異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

32,戦闘開始〜理華&里美〜

「む、無理だよ…」
「いいから俺に掴まってな」

馬車から飛び降りれないと弱腰な理華を武器を持っていない左手で抱え飛び降りる
俺が硬くなれば走ってる馬車から飛び降りても問題ないだろ
なるべく着地した所に敵がいない所で降りなくちゃな

「3、2、1で飛び降りるぞ、いいな?」
「う、うん!」

がっしりと理華が抱きついてくるのを確認して

「3、にッ!「ひぃあああああ!!!」

叫び声と共にさらに強く抱き締める
足だけでなく全身に力を込めて着地に備える
しっかりと抱き締めてくれているおかげで着地してからも特にぐらついたりせずに止まることができた
しかし…首が痛い…
おかげでバランスは取りやすくなったから結果オーライだな

「3、2、1でって!言ったよね!!」
「悪い悪い、でも着地できたろ?」
「そうだけど…もう!」

軽い喧嘩もほどほどに早速敵のお出ましか!
ゴブリンと…犬っぽいモンスター…
魔法使い理華は守らないと…
だけど守りながら戦うなんて俺にできるのか…?
とにかくやるしかねえな!

「理華!援護頼むぜ!」
「が、頑張るよ!」

頼もしい返事を背中に剣をしっかりと握り敵を睨む
敵はゴブリン二匹に犬1匹だな

「ハウンドだ!ノーマルタイプなら力はそれほどないがすばしっこい動きに注意しろ!」

おっけぃ!
理華を背中に隠すように1本前に進む
それを合図と言わんばかりにゴブリン1匹が走ってくる
ゴブリンなら大丈夫だ!

ゴブリンが振り下ろした棍棒を剣でしっかりと受け止め押し返す
今度はこちらから剣を横払いするが、棍棒にしっかりと受け止められてしまう
しっかし、鉄製の剣を受け止める木材ってどうなんだよ…

「全ての生命の源にあるみなぎる力よ ひっ!」

ゴブリンと睨み合っていると目の端に何かが通り抜けて行く
詠唱に気がついたハウンドが理華に襲いかかる
させるかよ!!
理華の元へと駆け寄りハウンドに切りかかる
空を切る結果になったが理華を襲おうとしていたハウンドは一時撤退をした

「あ、ありがとう」
「これくらいは任せな!」

振り返るとすぐに先のゴブリンがまた棍棒を振りかかって来ていた
それを剣で受けたがそれが間違いだった
ゴブリンの後ろにもう1匹のゴブリンが潜んで居て俺の傍を通り抜けていく

「くそっ!」

通り抜けたゴブリンが理華に棍棒を振り下ろすその刹那
理華が持っていた肩掛けのカバンから何かが飛び出しゴブリンの棍棒を止めた
予想外の事に驚いたゴブリンの顔にその何かはそのまま飛びつき、ゴブリンは溺れているかの様にもがき苦しんでいる

その緑色の液体生物はどこかで見た気がする…
今はいいや
とにかく敵じゃないっぽいし

「生ける木々すらも灰へと変える炎たれ!スライムちゃん!離れて!『バースト』」

理華の声を聞きスライムがゴブリンから離れた瞬間にゴブリンの周囲を爆発のような炎が包み込む
ゴブリンは悲鳴の様な鳴き声を叫びながら真っ黒焦げになった

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