冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
初めての帝都ラシーアの冒険者ギルド
僕たちは世界のためにと言われても困るが、大切な人は守りたい。
そんなことを念話で話していると、無事帝都に着きダイヤ伯爵のお陰で列に並ばずに門をくぐった。
帝都と言われるだけあって他の国の首都と同じくらいには発展している。
周りを見ると貴族と思われる人物が多くいる。
馬車の数、立派な服を着て護衛と思われる人物と歩いている姿が多い。
ダイヤ伯爵の護衛はここで終了だが、冒険者ギルドに依頼達成の報告にいかなければならない。
正直気が重い。
ダイヤ伯爵に居場所も知らせなければならないが、そこは冒険者ギルドに連絡をしてもらうことにする。
また会えると思っているのか、あっさりと別れた。
僕たちは先に宿屋わかばに入り部屋を押さえる。
そして冒険者ギルドに向かった。
道中はなかなか興味を引くお店もあり、オーノー商会も見えた。
久しぶりに本や魔道具を見て回るのもいいかもしれない。
冒険者ギルドに到着し、達成報告では何も起きなかった。受付の人は何かを言いたそうだったが、気づかないふりをした。
もう数日は冒険者ギルドに通ってダイヤ伯爵からの連絡を待つことになる。
そこで少し冒険者ギルドを眺める。
酒場で昼食を摂りながらみんなと話をしていると、僕たちに話しかけてくる者がいた。
「強そうだな! どうだ、一勝負しないか?」
珍しい、絡まれるより珍しい。
「どうだそこの獣人!」
ヤマトか・・・。まー一番強そうだが。
「俺とか? お前だと相手にならないな!」
そう目の前にいる三十歳位の人族の男に返事をする。
「は~!? お前は強そうだが、なにランクだよ!」
そう言われたヤマトは冒険者プレートを相手に見せる。
「おっ、意外に高ランクか、悪い悪い。一緒にいるやつらが若いから、少しみんなを鍛えてやるかと思ったんだ! 必要ないな!」
「俺よりみんな高ランクだぞ! 強いぜ!」
相手に悪気も感じないからか、ヤマトも素直に話している。
「もっとか?! は~、やるな。俺はハーブルと言うんだ。何かあったら声をかけてくれ! ここ帝都で長いこと冒険者をしているからな! お前たちの顔は見たことがないから、新人かとも思ったんだ! そんな軽装だろ。」
僕たちは冒険者らしくない格好をしていたんだった。
宿で着替え、革製の服を着ている。
見抜けない人には駆け出し装備に見えるかな?
「おっきい獣人は力がありそうだが、ちょっと気になったんだ。名前を聞いてもいいか?」
名前か・・・。
個人名なのかパーティー名なのか?
「俺はヤマトだ! このパーティーのリーダーは俺じゃあないから、パーティー名は俺からは教えられないな!」
「パーティー名があるなら気になるな! 高ランクだから、名前を聞いたこともあるかもな? 教えてくれないか?」
ん~、どうしよう・・・。
ここで名を明かさないのも不自然だし、覚悟を決めるか。
「どうもパーティーリーダーのラウールです。パーティー名を教えるのはいいけど、静かにしていられる?」
「おっ! やっぱり有名か!」
じゃあいきますか。
どんな風になるか。
「僕たちは【黒猫】です。」
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
「本当か?」
「本当です。」
・・・・
・・・・
「その女の人族、おまえ、いや君の・・・、あなたの肩に乗っている従魔・・・。本物か・・・。」
今日はクロウも普通にしているし見えているね。
僕の特徴を言わないし、僕以外の人が目立つんだね。
二つ名も出てこない、これは良い。
「今の僕たちは四人と一匹で【黒猫】だしね。悪い噂でもある?」
・・・
・・・
「そ、そんなことはないぞっ。お、俺が聞いた話では、黒猫は悪くないぞ。」
悪くないとは?
