神の使徒、魔王卿となり平和を求む

こにユウ

決闘(世代交代の儀)開始らしい

昼になり、俺とバースさんは神殿に行き、お祈りをした。事前に家のみんなには夕方まで帰らないと言ってあるし大丈夫だろう。

「よく…きた。」

目を開けるとレイさんがいた。

「今…から、世代交…代の儀…を行う…所、転移する」

「はい。わかりました。」

レイさんが俺とバースさんの服の裾を掴むと景色が変わった。なんと目の前には円形の闘技場?のようなものがあった。えっここ?

「レイさん。ここって、とうぎじ…」

「世代交代の儀の祭壇」

「でもこれって、円形とう…」

「世代交代の儀の祭壇」

「あっはい。」

どうやら、祭壇で突き通すようだ。バースさんも苦笑いしている。

「じゃあ、控え室…行ってて?場所は、真っ直ぐ進ん…で、階段降りて…右?だったはず」

「はい、わかりました。バースさん行きますか」

「わかりました。ナーガ様。それとこのような場を作ってくださりありがとうございます。創世神様。」

「気にし…なくて…いい。それと、白夜は…こっち」

「えっ?」

「当然…別に出るわけじゃ…ない。私の横で…見る。」

「あっはい。」

「それでは、ナーガ様!見ていてください!」

「おぅ!分かった。あとこれは餞別だ。持っていけ」

そう言って渡したのは2本の柄が金色で刀身が黒い短剣だ。バースさんが使いやすいように俺なりに調整した唯一無二の逸品だ。

「これは…ありがとうございます!」

「気にするな。師匠から弟子への卒業記念だ。鑑定してみろ。多分、いい具合にできてるから。レイさんも見ます?」

「はい!」「うん」

【武器名】ハロス・ムエルテ
【効果】 破壊不能
                物理透過 
                魔力+10,000
                身代わり
               絶対切断
               全種族特効

「「……」」

あれ?バースさんもレイさんも無言だ。流石に驚かせ過ぎたかな?

「バースさん、使い心地はどうだ?」

「あ、あぁ、振ってみた感じ違和感がないですよ。それどころか手に馴染みます!」

「それは、良かった。では行きましょうか?レイさん」

「あっ、うん」

それから、俺たちとバースさんは別れてそれぞれの場所に向かった。
そして俺は闘技場に入って驚いた。客席という客席が全て埋まっているのだから。てか、神様ってこんなに居たんだ。

「いつも、こんな…感じ。」

「そうなんですね」

「うん。でも…破壊神と創世神の…世代交代の儀は誰も…居ない。」

あぁ、納得してしまう。巻き添えなんて嫌だからな。

「それと…」

「なんです?」

レイさんが少し不機嫌そうに

「なんで…バースには…普通に…話してる…のに
私には…敬語…なの?前、私に…敬語使わなくて…いいって…言った」

「えっと、でも他の神様たちもいる訳でして…」

「私は誰?」

「それは…創世神様です。」

「そう、創世神は…神の…トップ」

「はい。」

「私の言うことは…絶対。だから…敬語…やめる。わかっ…た?」

「は…うん、わかった。これでいい?」

「うん。いい」

するとレイさんは嬉しそうな顔をした。いつもほぼ無表情だから分からないけど、最近は分かってきた…のかな?

すると、急に暗くなり、闘技場の真ん中が照らされた。

「皆さん!お待たせ致しました!これより世代交代の儀を行います!」

わああああああああああああああああ!!!

「進行はわたくし、儀式神ルーリックが行います!」

という感じで始まった。

「本日は運命神の世代交代の儀という事で現運命神フェルト対死神グリムの夫、元バイザール王国最強の暗殺者バースが儀式を行います!」

おぉ。流石、神界。情報が早い。

「では御二方に登場してもらいましょう!」

そう言うとそれぞれ对の門から登場した。バースさんは黒いコートに身を包んみ、腰には俺が渡した剣を刺している。対してフェルトは金色の装飾物を沢山つけてこれから戦闘をする格好ではなかった。

「舐められてますね。人間ごとき相手にする価値もないのですか?」

「はっはぁ!!よく分かってんじゃねーか。お前からグリムを頂くぜぇ。」

「やらんよ。お前ごときには」

とまぁ、こんな感じで2人は対話していた。
観客の神様たちはすごく盛りあがっており、早く始めろとばかりに叫んでいる。

「では!皆様も声もありますので!そろそろ始めようと思うのですがその前に特別観覧席にいる創世神様に挨拶を頂こうと思います!」

その瞬間、神様たちが静かになり、膝をつきこちらを向いた。わぁ、壮観だあぁ。

「ん。みんな…楽しんで。以上」

えぇ、終わり!?

「では、始めたいと思いますが、その前に創世神様、隣にいる人間は?」

そういうと、他の神様たちも居たのかとでも言いたげにこちらを睨んできた。わぁ、こぇぇ

「白夜。私の…友達」

そう言った瞬間に場が凍りつき、すぐさまざわめきに変わった。

[人間ごときが創世神様の友達だと?]
 ザワザワ
 [とうとう気でも触れたのか?創世神様も]
 ザワザワ
 [人間なんてたかが知れてる‪w‪]
 ザワザワ

嘲笑、混乱、蔑み、侮蔑などが向けられた。目の前にいる祭壇神でさえも…だ。

それも俺だけにでは無く創世神様に向かってもだ。

[親の七光りが調子乗ってんじゃねーぞ]
 イラッ
[創世神だからって何でもしていいわけじゃねーんだよ]
イライラ
 [すっこんどけよ。クズが]
 ブチッ

レイさんの方を見ると、申し訳なさそうにこちらを見て目には涙を溜めていた。1人で我慢してきたんだな。 俺はレイさんの頭を軽くなでると

「レイさん。この中に神の中で階級が低いのはどのくらいる?」

「ほとんど…そうだと思…う。運命神や死神みたい…な上級神…余りいな…い。下っ端の下級神が…ほとんど」

「わかった。」

そういうと俺は、

「ザワザワうるせーんだよ!たかが下級神の分際で色々言いやがって。お前らに、こいつの何がわかる!?なんも知らねーやつがゴチャゴチャいってんじゃねー!!!」

すると、シーン…となった。レイさんは驚いて口をパクパクさせている。
その後、やはり罵詈雑言が飛んできた。だから

「文句のあるやつは後で俺とこの祭壇で戦え!相手してやる!」

「上等だゴラァ!!」
「覚悟しろ!!人間がァ!!」

などと言ってくるやつが多かった。
そこからなんとか祭壇神が流れを取り戻し、予定通り、運命神の世代交代の儀が始まった!

「それでは、始めます!」

ゴォォォォン!!!

始まりの鐘がなった。

「神の使徒、魔王卿となり平和を求む」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く