雪物語
第12話 王城にてPart3
王家の方たちと食事を終えた雪はメイドに今日泊まる部屋を案内されていた。
王様に言われてこの国のお酒を堪能した。
未成年だからと断ろうとしたがこの世界の成人は15歳らしいので断るに断れなかった。
まだ前世のことを喋る訳にはいかないので仕方なくお酒をいただいたのだ。
お酒の味は驚くほど飲みやすくすごく美味しかった。赤ワインがメインだったから辛いものから甘いものまでなんでも美味しかった。
ここまでいえばある程度の人は分かっているだろう。そう、雪は今もの凄く酔っている状態だった。
「あはは、メイドさ〜ん、俺は今すごく楽しいです〜〜!」
「ユキ様、ちゃんとお歩き下さい。転んで怪我してしまいますよ。」
「えへへ〜、メイドさん可愛いですね!その迷惑そうな顔もすごく可愛い」
酔っているせいで思ったことを全て口に出している雪はメイドの顔など見ずに、フラフラと歩く。
「ユキ様、お部屋に着きましたよ。ベッドにお入りください。」
「メイドさん〜、今日すごくいいことがあったんですよ〜」
「まぁ、それは一体なんですか?」
「それはね〜ティルーナに一目惚れしちゃった〜あんな可愛い子今まで見たことないよ〜物凄くタイプだった!その事がいいことだよ〜」
「あらあらまあまあ」
聖母のような優しい笑顔で雪を見る。優しく雪をベットの中に入れ布団を掛け寝かしつけた。
「おやすみなさいませ、ユキ様」
そう言うと静かに部屋を出るメイド。雪はベッドに入るなりすぐに就寝していた。
「......。知らない天井だ...。」
とまぁ、テンプレのセリフを吐きつつ昨日のことをゆっくりと思い出す。
(そう言えば昨日、王様に酒を勧められたところから記憶が無い...。てかめちゃくちゃ頭痛い。何これ...辛い...。)
『マスター、昨日あれほど飲めば痛くもなります。その痛みを忘れないでお酒の摂取は程々にしてくださいね。』
「魔法でどうにかできないの?チノ?」
チノに猫なで声のように甘えながら雪は頼む。
『どうにかできるかできないか、で言えばできます。』
「じゃあ!おねが『ダメです。』い!
分かりました...。」
『この痛みを覚えてください。もう一度言いますが、これを教訓に程々にしてください。』
「ごめんね...。これから気をつける。」
『はい、そうしてください。』
チノに朝から怒られた雪は物凄く悲しい気分になっていた。頭は痛いし、怒られて気分は最悪。もう今日はどうでもいいやと思っていると
コンコン、ガチャ
扉の開く音が聞こえた。
「ユキ様、起きましたでしょうか?」
エリールが雪が起きているか確認しに来た。
「エリール!おはよう、昨日お風呂に入ってないんだけど今から入ることってできるかな?」
雪は朝からエリールに会い少しテンションが上がった。昨日、入浴することを忘れていた雪はエリールに今入浴できるか確認をした。
「はい、大丈夫でございますよ!今ご用意しますね!」
「うん、ありがとう。準備できたら呼んで!すぐ入りたいから!」
かしこまりました。とエリールが言って部屋を出ていった。
雪は風呂の準備が出来るまで今日の予定を確認する。
「そう言えば今日はギルドに行くって話をしたな。こんな気分の中行きたくないが俺から言ったことだ。行かないとな...」
憂鬱な気分の中また横になった。
「チノさんや、チノさんや〜」
『はい、なんでしょう?』
「昨日オーク結構狩ったけどどれくらいレベル上がったかな?」
『そうですね。47くらいまで上がっていますよ。良かったですねマスター。』
「おお〜!47って凄いよね?ね?」
『そうですね。一般的にはすごい方だと思います。ですが、マスターはレベル13の時から凄いですけどね。』
「まぁ、それを言ったら終わりじゃない?どんな感じに強くなったか確認しよう。ステータス」
【ステータス】
【名前】白銀 雪 【性別】男 【年齢】16
【称号】転移者 女好き メイド好き
【種族】人族
【レベル】47
【体力】23000/23000
【魔力】28000/28000
【攻撃】24000
【防御】23000
【知性】28000
【精神】22000
【俊敏】30000
【魔法】
光雷の魔法Lv.MAX
重力魔法Lv.8
創造魔法Lv.4
【スキル】
