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俺と私とあたしの恋愛三角模様

きりんのつばさ

私の幼馴染

今回は柚原楓視点です。



ーー私の家にて

「ーーいい夏樹、分かった?」

「……分かったっての」

と正座をしたままぶっきらぼうにいう私の幼馴染の篠原夏樹。

「なら帰ってよし」

「俺悪いことしてないんだけどな……」

というと夏樹は彼の家に帰っていった。
彼が私の数少ない親友の山吹さんを教室で事故とはいえ、抱きしめているのを見て説教をしていたのである。



「ふぅ……」

彼が帰ったあと、私は自分のベットに身体を倒した。そして……

「……ッッ~~!!
ーー私の幼馴染可愛すぎる~~!!」

そしてさっきまで彼が座っていたクッションを胸に抱きしめてベットの上でゴロゴロ転がっていた。

「なっちゃん可愛い……!!」

と本人がいる前では絶対言わない彼の呼び方を呼んだ。お互い小さい頃は“なっちゃん”と呼んでいたけど中学生になるころから恥ずかしくなって“夏樹”に呼び方を変えた。だが今でも私1人だと昔の呼び方で呼んでいる。

「私が正座してって言ったら本当に正座しちゃうんなんて可愛すぎるでしょ……それでもちょっと不服なのが態度に出て可愛い……!!」

私は“なっちゃん”こと篠原夏樹のことが好きだ。
いつから好きだったのかは分からない。
ただいつの間にか好きになっていた。

自分で言うのも変だけど昔から運動や勉強はそつなくこなせてきた。
ただ人と話すこと、意思疎通をすることが対極的に苦手で、家族やなっちゃん以外とは上手く話せず友達もいなかった。ただそんな中でもなっちゃんは私と相手の間に入ってくれて話が出来るように毎回助けてくれる。

ベットから机の上に飾っている写真をみた。そこには幼いころの私となっちゃんが写っている。元気にピースサインをする、なっちゃんと対照的に私は怯えている。

「昔はあんなにやんちゃしていたのにね……」

昔のなっちゃんはいつも元気で内向的だった私をよく外に連れ出してくれた。今ではその無邪気さはなくなったものも成長するにつれクールになっていき、それもまたポイントが高い。

「毎朝起こしてくれるのも嬉しい……」

実はもう起こしてもらわなくても1人で起きれるのだけど、毎朝なっちゃんの顔を見たいがために朝が弱いふりを続けている。だって朝始めに見る顔がなっちゃんだったその日楽しい気持ちになる。逆になっちゃんが起こしに来ない日、まぁ大体が彼が休みの日はそのまま学校を休む。

まぁここまで聞いてもらえば分かると思うけど、私はなっちゃんの事が大好きだ。
ただ……

「……はぁ、なんで素直になれないんだろ」

私はなっちゃんがいるとどうしても素直になれない。
今日の件もそうだ。なっちゃんは私と付き合っていないのだからなっちゃんが何をしようと彼の勝手なのだけど、なっちゃんが山吹さんを抱きしめているのを見た瞬間、心がとても痛んだ。
まぁ理由は想像に容易いが……

「私に告白できる勇気があったらな……はぁ」

私自身がなかなか素直になれないためなっちゃんに告白できない。毎年バレンタインやクリスマスというイベントを一緒に過ごしているのに、その一歩が踏み出せない。よく物語では“今までの関係を崩すのが怖い”というけどまさにそうだと思う。告白してないから今のように幼馴染でお互いいられるけど、告白してないから彼氏彼女のような深い関係にはなれない。

「ただ早くしないと山吹さんが……」

山吹さんも明らかになっちゃんに好意を持っている。
彼女は明るく、クラスの人気者だ。そしてスタイルもよく女の子らしい。
人と上手く話せない私よりも山吹さんがなっちゃんの傍にいる方が相応しいだろうけど……

「そんなに簡単に諦められないんだよね……」

10年以上思ってきた気持ちを簡単に諦めるほど私は大人じゃない。
確かに山吹さんに比べて勝てることは勉強ぐらいだろうし、人当たりや明るさに関しては圧倒的大差で負けているけどなっちゃんに対しての気持ちは絶対負けない。

「何よりも今、なっちゃんは……いや、やめよう。私までそんな事言い出したらダメよね……」

今、なっちゃんにとって大事な時期なのだ。それを私のエゴで邪魔するわけにはいかない。

「大丈夫よ、なっちゃん。
ーー私は何があっても貴方の味方よ」

私は彼が住んでいる隣の家を見ながらそう、呟くのであった。

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