異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

1,プロローグ

高校1年の夏の前
梅雨だった
毎日鬱陶しい雨がしとしとと続いている

イライラの原因は梅雨のせいだけでは無いな…

幼なじみの風香が最近少しよそよそしい
わざと距離をとって何かを悟らせない感じなのだ

「同じクラスだったらなぁ」

明かりのない薄暗い廊下で1人呟く
そう、今は別のクラスで中学生の時より会う時間が短いのだ
故に気づいてやれなかった…

「ごめんね、今日は少し用事があるから先に帰っててね」

昼休みに今日も言われた
風香とは家が隣同士なのでよく一緒に帰っていたのだけど…
今日もダメそうだ

最近少し元気もない様だし、非常に心配である

その日の放課後
掃除中に男子が箒でチャンバラをして集めたゴミを再び散らかす事件(?)があり少し遅れてしまった

掃除も終わり教室を出ると目の端に風香と良くない噂を聞く生徒が一緒に居るではないか!
私はそこはかとない不安を感じた…
風香には悪いが盗み見させてもらう

「守さん、ちゃんと持ってきたぁ?」
「や、やっぱりダメだよこんなこと…」

恐喝組は3人で風香を囲み、風香が持っていた封筒を奪わんとしている
予感的中…嫌な方ね…
風香は恐喝されて家からお金を…ねぇ…

「ほら、早く渡しなよ!」
「そんなに欲しいならくれてやるわよ!」

私は無意識にそう叫び偉そうにしてる1人の口にトイレ掃除に使われた雑巾をねじ込んでいた

「もがぁ?!」
「ちょ、花蓮ちゃん!!」
「大丈夫?!?!」

花蓮のグループはとても混乱している
やはり偉そうにしてた花蓮と言う人がトップだったらしい
全員慌てふためいている

「いくよ」
「リンリンっ!?」

風香の手を握りその場を離れる

「ごめんね、リンリン 」
「別に謝らなくていい」
「それと、まだ終わってないよ」

「あそこだ!追え!!」

夕暮れ時なので人混みに紛れて行こうかな
商店街の中の入り組んだ所を駆け抜ける
が…
逃げる方向を考えなかった私が馬鹿だった…
後ろを気にしつつ建物の間を縫って行く

しかし

「ふむ…」
「ふむ…じゃないよ?!」

行き止まりにたどり着いてしまった

「ぜぇ…ぜぇ…」「やっと!追いついたぞ!!」

息を切らした3人組に追い詰められてしまった

「仕方ない…」

私は風香を後ろに隠し構えはしないが臨戦態勢に入る

「もう逃げられないようだな!覚悟しろ!」

いきなりナイフを持ち出し襲ってくる
けど…
握り方や振りかぶり方、見ただけで素人だとわかる
身構えた私が馬鹿らしかった
無力化しようと相手の懐に踏み込もうとしたその瞬間
辺りが眩い光に包まれた

「ま、眩しいっ」
「な、なんだこれ!」
「リンリン!」
「風香っ!」

嫌な予感がして私は咄嗟に風香を抱き寄せる
光の中からどこからともなく声が響く…

「我召喚により現れ給え、従属たる下僕よ!」

更に眩く光り胃が持ち上がる様な気持ち悪い感覚を最後に意識が消える


目が覚めると私達は首輪を付けられ鉄格子と石で囲まれた部屋に居た

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