異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

45.クレスト王国 城下町

いよいよクレスト王国ね
お城なんて本物を初めて見るからちょっとワクワクするわね

石造りの城壁の外には草原が広がっており人為的なのか壁の近くには1本の木も生えていない
壁の上には兵士が所々から外を監視していてその兵士は弓を装備し外敵からの防衛も迅速に行えそうね

「ゲームの世界みたいだね!リンリン!」
「そうね、あまり暴れないでね」

風香の興奮具合に私は少し落ち着くことができた
こういう時こそ冷静になりなさい凛
それはそうとして色々と見てみましょう

城壁には関所設けられていて、一般人用関所と貿易商用関所に分かれている
一般人用関所には人は居らず金属製の門扉が閉まっており、門扉の前には小さな看板が立てられている
それに比べ貿易商用関所はそこそこ並んでいる、荷物を大量に詰めた馬車がまだかまだかと並んでいる

私達は貿易商用関所の方へ向かい列に並ばずそのまま門前へ行った
先導していた馬車が門番に何か話したあと
兵士達が中から出てきて貿易商達を一旦止めて私達を中へ誘導した

「すみませんが王城まで御一緒下さい」
「分かりました」

門番の横を通り過ぎる時に声をかけられる
断ることも出来ないわよね…
まあ、なるようになるわよね?

「いよいよだよ!リンリン!!」
「楽しみね、風香」
「あたしは城なんて初めて見るんだ!」
「俺もだぜ」「私も…き、緊張するっ…」

関所をくぐると真っ直ぐ行ったところにまた城壁と門扉が待ち構えている
その門扉まで真っ直ぐの道が続いてる

道は砂…かしら?
それもしっかりと固められたような感じがするわ
馬でも走りやすいようにしているのかしら?
ここはいざと言う時に軍隊が速やかに通過できるようにしているのかしらね?

街並みは木材や石材を併用したりして作られた建物がメインに見られる
それほど高い建造物はなく家の造りは比較的統一されて直方体か立方体になっている

大通りに面していたり商売をしているお店は看板や装飾が施されていたりするが、それ以外は特に造りに特異なものは無い
各々が自分の家だと分かるように多少装飾はされている

この王国の主要道であろうこの道の端には木材で組まれた屋台が点在しており
様々な食材を売り買いしている様は商店街の様な風景を思い出させる
今も尚人々が活発に活動しており私達を先導する兵士に頭を下げたり手を振ったり挨拶したりしている

気になったのは道端だけでなく家の屋根やこの街の至る所に水晶玉みたいなものが置いてある
そこから魔素が溢れだしているのだ
そして、その魔素の行先は屋台で鮮魚を扱う所の水槽だったり焼き物を出す火の元だったり、あるいは家々の中へ入って行ったりしている

(あれは一体?)
(あれらは民の生命線です)(火や水などに変換され生活水準を底上げする為に、そこそこ裕福な国ではよく導入されています)
(なるほどね、ありがとう)

心の中の疑問にコリとウリが応えてくれた
心の声がダダ漏れなのかしら…?
なんにせよ、この国が結構力を持っているってことね?
でも、魔素に溢れていても魔法使いは結構レアって話を聞いたのだけど…?

まだまだ疑問はあるけれど馬車を止めてじっくり見させては貰えない
馬車が止まったと思いきや進行方向には金属製の門扉が堂々と閉まっていた
その門扉には王国のマークなのだろう印がでかでかと刻まれていた
とうとう王城へ入るのね…

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