異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

7,奴隷の界隈では事故なんてよく起こるらしい

今夜も夜空には8割くらい満ちている月が小さな小窓から見える
この世界では月じゃなくてケアラと言うらしいけれどね

私は珍しく少し焦っているのよ
ケアラが全て満ちる時が反乱の時、それまでに魔素や魔法の事をある程度知っておかないといざと言う時に対応出来なくなるもの

理華はもう結構使うことができるみたいで水を操ったり風を起こしたりしている
私ももう少しで何か掴めそうなんだけれどね…

「ねぇ、リンリン?」
「どうしたの?」
「これ…」

そう言って風香は手のひらの小さな炎を見せてきた

先を越されたぁぁ

「凄いじゃない!」
「えへへ〜」
「うげ!守さんも使えるようになったのか!」
「蓮花ちゃんもすぐに出来るようになるよ!」
「まっ、蓮花より俺の方が先だけどな」
「美里には負けないから!」
「うっし!どっちが早いか勝負だ!」
「リンリンも絶対出来るようになれるから!一緒に頑張ろう!」
「ええ、頑張るわ」

焦ってもできないのは分かってるけど
どうしても焦ってしまう…
とりあえず今日は寝ましょ

それは、翌日の朝食前の作業中に起きた
近くでゴンッという音が鳴った

「リンリン危ない!!!」
「っ?!」

どこかの馬鹿が積荷に運んでる物をぶつけたらしく
私の頭上に無数の物が降り注いできた
その積荷は武器などが入っていたらしく目の前に広がる無数の刃物を見て何故か冷静になった

(私、死ぬかも)

死ぬ間際って世界がゆっくりに見えるって本当なのね
風香が真っ青な顔でこっちに焦って駆けつけようとしている
私の傍に居たネズミは一目散に逃げようとしている

私は今から逃げても間に合わないわね
でも、ただぼーっと死ぬのを待つなんてしてられないわ
糸のように細い希望でも掴みに行かなきゃ!

顔に向かって落ちてくる斧を躱して
身体に刺さりそうな剣を弾いて
近くのハンマーを掴みかなり私の身長より大きな大剣に目掛けて投げて軌道をそらし

「っ?!」

目の前で矢の束がバラけて腕や足に数本刺さった

「っくぁぁ!!」

痛みに気を取られたらもうダメだった
脚に、腕に、肩に重い物がぶつかりバランスを崩した
そこに腹や胸に刃物が突き刺さる
最後に頭に衝撃が加わり私は意識を失った

「リンリン!!いやぁぁぁぁっ!!!!」

最後に彼女の悲痛な叫びを聞くとは夢にも思わなかったわね
ごめんね

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