 鑑定極 隠蔽極 縮地 敵感知 気配遮断 
【ユニークスキル】
無限収納 言語理解 神剣術 能力値UP極
【究極スキル】
叡智之神 
【加護】
創造神フィーネの加護
「強いな!一気にステータス上がってる...。これだけステータス上がると感覚がついて行かないよね。ギルド依頼を受けてこの身体に慣れよう。
そして、この称号!!ふざけんな!女の子誰でも好きみたいな不名誉な称号!俺が好きなのはティルーナとエリールだ!...あともうひとりいるが...この3人だ!勘弁してくれ...。」
『マスター、レベルアップで新しく追加された2つのスキルを叡智之神に統合しますね。サポート系スキルは統合できますので任せてください。』
「ん、頼む。」
『はい』
ステータスの確認を一通り終えると
コンコンッと音が鳴った
扉が開かれるとエリールが居た。
「ユキ様、お風呂の準備が出来ました。」
「エリール、ありがとう。今すぐに入るよ。案内よろしくね。」
「はい、お任せ下さい!」
エリールに案内され、風呂場に案内された。
案内された浴室は超広かった。
(広!!これ日本だったらチェーン店並の広さだな。
露天風呂もあるのか。今回は普通に身体をあらって大浴場入って上がろう。)
一通り身体を洗い終えた雪は大浴場の広いお風呂に入った。
「あぁぁ〜〜、めちゃくちゃ気持ちいい〜。最高だな。」
『マスター、昨日来たばかりなのに忙しかったですもんね。ゆっくり疲れを取ってください。』
「それな、めちゃくちゃ頑張った気がする。これからも頑張ること多そうだし今のうちに疲れを取っておこう。」
『それが賢明です。』
チノと話をしながらお風呂を堪能した。
「エリール、ありがとう。めちゃくちゃ気持ちがよかったよ。昨日の疲れが吹き飛んだ気がする!」
「そうですか!それは良かったです。今から朝食の時間ですのでご案内しますね。」
「うん、よろしくね。」
昨日と同様の部屋に案内された雪は同じ席に着いた。
「ユキよ、おはよう。昨日は大丈夫だっか?」
「ん?大丈夫だったぞ?なんか俺変なことしたか?あとお風呂最高によかった。ありがとう。」
「風呂?あぁ、入ったのか。そうだろう?また入りにこい!
昨日だが、ユキは相当酒を飲んでいたからな。すごく酔っていたから大丈夫だったかと思って。」
「あぁ、昨日、酒を飲んでいるところまでは覚えているがあとはなんも覚えていないんだ。これから酒は程々にするよ。」
「うむ、それがいいだろう。早い内にそういうのを覚えておくのはいい事だ。」
「それよりも王様よ、俺は王様って呼ぶのが嫌になってきたんだが他にいい呼び方はないのか?」
「まぁ、我とユキだけしかいない時は好きに呼んでくれて構わん。
さすがにほかの貴族がいるところではちゃんと言って欲しいがな。」
「うん、そこは努力する。任せてくれ。」
「頼んだぞ。」
グレイグと話をしていると扉が開いた。
ミリア、クレア、クリス、ティルーナが入ってきた。
「あら、おはようございます。ユキさん」
とミリアさんが言う、それに続いてほかの3人も挨拶をした。
「あ、おはようございます。昨日はお騒がせして申し訳ないです。」
「いえいえ、いいのですよ。ユキさんあなたがすごく楽しそうに食事をしてくれて見ているこっちも楽しくなりましたし大丈夫ですよ。」
優しい微笑みで言うミリアさん。
(この人の微笑みは女神にも劣らないな)
「ティルーナおはよう、俺は昨日、ティルーナに迷惑をかけてはいなかったかな?」
「ユキ様おはようございます。迷惑なんてかけていませんよ!お母様の言う通りユキ様が楽しく過ごしていてくれて良かったです。」
笑顔でそう言ったティルーナ。
その顔で雪の体調はすこぶる調子がよくなったのは言うまでもない。
そんな朝の挨拶を終えると、メイドたちが朝食を運んできていた。
昨日は肉がメインの料理だったが朝はそれはもう前世と変わりのないメニューだった。
パンにベーコンエッグ、色々な野菜が入ったサラダ、デザートに果実類。飲み物はミルクだ。
味は前世と変わらない味だった。
(うん、この朝食を朝から食べれるのはいいな。日本での生活を思い出す。それとこのレベルのメニューは王族だけが食べることが可能なのかそれとも平民は無理なのかとかを調べる必要もあるな。日本にいたから食に関してはこだわりたいところだな。)
