺たちから気づかれないように誘拐するってなかなかだと思うし、レイ自身も抵抗するから難しいと思うんだが
と1人で考えているとポケットに紙が入ってるのを気づく。
なになに
《ナーガへ
    先に教室行ってるから。
    それと、身体能力の脚力を
     少し封印したから頑張って
                               byレイエル》
・・・これはご立腹だな。しかも待てよ?この状態で脚力封印ってヤバない?俺、転移魔法使えないのに。終わったな。
だがしかし!レイが「頑張って」と応援してくれているんだ!絶対に間に合ってみせる。
そして足を動かした。
動かない…。
ステータスを見ると脚力の欄が0になっていた。
少しじゃねーよ!レイ!これ間に合わせる気ないだろ!
レイの嫉妬こわし
「「ええええええええええええ!!!」」
俺とドリルは驚いて大声を上げた。
いやいやいや!歳離れすぎだろ!
「えーと、アルゴノート兄さん?は長男?」
すると、兄さんはキョトンとして
「あっはっはっはっ!!」
声を上げて笑いやがった。俺、そんなにおかしいこと聞いたかな?
「…あぁ、すまないナーガ。僕は次男だよ。確かに歳は5つも離れてるけどね。それと、僕の事はアルゴ兄さんとかアル兄さんとかでいいよ。長いでしょ?」
確かに長いが。
それより、長男とはどのくらい離れているんだよ。
「ちなみに、長男のルード兄さんは18だよ。」
「あっありがとう。」
なんだろ。さっきから心が読まれてるような…
「それと、俺とナーガは1度会っているよ。ナーガが眠ってる時にだけどね。俺達も時間が無くて1日で帰ってしまったしね。」
「なるほど。だから俺が知らなくて兄さんたちは俺の顔を知ってたんだね。」
「あぁ、そうだよ。」
すると、アルゴ兄さんは俺の後ろに目を向けて
「それで、ナーガ。そちらの子達は?」
「あっ、えっと…」
俺がタジタジになっていると
「こんにち…は。ナーガの…お兄さん。
ナーガの…婚約者の…レイエル。…よろ」
よ、よろって…
「なんとも個性的な女性だね。そちらは?」 
「シュワン伯爵家時期当主エリス・エル・シュワンですわ。」
へぇ、女性で時期当主か。これは珍しいな。
「ご丁寧にありがとう。僕は、アルゴノート・エル・ウォーグ男爵です。」
およよ?男爵?
「あら、男爵だったのね。それなら…」
 
ドリルあらためエリス嬢がアルゴ兄さんに向き直った。そして
「伯爵家の私が上よ。跪きなさい?」
こいつ。ここまで末期か。しかし、それよりも気になることがある。
「あら、お兄さんの方はよく分かってるじゃない」
 
アルゴ兄さん跪くの早いな…。俺とレイも倣って跪き、兄さんに耳元で聞く。
「アルゴ兄さん?」
跪いているあるご兄さんに気になっていたことを聞いた。
「なんだい?」
「ウチって確か公爵家だよね?」
そう。確かウチは公爵家だったはずだ。この短期間で降格された?いやいやあの父さんの母さんに限ってありえない。だとしたら…まさか!
「流石、ナーガ。もう気づいたか。」
エリス嬢にも聞こえるようにアルゴ兄さんは喋りだした。
「エリス嬢。失礼ながら申し上げます。貴女は少し勘違いをなされているかと存じます。」
「ふん。何よ勘違いって…」
「確かに、私の地位は男爵であります。」
「それがどうしたのよ!今更」
エリス嬢はまだ、気づかない。
「そうです。僕の家はウォーグ家。父の名はジーク・エル・ウォーグ・アストルでございます。そして爵位は公爵です。」
「えっ…えっ…」
困惑しているエリス嬢。どうやらジークという名は聞いたことがあるようだ。それなりに有名なのかな?父さんって
「で、でも!さっき男爵って」
「えぇ、ですか言ってるではありませんか。
 私の地位は男爵ですと。」
その瞬間、エリス嬢の顔は真っ青になった。
「いやぁ、つい2年前に叙勲されまして、ナーガは眠ってたから知らなかっただろうけどね。」
アルゴ兄さん。敬語とタメがごちゃごちゃしてる。
にしても何したんだろう?男爵に叙勲ってなかなか無いはずだが…
「なんで叙勲されたかは、おいおい話すよ。」
「あっうん。ありがとう。」
なんでこの人は人が考えたことがわかるんだよ。
「それでエリス嬢。もう立ってもいいかな?」
「えっあっはい。いえ!お立ちになってください!」 
やっと正気に戻った?エリス嬢は慌てて兄さんを立ち上がらせる。
勘違いされそうだが、この世界では、爵位を持ってる者の方が、公爵などの親戚や息子よりも権威は上なのだ。だから、いくら時期当主とはいえ、エリス嬢の兄に対する振る舞いはよくない。下手したら不敬罪で死刑だしな。
「えっと、この度は本当に申し訳なく…」
「あぁ、いいよ。別に。それにしてもシュワン伯爵家はまだ爵位至上主義なのか?」
「えっと、いえ。お父様とお母様は違うのですが、私に勉強を教えてくださった先生はそうだったので…」
「なるほど。してその先生とは」
「フェルモンド・レーヨン先生です」 
それを聞いて兄さんは小声で「また、あいつか。」と言っている。知り合いなのだろうか?
「その事はまぁ大丈夫かな。それと爵位至上主義はこの国ではもう古い習慣だし、あまり良くない。敵を作らないように改めた方がいいかもね。」
「はい…わかりました。」
エリス嬢はシュンとした。その姿は犬に見間違えるほどだった。
キーンコーンカーンコーン
「「「あっ…」」」
3人で話し込んでいると予鈴のチャイムが鳴った。3人で顔を合わせて頷いて
「ナーガ。また昼休みに会おう。それとエリス嬢。今回のことは気にしなくていいからね。授業に遅れると、僕はホント殺されるからじゃあね!」
「あっ!私も、それでは!」
アルゴ兄さんとエリス嬢は慌てて走っていった。だがしかし俺は大丈夫。なんたってレイがいるからな。
「よし、それじゃあ、レイ。いこう…か?」
おかしい。レイの姿がない。まさか!誘拐されたか!レイを俺たちから気づかれないように誘拐するってなかなかだと思うし、レイ自身も抵抗するから難しいと思うんだが
と1人で考えているとポケットに紙が入ってるのを気づく。
なになに
《ナーガへ
    先に教室行ってるから。
    それと、身体能力の脚力を
     少し封印したから頑張って
                               byレイエル》
・・・これはご立腹だな。しかも待てよ?この状態で脚力封印ってヤバない?俺、転移魔法使えないのに。終わったな。
だがしかし!レイが「頑張って」と応援してくれているんだ!絶対に間に合ってみせる。
そして足を動かした。
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