やっぱりあの事は知るものは知るんだね。
「僕たちは悪くない? 何が悪くないの?」
「ふー、戦争だ・・・。」
ハーブルは僕たちに説明してくれた。
【黒猫】が戦争で帝国人を数多く殺したことを、噂をつかむのが上手い冒険者は知っている。
それでも自分をはじめ多くの冒険者は、自己責任ととらえている。
しかし仲が良かった冒険者が死んだと聞き、怒る冒険者もいた。
その怒りを向ける先が同じ冒険者の【黒猫】に向くものは少ないがいる。
低ランク冒険者や、今だに貴族のお抱えの冒険者がそれに当たるそうだ。
「じゃあ、僕たちはやっぱり隠れて行動した方がいいの? 何か受付さんも言いたそうだったけど?」
「いや、おそらくギルドとしての方針を伝えた方が良いと思ったんじゃないか? 帝都だけあって優秀な職員だぞ。」
「へ~、じゃあ僕たちがおおっぴらに活動するのに賛成?」
・・・・
「賛成だ!」
その答えを聞いたクロウが珍しく会話に入ってきた。
「ラウール、そろそろハッキリさせよ。我敵を殲滅するから、ラウールたちは堂々と冒険者活動しよ!」
敵は殲滅・・・。
物騒だがクロウも思うところがあるのか?
成長したな。
「我ラウールたちが気を使いすぎてるの気づく。悪いのは我たちじゃない! 黒猫活動再開!」
声が大きくて、冒険者ギルドに響いた。
・・・・
・・・・
・・・・
「マジか! あの姿は本物か!」
「俺は荷物運び情報ギルドに行ってくる!」
「四人じゃなかったろ?」
「いや、私はデーブンさんに以前自慢されたわよ!今は更に強い味方がいるって!(野太い声)」
「あの女の子、噂通りだろ。」
「リーダーの姿はそこまで目立たないって!」
と僕の事を言う噂は薄いと思っていると、サクラの殺気が漏れた。
周りは静かになる。
・・・
・・・
なんとなく居心地が悪くなり、「黒猫は復活してます。」と受付に言って冒険者ギルドを出た。
突然だったがクロウのお陰で吹っ切れた。
サクラに殺気も慣れた。
これからは敵もハッキリして、活動がしやすくなったとクロウに感謝したラウールだった。
そんなことを念話で話していると、無事帝都に着きダイヤ伯爵のお陰で列に並ばずに門をくぐった。
帝都と言われるだけあって他の国の首都と同じくらいには発展している。
周りを見ると貴族と思われる人物が多くいる。
馬車の数、立派な服を着て護衛と思われる人物と歩いている姿が多い。
ダイヤ伯爵の護衛はここで終了だが、冒険者ギルドに依頼達成の報告にいかなければならない。
正直気が重い。
ダイヤ伯爵に居場所も知らせなければならないが、そこは冒険者ギルドに連絡をしてもらうことにする。
また会えると思っているのか、あっさりと別れた。
僕たちは先に宿屋わかばに入り部屋を押さえる。
そして冒険者ギルドに向かった。
道中はなかなか興味を引くお店もあり、オーノー商会も見えた。
久しぶりに本や魔道具を見て回るのもいいかもしれない。
冒険者ギルドに到着し、達成報告では何も起きなかった。受付の人は何かを言いたそうだったが、気づかないふりをした。
もう数日は冒険者ギルドに通ってダイヤ伯爵からの連絡を待つことになる。
そこで少し冒険者ギルドを眺める。
酒場で昼食を摂りながらみんなと話をしていると、僕たちに話しかけてくる者がいた。
「強そうだな! どうだ、一勝負しないか?」
珍しい、絡まれるより珍しい。
「どうだそこの獣人!」
ヤマトか・・・。まー一番強そうだが。
「俺とか? お前だと相手にならないな!」
そう目の前にいる三十歳位の人族の男に返事をする。
「は~!? お前は強そうだが、なにランクだよ!」
そう言われたヤマトは冒険者プレートを相手に見せる。
「おっ、意外に高ランクか、悪い悪い。一緒にいるやつらが若いから、少しみんなを鍛えてやるかと思ったんだ! 必要ないな!」
「俺よりみんな高ランクだぞ! 強いぜ!」
相手に悪気も感じないからか、ヤマトも素直に話している。
「もっとか?! は~、やるな。俺はハーブルと言うんだ。何かあったら声をかけてくれ! ここ帝都で長いこと冒険者をしているからな! お前たちの顔は見たことがないから、新人かとも思ったんだ! そんな軽装だろ。」
僕たちは冒険者らしくない格好をしていたんだった。
宿で着替え、革製の服を着ている。
見抜けない人には駆け出し装備に見えるかな?
