神の使徒、魔王卿となり平和を求む

こにユウ

存在進化はすごいらしい

目を開くと、レイさんを連れていこうとしている結界神とおじさんがいた。

「おい。何してるだ?俺はまだ生きてるぞ?」

レイさんを乱暴に扱っていたから少し怒気と威圧を含んで呼び止めた。すると驚いたように2神とも驚いた様子で振り返った。

「なん…だと!?なぜお前が生きている!ここは不死も死者蘇生も出来ないようになっているんだぞ!」

「祭壇神、どうなっている!?」

「こちらに聞かれましてもわかりませよォ。大体あなた方の要求でこの人間を弱体化までさせてたんですからあまり文句は…あ、」

「ばっかやろぉ!何口滑らせてんだ!」

どうやら祭壇神もグルだったようだ。

「ほぉ。お主ら神聖な儀式でそのようなことをしていたとな?これは許されることではないのぉ。」

デウスさんは青筋を浮かべている。
…でも

「いいですよ。それでも。今度は絶対に負けません。」

「むう。そこまで言い切るなら信じよう。」

「ありがとう」

レイさん達の方を向き

「まだ俺は死んでいない。賭けは続行中だ。手を話せ。」

「…ちっ」

そう言うと結界神はこちらにレイさんを投げてきた。

「きゃっ…」

「よっと。」

レイさんを受け止めると同時に光の矢が迫ってきている。だがそれも異様に遅い。祭壇神は弱体化をかける方を間違えたんじゃないか?
俺はその矢を手でつかみ投げ返してやった。
ちょうど結界神の腕目掛けて

「「「えっ?」」」

見えなかった3神は驚きの声を上げた。見えていたレイさんでさえ驚いている。

「レイさん。怖い思いをさせてすいません。
けどもう一度だけレイさんを救うチャンスを
俺にください」

「えっ…あっ。いい…よ。私を、たす…けて?」

「はい!」

「それ…と、丁寧語は直…して」

「あっ。うん。わかったよ」

「じゃあ…頑張って!」

「あぁ、任せろ!」

「何時までそれをやってるんだよ!」

「ゆけ!アッキヌ・フォール!」

そう言って2神は数十本の矢と槍状にされた結界を放ってきた。まだレイさんがいるにも関わらず…だ。
これには少し俺もキレた。だから

スキル作成:執行 『絶対領域』

俺の周りに風が吹いた。

「無駄だ!我が攻撃は盾をも貫く!」

しかし、全ての矢と槍は俺に触れることなく霧散した。

「なっ…」

「貴様一体、何をした!」

「答えると思ってんのか?レイさんを巻き込んだこと後悔しろ。」

神滅魔法 『コラスィト・レイ』

真っ黒な扉が俺の前に現れた。そして扉が開くと赤黒い手と鎖が結界神とおじさんを掴み拘束した。

「なっなんだこれは!?」  

「くっくそ、離せ!」

抵抗するがそれも虚しく2神は扉に吸い込まれて言った。そして

「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!やめてくれ!俺が悪かった!だから!だからぁ…ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

「やめろ!俺は悪くない!あ、あぁア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

悲痛な断末魔が聞こえてきた。俺もこの中がどうなっているのか分からないが入りたくはないな。
流石にうるさかったので魔法をとくと扉も消えた。

「えーと、祭壇神?これ俺の勝ちでいい?」

「だっダメですよ!上級神を2神失ったんです!それ相応の罰を与えなければ…」

「あぁ、そうかぁなら『コラスィ…』」

「待ってください!あれを出そうとしてるんですか!?」

「そうだよ?だって考えてみれば君も同罪だし、証言にレイさんとデウスさんがいればどうにかなるでしょう」

「この決闘、挑戦者!白夜の勝利!!!」

ありゃ?意外とあっさり認めてもらった。

「じゃあ、私は他の人に広報してくるでそれでは!」

そういうと颯爽とどこかへ行ってしまった。

「レイさん!終わりましたよ」

レイさんの方をみると涙目で抱きついてきた

「よかっ…た。…死ぬ…んじゃない…かと、…心配…した。」

「レイさん…」

「白…夜…」

俺とレイさんの距離がだんだん近く…

「ウォッホン!!!」

ビクッ!

「白夜。よォ勝ったな!ワシも嬉しいぞぉ!」

レイさんと俺を離れさせバンバン!と背中を叩いてくる。正直ちょっと痛い。

「それより、白夜よ。その姿はどうしたのじゃ?」

「はい?」

そう言われて初めて異変に気づいた。髪が長い!レイさんが鏡を作ってくれてそれをみると目も赤くなっていた。

「どうしたんでしょうね?これ。元に戻るかな?」

そう思い、戻れー戻れーと思っていると髪が短くなった。目も元に…戻ってなく、片方だけ赤くなっていた。

「白…夜。なに…か、分から…ない…の?」

「そういえば、心臓を射抜かれた時、機械的な声?で〈存在進化を行いますか?〉って聞かれたからはいって選択をしたぐらいかな?あとはすごい激痛を食らった。」

「そう…私…は、わか…らないけど、おじいちゃん?」

デウスさんは驚いたように口をパクパクさせていた。そして何とか落ち着きを取り戻し

「白夜よ。お主は神に存在進化をとげたのじゃ。その証拠に目の変色。髪の成長があったじゃろ?」

えっ神になってんの俺?

「さらに言うとワシはお主から神々しい気配がしたから、大分高い位の神になっとると思う。どうじゃステータスを開いてみては」

「そうですね。わかりました。」

『ステータスオ…』

急に力が抜けて目の前が暗くなった。頭を激しく打って痛い。
薄れる意識の中で

「白夜!白夜!」

レイさんが必死に呼んでいるのが聞こえる。あーあ、生き返ったと思ったのにここでおしまいか。

「白夜!びゃく…」

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