異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

44.私だって食べれるなら食べてる

煮立ったスープの香しい匂いとパチパチと音を立てる焚き火、その焚き火に時々一瞬だけ激しく燃え盛るかのような音が聞こえる
その焚き火の方から食欲を掻き立てられる香ばしい匂いが当たりを包み込む
誰に起こされた訳でもないのに身体がその匂いにつられて起きようとする

目を開くとそこには大きな鍋でちょうどぐつぐつと軽く沸騰しているスープ
それから、焚き火を中心に肉の部分が人の顔ほどある骨付き肉が周囲に配置されちょうどいい焦げ目が満遍なく付いている

ここに白米があったらと思うのは日本人故なのかしらね?
朝から結構しっかりした食事ね、私はそれほど食べれないし残った部分は風香に食べてもらいましょうかね?
…風香は目を見開き今にも飛び込まんとしそうね

「おはようございます。もう食事の準備が出来ておりますのでお好きにお召し上がりください」

起き上がった私を迎えたのは少し汚れているメイド服をしっかりと着込んだキリッとした顔立ちのメイドさん。サリアさんである

「おはようございます、料理ありがとうございます」
「うっひょー!」「美味そうだな!」
「朝からかなり気合いの入った料理だな、俺も腹ぺこだ」
「リンリン私もうお腹ペコペコ!早く食べに行こっ!」
「そうね、行きましょ」

私達の起床を確認したあとサリアさんはミーリャ姫を起こしに行った
兵士がよそってくれたスープと骨付き肉を受け取り
複数個ある焚き火をそれぞれ囲むように座り食べ始める

まずはスープを飲む
少しスパイスの効いたあっさりしたスープには、刻まれた野菜が入っており噛めば野菜の甘みを感じる
久々に飲む気がする朝にふさわしいスープは寝起きの体を中から温めてくれる
飲んだあとはしつこく味が残ったりせず、口の中がさっぱりする

「っぷは〜」

誰かが喉がカラカラの時に水を飲んだ後のような声を発する
その声には染み渡るっと言ったような感想が含まれている
そう感じるほどに久しぶりに飲むスープは美味しかった

骨付き肉は表面がパリッと音が鳴り肉を噛めば中から肉汁がうっすらと滲み出てくる
食感で言えば鳥に近く、噛めば筋張って噛みちぎりにくいなんてことはなく非常に食べやすい
何回か頬張ると口の中が少し脂っこくなってくるが、そこはスープを1口飲めばすぐにさっぱりする

「ん〜っ、久しぶりにガッツリ食べられるね〜」
「満足そうね」
「このお肉美味しいんだもん」
「スープもお肉と合って美味しいわね」
「いくらでも食べれちゃいそう」
「ふふっ、でも私はもうおなかいっぱい」
「リンリンももっと食べないと大きくならないよ〜?」
「どこ見て言ってるのよ、私の残り食べる?」

…言い切る前に差し出した肉にかぶりついている
朝からしっかり食べれるのっていいわね

食事の時間も終わり早々にもクレスト王国へと向かう
出発してから数時間で遠方に街らしき建造物が見え始めた

「クレスト王国よ!やっと帰ってこれたわ!」
「姫、危ないのでお座りください」

浮き足たつミーリャ姫を制したサリアさんもほっと一息着いたような感じだった

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