雪は朝食を食べながら考えていると、
「ユキよ、今日は何をする予定なんだ?」
「あぁ、今日は昨日のオークの件でギルドに呼ばれてるな。なにやら強さのレベルがCランク上位クラスだとか言われて今日ギルマスに会う予定なんだ。」
「ほー!それはいい事だな!ユキの強さがFランクなわけが無いしな。」
「まぁ、Cランクには上がるだろうな。でも俺はそこで満足はしないぞ。」
「ユキの目標はなんだ?」
「あぁ、目先の目標はさっさとSランク以上になる事だ。」
「なっ!?Sランクだと!?ユキ、お前Sランクにいけるのか?」
「正直、本気出せばSランクなんて余裕でいく。だが、上位の依頼を片っ端から達成して他の奴らから目をつけられるのが嫌だ。
だからとりあえずAまでいく。Aくらいなら目をつけられることもあまり多くないだろう。」
「ユキよ、なかなかに化物だな。それが本当ならSランクもすぐいけるだろう。
Sランクは本当に強者の世界だ。頑張るんだぞユキ!」
「あぁ、グレイグ任せろ。直ぐに俺がこの国への貢献で開かれる謁見をさせてやる。」
「期待しておるぞ。
あと、それと3週間後くらいに今回の件での報酬を払う。日が近くなったら使いのものを送る。そこでまた話を聞いてくれ。」
「ああ、分かった。」
「ユキさん、あまり無理はしないでくださいね?」
「ユキくん、僕も母上と同じ気持ちだ。あまり無理をしないでくれよ?」
「ユキ、私からも言っておきますね。体調と魔物からは気をつけてくださいね。」
「ユキ様!無理はなさらないでくださいね!何かあったら私は...。気をつけてくださいね!!」
ミリア、クリス、クレア、ティルーナの順で心配してくれた。本当にこの人たちは優しい。
「皆さん、ありがとうございます。流石にずっと依頼を受けません。今回の件でお金もあるのでゆったりまったりする予定です。」
それを言うとみんな笑っていた。
暖かいこの感じ、小さい頃を思い出す。家族の良さがビシビシ伝わってきて気持ちが優しくなる。
「ティルーナもありがとう。心配してくれて」
ティルーナに向けて笑顔で言った。ティルーナは顔が赤くなって下を向いて頷いていた。
(あぁ、本当に可愛い。ティルーナが困っていたら全力で助けよう。)
その思いを固く決意した。
王様に言われてこの国のお酒を堪能した。
未成年だからと断ろうとしたがこの世界の成人は15歳らしいので断るに断れなかった。
まだ前世のことを喋る訳にはいかないので仕方なくお酒をいただいたのだ。
お酒の味は驚くほど飲みやすくすごく美味しかった。赤ワインがメインだったから辛いものから甘いものまでなんでも美味しかった。
ここまでいえばある程度の人は分かっているだろう。そう、雪は今もの凄く酔っている状態だった。
「あはは、メイドさ〜ん、俺は今すごく楽しいです〜〜!」
「ユキ様、ちゃんとお歩き下さい。転んで怪我してしまいますよ。」
「えへへ〜、メイドさん可愛いですね!その迷惑そうな顔もすごく可愛い」
酔っているせいで思ったことを全て口に出している雪はメイドの顔など見ずに、フラフラと歩く。
「ユキ様、お部屋に着きましたよ。ベッドにお入りください。」
「メイドさん〜、今日すごくいいことがあったんですよ〜」
「まぁ、それは一体なんですか?」
「それはね〜ティルーナに一目惚れしちゃった〜あんな可愛い子今まで見たことないよ〜物凄くタイプだった!その事がいいことだよ〜」
「あらあらまあまあ」
聖母のような優しい笑顔で雪を見る。優しく雪をベットの中に入れ布団を掛け寝かしつけた。
「おやすみなさいませ、ユキ様」
そう言うと静かに部屋を出るメイド。雪はベッドに入るなりすぐに就寝していた。
「......。知らない天井だ...。」
とまぁ、テンプレのセリフを吐きつつ昨日のことをゆっくりと思い出す。
(そう言えば昨日、王様に酒を勧められたところから記憶が無い...。てかめちゃくちゃ頭痛い。何これ...辛い...。)
『マスター、昨日あれほど飲めば痛くもなります。その痛みを忘れないでお酒の摂取は程々にしてくださいね。』
「魔法でどうにかできないの?チノ?」
チノに猫なで声のように甘えながら雪は頼む。
『どうにかできるかできないか、で言えばできます。』
「じゃあ!おねが『ダメです。』い!