「おっきい獣人は力がありそうだが、ちょっと気になったんだ。名前を聞いてもいいか?」
名前か・・・。
個人名なのかパーティー名なのか?
「俺はヤマトだ! このパーティーのリーダーは俺じゃあないから、パーティー名は俺からは教えられないな!」
「パーティー名があるなら気になるな! 高ランクだから、名前を聞いたこともあるかもな? 教えてくれないか?」
ん~、どうしよう・・・。
ここで名を明かさないのも不自然だし、覚悟を決めるか。
「どうもパーティーリーダーのラウールです。パーティー名を教えるのはいいけど、静かにしていられる?」
「おっ! やっぱり有名か!」
じゃあいきますか。
どんな風になるか。
「僕たちは【黒猫】です。」
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
「本当か?」
「本当です。」
・・・・
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「その女の人族、おまえ、いや君の・・・、あなたの肩に乗っている従魔・・・。本物か・・・。」
今日はクロウも普通にしているし見えているね。
僕の特徴を言わないし、僕以外の人が目立つんだね。
二つ名も出てこない、これは良い。
「今の僕たちは四人と一匹で【黒猫】だしね。悪い噂でもある?」
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「そ、そんなことはないぞっ。お、俺が聞いた話では、黒猫は悪くないぞ。」
悪くないとは?
やっぱりあの事は知るものは知るんだね。
「僕たちは悪くない? 何が悪くないの?」
「ふー、戦争だ・・・。」
ハーブルは僕たちに説明してくれた。
【黒猫】が戦争で帝国人を数多く殺したことを、噂をつかむのが上手い冒険者は知っている。
それでも自分をはじめ多くの冒険者は、自己責任ととらえている。
しかし仲が良かった冒険者が死んだと聞き、怒る冒険者もいた。
その怒りを向ける先が同じ冒険者の【黒猫】に向くものは少ないがいる。
低ランク冒険者や、今だに貴族のお抱えの冒険者がそれに当たるそうだ。
「じゃあ、僕たちはやっぱり隠れて行動した方がいいの? 何か受付さんも言いたそうだったけど?」
「いや、おそらくギルドとしての方針を伝えた方が良いと思ったんじゃないか? 帝都だけあって優秀な職員だぞ。」
「へ~、じゃあ僕たちがおおっぴらに活動するのに賛成?」
・・・・
「賛成だ!」
その答えを聞いたクロウが珍しく会話に入ってきた。
「ラウール、そろそろハッキリさせよ。我敵を殲滅するから、ラウールたちは堂々と冒険者活動しよ!」
敵は殲滅・・・。
物騒だがクロウも思うところがあるのか?
成長したな。
「我ラウールたちが気を使いすぎてるの気づく。悪いのは我たちじゃない! 黒猫活動再開!」
声が大きくて、冒険者ギルドに響いた。
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「リーダーの姿はそこまで目立たないって!」
と僕の事を言う噂は薄いと思っていると、サクラの殺気が漏れた。
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