異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

53.チーム名

「後にチームメイトとチーム名をギルドが承認し仕事量の管理や個人宛の依頼などをチーム宛にしたり、特別報酬などをチームとしてお支払いするのでチーム名が必要になります」

なるほどね
どこかのチームだけが無闇矢鱈に依頼を達成して他の冒険者やチームに行かなくなることを防ぐ目的もあるという事ね

「さて…」

誰も何も言わない…
考えてなかったわね…私も

「とりあえず案を出しましょう?」
「うーん…」

またしばらくの沈黙

「俺はこういうの苦手なんだよな、故郷の皆には狩の相棒の名前がおかしいとか笑われたし」
「…ちなみにどんな名前だったの?」
「…モグリーナだ、ちなみにウィンドっていう鳥系魔物だ」



「あっ…緋眼の救世主ってどう!?」



「風香?それってチーム名としてどうかなぁ…」
「え〜絶対良いよ!リンリンの2つ名かつこいいし!」
「いやぁ…でもそれは2つ名であって…」

ちょっと後ろの蓮花達!笑わないの!!

「あははっそんな睨むなって緋眼の救世主さま」
「せっかく忘れてたのにぶり返さないでよ」
「ま、まあまあ…あ、あの、そこから文字ったりし、してもいいんじゃない…かな?」
「ふむ…それならいいんじゃない?」

緋眼って響はなんだかかっこいいし、いいんじゃないかしら?

「うっし!冷徹なる救世主ってどうd「いや違うでしょ」

食い気味に否定しちゃったわよ
違うそうじゃないわよ
何が「いいと思ったのになぁ」なのよ

そのほかにもいくつか案は出たのだけれどあまりピンと来るものはなかった
だって「国境なき冒険者」とか「モンスターズバスターズ」とか微妙なものが多かったし…

「『永劫なる緋眼』…なんてどうかな〜?」

風香の一言の後に一瞬の間があった
いいんじゃないかしら?かっこいいし
何よりこの間が答えでしょう?

「いいわね」
「かっこいいじゃん!」

1呼吸置いた後に数々の賞賛が巻き起こる
昔から風香はネーミングセンスがあった気がするし
やっぱりすごいわね

「でも、緋眼って私の目を指してるんでしょ?いいの?」
「リンリンだからいいの」

いやどう言うことなのよ

「そうだぜ、凛がリーダーなんだしいいだろ」
「俺も異論はないぞ」

ん?
ねぇ?ちょっと?
何故か私がリーダーってことになってる??

「お決まりでしたら記入してくださいね」
「はーい」
「では、チームリーダーを「凛です!」
「…かしこまりました」

私以外の全員がハモリ気味に名指しする…
新手のいじめだ…

「では、登録料20ブリンズをお願いします」

ダムナルさんから貰った巾着から銅色の硬貨を取り出す
係の女性が回収するのと引き換えに5つの銅プレートとボールチェーンを置いた

「こちらは冒険者バッチです、プレートにチェーンを通してクエスト中などは外から見える場所に装備してください」
「分かりました」
「それからプレートにはランクがありまして、クエスト攻略回数など条件を達成した後にギルドからの昇格テストを合格しますと次のランクに昇格出来ます」

ランクには銅、銀、金、プラチナ、銅魔鉄、銀魔鉄、金魔鉄の7段階あるらしい…
多すぎないかしら?

「他にご要件はありますか?」
「もう大丈夫です」

そして係の女性はスクロールをまとめるとそのまま仕切りの奥へと消えてゆく
半ば無理矢理リーダーになっちゃったんですけど…

「それじゃあ!ご飯行こ〜いこー!!」

待ちきれないと言った感じに風香は私の腕を引っ張り冒険者ギルドから出ていく
まあ、なっちゃったものは仕方ないわよね
それよりご飯にしないと風香が暴れちゃうわ

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