異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

41,ダムナル・ラーマ

「しかし、よく私達が助けに来た亜人だと分かりましたね?」
「我が息子が教えてくれたんです」
「紺色の毛並みの獣人族の方が助けてくださった時に助けに来たとみんなに伝えてくれと」
「ありがとう、ラトル。商人の息子さんもありがとう」
「話を聞いてくれたおかげさ」

息子さんはお礼を言われて照れくさかったのか私が怖かったのか分からないけれど
少し戸惑って商人の背に隠れたわ
それから、流石ラトルね
私は全く失念していたわ
これからは気をつけないと…
人族と魔族はわだかまりがあるってね

「失礼、まだ名前を名乗っていませんでしたね。私はラーマ商会のダムナル・ラーマです」
「私は凛 鈴音です」
「スズネさん、お礼ついでと言ってはあれですが何かお困りでしたら商品をお安くお譲りしますよ」
「本当ですか?!なら、地図などありませんか?」
「ええ、もちろんありますよ。どの辺りの地図で?」
「えっと…」
「ドラク・ケニル大陸北方地図はあるか?」
「ありますよ。ブリンズ3枚です」

そう言ってダムナルさんは馬車へ行き1つの円柱状に巻かれた紙を持ってきた
そうしてラトルは円筒の紙を受け取り、さっき受け取った巾着から銅貨を3枚を取り出し渡した
これで地図が手に入ったわね

「ありがとうございます、ラーマさん」
「いえいえ、我々商人は顧客に必要なものを運ぶのが仕事ですから。他に必要なものはありませんか?」

一応みんなに目配せをする
皆何も反応はないわね

「今は特にありません」
「分かりました、これからもラーマ商会を是非ともご贔屓に」

笑顔でそう言い残しダムナルさんは自分の馬車へと乗り込み1度こちらに手を振ってから出発していった
さて、私達もそろそろ行かなくちゃね

ケノス達に連絡手段がないわね

「ケノス達に合図を決めるのを忘れていたわね」
「本来なら契約した時にそれぞれベルを貰うんだが、今回は色々とドタバタしてたしな…」
「あ〜、それにケノス達の持ち物は山賊に盗まれたんじゃなかったっけ?」
「あぁ、それでなかったのね」

どうしましょう
そんな不安もつかの間向こうから二匹のケンタウロスが走ってくる
後ろに荷車を引きながら

「おぉーい!終わったかー?」

私達の前でとまる
荷車の中から2人の人族が降りてくる
キリッとした顔のできるオーラを放つメイドさんと小さいお姫様

「よく戦闘が終わったと気づきましたね」
「メイドさんが終わったから迎えに行こうってな」
「いつもならあたしらからベルを渡してあるから、それの合図なんだが…」
「気配でわかったので」
「メイドってすげえな」
「メイドですのでこれくらいはできて当然です」
「サリアはとても優秀なのよ」

お淑やかながら顔は自慢げな雰囲気を隠しきれない様子のミーリャ姫だった
サリアさんの自慢話を話させたらきっといっぱい出てくるのでしょうね

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