分かりました...。」
『この痛みを覚えてください。もう一度言いますが、これを教訓に程々にしてください。』
「ごめんね...。これから気をつける。」
『はい、そうしてください。』
チノに朝から怒られた雪は物凄く悲しい気分になっていた。頭は痛いし、怒られて気分は最悪。もう今日はどうでもいいやと思っていると
コンコン、ガチャ
扉の開く音が聞こえた。
「ユキ様、起きましたでしょうか?」
エリールが雪が起きているか確認しに来た。
「エリール!おはよう、昨日お風呂に入ってないんだけど今から入ることってできるかな?」
雪は朝からエリールに会い少しテンションが上がった。昨日、入浴することを忘れていた雪はエリールに今入浴できるか確認をした。
「はい、大丈夫でございますよ!今ご用意しますね!」
「うん、ありがとう。準備できたら呼んで!すぐ入りたいから!」
かしこまりました。とエリールが言って部屋を出ていった。
雪は風呂の準備が出来るまで今日の予定を確認する。
「そう言えば今日はギルドに行くって話をしたな。こんな気分の中行きたくないが俺から言ったことだ。行かないとな...」
憂鬱な気分の中また横になった。
「チノさんや、チノさんや〜」
『はい、なんでしょう?』
「昨日オーク結構狩ったけどどれくらいレベル上がったかな?」
『そうですね。47くらいまで上がっていますよ。良かったですねマスター。』
「おお〜!47って凄いよね?ね?」
『そうですね。一般的にはすごい方だと思います。ですが、マスターはレベル13の時から凄いですけどね。』
「まぁ、それを言ったら終わりじゃない?どんな感じに強くなったか確認しよう。ステータス」
【ステータス】
【名前】白銀 雪 【性別】男 【年齢】16
【称号】転移者 女好き メイド好き
【種族】人族
【レベル】47
【体力】23000/23000
【魔力】28000/28000
【攻撃】24000
【防御】23000
【知性】28000
【精神】22000
【俊敏】30000
【魔法】
光雷の魔法Lv.MAX
重力魔法Lv.8
創造魔法Lv.4
【スキル】
 鑑定極 隠蔽極 縮地 敵感知 気配遮断 
【ユニークスキル】
無限収納 言語理解 神剣術 能力値UP極
【究極スキル】
叡智之神 
【加護】
創造神フィーネの加護
「強いな!一気にステータス上がってる...。これだけステータス上がると感覚がついて行かないよね。ギルド依頼を受けてこの身体に慣れよう。
そして、この称号!!ふざけんな!女の子誰でも好きみたいな不名誉な称号!俺が好きなのはティルーナとエリールだ!...あともうひとりいるが...この3人だ!勘弁してくれ...。」
『マスター、レベルアップで新しく追加された2つのスキルを叡智之神に統合しますね。サポート系スキルは統合できますので任せてください。』
「ん、頼む。」
『はい』
ステータスの確認を一通り終えると
コンコンッと音が鳴った
扉が開かれるとエリールが居た。
「ユキ様、お風呂の準備が出来ました。」
「エリール、ありがとう。今すぐに入るよ。案内よろしくね。」
「はい、お任せ下さい!」
エリールに案内され、風呂場に案内された。
案内された浴室は超広かった。
(広!!これ日本だったらチェーン店並の広さだな。
露天風呂もあるのか。今回は普通に身体をあらって大浴場入って上がろう。)
一通り身体を洗い終えた雪は大浴場の広いお風呂に入った。
「あぁぁ〜〜、めちゃくちゃ気持ちいい〜。最高だな。」
『マスター、昨日来たばかりなのに忙しかったですもんね。ゆっくり疲れを取ってください。』
「それな、めちゃくちゃ頑張った気がする。これからも頑張ること多そうだし今のうちに疲れを取っておこう。」
『それが賢明です。』
チノと話をしながらお風呂を堪能した。
「エリール、ありがとう。めちゃくちゃ気持ちがよかったよ。昨日の疲れが吹き飛んだ気がする!」
「そうですか!それは良かったです。今から朝食の時間ですのでご案内しますね。」
「うん、よろしくね。」
昨日と同様の部屋に案内された雪は同じ席に着いた。
「ユキよ、おはよう。昨日は大丈夫だっか?」
「ん?大丈夫だったぞ?なんか俺変なことしたか?あとお風呂最高によかった。ありがとう。」
「風呂?あぁ、入ったのか。そうだろう?また入りにこい!
