代打・ピッチャー、俺 (少年編)
21投目・新チーム
練習試合の日から切磋琢磨し、走り、投げ、打ち、これでもかと練習に打ち込んだ。そして、上級生の引退試合の時期が近づいていた。
あれほど仲が悪かったにも関わらず、不思議とお互いを自然に受け入れていたのである。
しかし、熱意は届かず初戦敗退。経験不足によって、強豪相手にコールドゲームを突きつけられてしまった。
「真中、来年は人数が足りるかはわからないが自分なりのプレイをしろよ…!」
「はい、玉木先輩ありがとうございました!」
来年は入ってくる人数がまだ確定しておらず、下手をすれば試合すらできない状況になるかもしれないのだ。
そんな闇の中でしか、三人は手を繋いで歩くことは許されなかった。
そして新入団員が入り、なんとかギリギリの9人でチームを動かしていくこととなった。
「良かった、なんとか試合はできるね!」
「ああ、ここで手を抜いてはいられないぞ宇形!」
「あのー…」
「どうした早苗?」
「ピッチャーは誰がやるの?今年は野手しかいないよ?」
「しまった…完全に忘れてた」
ここで、想定していなかったアクシデントが起こってしまった。ピッチャー志望もキャッチャー志望も誰一人いないのである。
三人は知恵を寄せ合い、頭を割るぐらいに考えた。
そして出た結論は、ピッチャー真中・キャッチャー谷内のダブルサウスポーバッテリーだ。宇形は守備の要として、外すにはとてもリスクが高かった。
こうして、常にリスクと隣り合わせのチームが完成していった。
「真中、私キャッチャーやったことないから1から教えてほしい!」
「おう、もちろんそのつもりだぞ!俺の球が捕れなきゃ話にならないからな!」
それから3ヶ月に渡って、バッテリーの修行が始まった。
谷内は抜群の捕球能力を活かして、フレーミングを磨き上げていき、真中はコースを突いた投球を意識していった。
「ナイスボール!結構伸びてきてるわよ!」
「早苗、ミットを動かしすぎるとボールにされちゃうからもっと堂々と捕ってくれていいよ!」
「あ、ごめん…こう?」
「いや、もう少し手首を……」
「真中、あんた踏み込む歩幅広いんじゃない?疲れるペースがいつもより早いよ?」
「たしかに今日はかなり前に出てたな」
「油断するとすぐフォーム崩れるんだからー……」
互いに指摘し、指摘をされてもそれをすぐに飲み込めるまでに成長した。バッテリーの修行はまだまだ続きそうだ。
あれほど仲が悪かったにも関わらず、不思議とお互いを自然に受け入れていたのである。
しかし、熱意は届かず初戦敗退。経験不足によって、強豪相手にコールドゲームを突きつけられてしまった。
「真中、来年は人数が足りるかはわからないが自分なりのプレイをしろよ…!」
「はい、玉木先輩ありがとうございました!」
来年は入ってくる人数がまだ確定しておらず、下手をすれば試合すらできない状況になるかもしれないのだ。
そんな闇の中でしか、三人は手を繋いで歩くことは許されなかった。
そして新入団員が入り、なんとかギリギリの9人でチームを動かしていくこととなった。
「良かった、なんとか試合はできるね!」
「ああ、ここで手を抜いてはいられないぞ宇形!」
「あのー…」
「どうした早苗?」
「ピッチャーは誰がやるの?今年は野手しかいないよ?」
「しまった…完全に忘れてた」
ここで、想定していなかったアクシデントが起こってしまった。ピッチャー志望もキャッチャー志望も誰一人いないのである。
三人は知恵を寄せ合い、頭を割るぐらいに考えた。
そして出た結論は、ピッチャー真中・キャッチャー谷内のダブルサウスポーバッテリーだ。宇形は守備の要として、外すにはとてもリスクが高かった。
こうして、常にリスクと隣り合わせのチームが完成していった。
「真中、私キャッチャーやったことないから1から教えてほしい!」
「おう、もちろんそのつもりだぞ!俺の球が捕れなきゃ話にならないからな!」
それから3ヶ月に渡って、バッテリーの修行が始まった。
谷内は抜群の捕球能力を活かして、フレーミングを磨き上げていき、真中はコースを突いた投球を意識していった。
「ナイスボール!結構伸びてきてるわよ!」
「早苗、ミットを動かしすぎるとボールにされちゃうからもっと堂々と捕ってくれていいよ!」
「あ、ごめん…こう?」
「いや、もう少し手首を……」
「真中、あんた踏み込む歩幅広いんじゃない?疲れるペースがいつもより早いよ?」
「たしかに今日はかなり前に出てたな」
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互いに指摘し、指摘をされてもそれをすぐに飲み込めるまでに成長した。バッテリーの修行はまだまだ続きそうだ。
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