異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

12,初戦闘

「リンリン、あの時のスライムがあそこに!」
「っ!」

看守の足元には全身をフルフル震わせている緑色のスライムが居た
隷属の首輪のせいか動けないようだ
看守はそのスライムに魔素のこもったタクトの様な物を振りがざす

「やめなさい!」

看守の腕を掴みスライムが殴られる寸前で動きを止めれた

「っ!!キサマも奴隷だろうがぁ!邪魔をするな!!」
「残念だけど素敵な首輪はもう無いのよ」
「もにゅもにゅ〜っ!」
「風香、スライムをよろしく」
「まっかせて〜」
「ちっ!モルファスト!やれ!!」
「相変わらず人使いがあらいな。残念だけど嬢ちゃん、怪我だけじゃ済まないからね」

看守の斜め後ろから手足と胴に軽い装甲を着けた大男が現れ、身長の半分位の長さの長剣を振りかざしてきた
私は看守に蹴りを入れて、その反動を使い素早く距離を取る

「避けるなよ!嬢ちゃん!」
「女子供に手を出すなんて騎士道に反するんじゃないの?」
「はっはっは、痛いところを。でも、これも仕事なんだよ」
「騎士ですら上司に逆らえないのね」
「一時的に上司なだけさ、俺たちは王に仕え、御守りすることが仕事さ」

さしずめ王国騎士ね

「奴隷を酷使する王なんて碌でもないとおもうけど?」
「繁栄の為にはしかたないこともあるんだよっ!」

台詞の途中で長剣を横ぶりしてきた

「っ!!」

長剣の下をくぐり抜け即座に相手の方に向き拳を構える

「剣相手に拳か?嬢ちゃん!」

モルファストは長剣を構え直さずに振り切ったままの勢いを殺さずに体の後ろから回して縦振りをしてくる
容赦のない攻撃だけどまだ避けれる

「引け目を感じるなら貴方も拳でいいのよ?」
「嬢ちゃんは敵だからな、手加減はしてやらねぇよ!」

はぁ〜
蓮花のような素人とは違う…
剣の扱い、戦闘回数…全てが相手の方が上
正直に言うと勝てる見込みが無いに等しいわね

「風香、スライムを連れて先に行ってて!」
「でも…」
「お願い!」
「…わかった!絶対合流してね!!」

わかってるわよ
走り行く風香を目尻にモルファストと向かい合う

「モールトだったっけ?私達は自由が欲しいだけなの、見逃してくれない?」
「それはできねぇ相談だな。あと、俺はモルファストだ」
「あら、ごめんなさい。人の名前とかってなかなか覚えられなくて」
「あぁ、よくあることさ。気にしなくていい。お前の名前を聞いてなかったな」
「スズ、よ」
「そうかい、覚えておくよ」

再びモルファストの攻撃が始まった
より近い距離からの連続斬り
後ろに下がりながら何とか避ける

「さっきより早いっ!」
「まだまだぁ!!」

この斬撃を避けきるのは無理だわ
…霧化できないかしら?
やってみるしかないわ!

「おらよ!」
「っ!!」

大きく踏み込まれそのまま横振りが来るっ

「?!」

私の横腹に刺さった剣はそのまま何も無かったかのように私の身体を通り抜けた
手のひらをモルファストに向けながら霧化を解き

「光よ!!!」

とびきりの光の魔法を目に焼き付けてあげた

「ぐあぁぁぁ!!」
「今日の所は引かせてもらうわ!」

モルファストが怯んでいる内にそそくさと立ち去れた
今回はなんとかなったけどこれは不味いわね…
私は風香達を追いながら己の実力不足を噛み締めた

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