異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

21,ツイてないわ

冒険者か山賊…かしらね?
男4人のパーティで荷馬車を連れて歩いている
男たちは馬車の四方に陣を組み警戒しながら林道を進んでいる

道順に行くとなると私達のキャンプ場には遭遇しないと思うけれど、警戒はしておかなくちゃ

会話内容をきいてみましょう
超音波を拾えるなら人の会話くらい聞けるでしょう?

「しっかしまあ、良い拾い物出来たな!」
「全くだ!こりゃ高く売れるだろうよ」
「着てる服や持ってる物から察するに貴族様辺りだろうよ」
「傷物にしねぇよう大切に扱わねぇとな」

あー
うー
完全に人さらいね

まあ、もうしばらく様子見しましょうか
今のところ私達に直接被害が来るわけでもなさそうだし
相手の実力も見えないまま無闇に突っ込むのはいい選択ではないしね

馬車…
馬車か
あれば移動が楽になるわよね
でも、例え悪だからと言っても強奪するのは良くないわ

「おい、止まれ」

先頭を歩く頭にバンダナを付けた軽装な男が後ろの連中に向かって静かに指示を出す
その男の視線を追ってみると
緑色でぷよぷよしている液体のようなモンスターが居た

「おいおい!緑色のスライムか?」
「変異種かもしれんな!」
「隷属の首輪余ってたか?」
「俺たちはついてるなぁ!」

あー、あのスライムメモを配ってくれたスライムよね…
なんて運のない子なのかしら…

軽装の山賊がスライムの前に突然木の上から降ってきてスライムが驚き竦んだ
そこに後ろから筋骨隆々の男が首輪をスライムに付ける、と言っても液体の中に突っ込んだだけだけど…

「モキュキュッ!!!」

統率の取れた良い動きだわ
こういうことは何度もしてるんでしょうね
スライムの近くで褒めあってる男共を後目に、私は馬車の中身を遠目で確認する

人か2人かな
小学生高学年程の子どもと小柄な大人の女性が居た

そして、私の姿は見えにくいはずなのに小柄な女性と目が合ってしまった
木陰に隠れているのに見つかった?!
面倒事は御免だと逃げようとするも遅かった…

「助けて!!」

大声で叫ばれてしまった

「コリ!ラトルを呼んで来て!戦闘態勢で!」
「はい!直ちに!」

異変を感じ取った山賊達はすぐに馬車まで戻ってきて警戒を高める
1人は確保したスライムを馬車の中に入れる

「動くなよスライム」
「誰かいるんだろぅ?!」
「隠れてないで出て来い!!」
「憲兵か冒険者か?」

なんて最悪なの…
ラトルが来れば何とかなるかもしれない
耐え凌ぐしかないわね

山賊の1人が小柄な女性に乱暴を働こうとしている
見せつけのつもりかしら?

でも、殴るのをただ黙って見ていられるほど私は大人じゃないわよ
足元に合った小石を女性の胸ぐらを掴んでいるその手に向かって投げる

「ぐっ!」
「あそこだ!!」

さてと、どうしましょうこの最悪な状況…

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