昨日だが、ユキは相当酒を飲んでいたからな。すごく酔っていたから大丈夫だったかと思って。」
「あぁ、昨日、酒を飲んでいるところまでは覚えているがあとはなんも覚えていないんだ。これから酒は程々にするよ。」
「うむ、それがいいだろう。早い内にそういうのを覚えておくのはいい事だ。」
「それよりも王様よ、俺は王様って呼ぶのが嫌になってきたんだが他にいい呼び方はないのか?」
「まぁ、我とユキだけしかいない時は好きに呼んでくれて構わん。
さすがにほかの貴族がいるところではちゃんと言って欲しいがな。」
「うん、そこは努力する。任せてくれ。」
「頼んだぞ。」
グレイグと話をしていると扉が開いた。
ミリア、クレア、クリス、ティルーナが入ってきた。
「あら、おはようございます。ユキさん」
とミリアさんが言う、それに続いてほかの3人も挨拶をした。
「あ、おはようございます。昨日はお騒がせして申し訳ないです。」
「いえいえ、いいのですよ。ユキさんあなたがすごく楽しそうに食事をしてくれて見ているこっちも楽しくなりましたし大丈夫ですよ。」
優しい微笑みで言うミリアさん。
(この人の微笑みは女神にも劣らないな)
「ティルーナおはよう、俺は昨日、ティルーナに迷惑をかけてはいなかったかな?」
「ユキ様おはようございます。迷惑なんてかけていませんよ!お母様の言う通りユキ様が楽しく過ごしていてくれて良かったです。」
笑顔でそう言ったティルーナ。
その顔で雪の体調はすこぶる調子がよくなったのは言うまでもない。
そんな朝の挨拶を終えると、メイドたちが朝食を運んできていた。
昨日は肉がメインの料理だったが朝はそれはもう前世と変わりのないメニューだった。
パンにベーコンエッグ、色々な野菜が入ったサラダ、デザートに果実類。飲み物はミルクだ。
味は前世と変わらない味だった。
(うん、この朝食を朝から食べれるのはいいな。日本での生活を思い出す。それとこのレベルのメニューは王族だけが食べることが可能なのかそれとも平民は無理なのかとかを調べる必要もあるな。日本にいたから食に関してはこだわりたいところだな。)
雪は朝食を食べながら考えていると、
「ユキよ、今日は何をする予定なんだ?」
「あぁ、今日は昨日のオークの件でギルドに呼ばれてるな。なにやら強さのレベルがCランク上位クラスだとか言われて今日ギルマスに会う予定なんだ。」
「ほー!それはいい事だな!ユキの強さがFランクなわけが無いしな。」
「まぁ、Cランクには上がるだろうな。でも俺はそこで満足はしないぞ。」
「ユキの目標はなんだ?」
「あぁ、目先の目標はさっさとSランク以上になる事だ。」
「なっ!?Sランクだと!?ユキ、お前Sランクにいけるのか?」
「正直、本気出せばSランクなんて余裕でいく。だが、上位の依頼を片っ端から達成して他の奴らから目をつけられるのが嫌だ。
だからとりあえずAまでいく。Aくらいなら目をつけられることもあまり多くないだろう。」
「ユキよ、なかなかに化物だな。それが本当ならSランクもすぐいけるだろう。
Sランクは本当に強者の世界だ。頑張るんだぞユキ!」
「あぁ、グレイグ任せろ。直ぐに俺がこの国への貢献で開かれる謁見をさせてやる。」
「期待しておるぞ。
あと、それと3週間後くらいに今回の件での報酬を払う。日が近くなったら使いのものを送る。そこでまた話を聞いてくれ。」
「ああ、分かった。」
「ユキさん、あまり無理はしないでくださいね?」
「ユキくん、僕も母上と同じ気持ちだ。あまり無理をしないでくれよ?」
「ユキ、私からも言っておきますね。体調と魔物からは気をつけてくださいね。」
「ユキ様!無理はなさらないでくださいね!何かあったら私は...。気をつけてくださいね!!」
ミリア、クリス、クレア、ティルーナの順で心配してくれた。本当にこの人たちは優しい。
「皆さん、ありがとうございます。流石にずっと依頼を受けません。今回の件でお金もあるのでゆったりまったりする予定です。」
それを言うとみんな笑っていた。
暖かいこの感じ、小さい頃を思い出す。家族の良さがビシビシ伝わってきて気持ちが優しくなる。
「ティルーナもありがとう。心配してくれて」
ティルーナに向けて笑顔で言った。ティルーナは顔が赤くなって下を向いて頷いていた。
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