冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
【黒猫】ばれる
冒険者ギルドで情報を集めた後は宿に戻ろうと外に出た。
するとそこにはブーグが待ち構えていた。
ブーグの後ろには鎧を着た、兵士?や冒険者らしき人物が並んでいた。
ブーグが出て行ってから三十分も経っていないのに、準備がいい。
実はブーグはやり手か?
そんなことはさておき、ブーグが不敵に笑い近づいてくる。
「おい、観念しな。そこのエルフは俺の仲間ではなく、ドーク・フロックリン様のものになるのだ。あの時おとなしくしていたらこんなことにはならなかったのにな。ドーク様に誠心誠意仕えるんだな。」
ドーク・フロックリン? この領都の貴族?
「ドーク様はこの都の顔だ! 逆らうとどうなるかわかってるだろ?」
全く分からない・・・。
この人の常識がみんなに当てはまると・・・。
「私たちはラシーア帝国の生まれではありませんし、この国の事をよく知りません。この前来たばかりですから。ですが、庶民を勝手に召し上げると?」
「そうだ。ドーク様が言うことが絶対だ。逆らうと不敬罪で打ち首だ。」
・・・ここまで貴族の権威が強いのか。
「どうする? 死ぬか? ついてくるか?」
「ついて行くわけがないですよ。私は私が信じる仲間と一緒に過ごしますから。」
ソフィアがそう返事をすると、ブークとブークの後ろにいた人たちが一斉に殺気を放ち攻撃の姿勢になった。
それを感じた僕達も対応するために殺気を飛ばした。
おそらくそれだけでも逆らったととらえると思うが止まらない・・・。
・・・・
・・・・
僕たちの殺気で誰も動けない。
まだ本気の殺気ではないが、Sランクはないと動けないだろう。
・・・・
・・・・
「どうしますか? 僕たちは敵対する人には手加減しません。何も悪いことをしていないのにこの状態だから。悪いことをしていたら罰は覚悟しますが、僕たちが悪かったことは?」
・・・・
・・・・
「返事は? 返事がなければ僕たちに罪がないととらえますが?」
・・・・
・・・・
「殺気を抑えてくれ・・・。」
後ろからそんな声がした。
ずっと感じていた気配がようやく動いた。
バイス、冒険者ギルドでブークを止めた冒険者だ。
「止めてもいいですけど、この後も理不尽なことがあると僕は怒りますよ?」
「わかっている・・・。俺の力にかけてそれは止める・・・。」
「俺の力? あなたにそんな力があるのですか?」
「一応な・・・。俺はオークが出たと聞いて一度戻ってきた・・・。この領都出身のSランク・・・、冒険者だ・・。それなりに力はある・・・。」
Sランクね~。
それなりに強いとは思ったけど、Sランクか。
世界に百人程度だから、ここであっても不思議ではないが・・・。
「その圧倒的な圧力は・・・、この世界に・・、俺も動けないほどの圧力を与える・・・、そんな人物は・・・。」
「そんな大したものではありませんよ? 僕たちは商人ですから。」
その時プレッシャーを感じていた人すべてが心の中で叫んだ。
そんな商人がいるか! と。
「今は商人という事にしておこう・・・。それで、君たちは・・・、この、領都の危機を・・・、一緒に防いでくれるのかな?」
ここでその話題・・・。
ブーク? こいつがここにいなければ協力してもよかったが。
「それほどの実力・・・。どうにでも・・・、なるだろ・・・。」
話が進まないので一度殺気を抑える。
ただ、ブーク達には今より強い殺気をピンポイントで与えて。
「これで話しやすいだろ? バイスさん? どうしたいのこれ? 内緒で協力するつもりだったけど、こんな事があると、放置したくなるけど。」
・・・・
・・・・
「殺気を解いてくれてありがとう。ようやく普通に話せる。俺はバイス。バイスと呼んでくれ! 一応Sランクだが、お前たちにはかなわないな。君たちはあのあれだろ?
この国の事情は関係なく、俺は君たちに敵対したいとは思えない。あれはこの国が愚かだったから・・・。」
もう一度殺気を飛ばし、すぐに抑える。
「その話題はしないでくださいね~。僕たちの事がわかりそうな話は、僕達に敵対したととります。」
「すまない!」
「それでどう落とし前をつけてくれるのでしょうね? いくらSランク冒険者でも、貴族が言った事に正面から逆らえませんよね?」
・・・・
・・・・
「こいつ、ドークの兄貴に話を持っていく・・・。こいつの一番上の兄貴だ。このドークが騒ぎを起こすせいで兄貴はいつもしりぬぐいをしているんだ。ここでフロックリンの危機を拡大することになったドークを許さないだろう・・・。」
「この貴族はソフィアを狙ったんだよ? 仲間を狙われて、僕たちが黙っているとでも?」
・・・・
「そこは俺の顔に免じてとしか言えないが、どうにか許してもらえないだろうか? 必ず・・・、絶対に悪いようにはしない・・・。」
「その結果僕達を取り込もうとするのはなしだよ?」
「わかっている・・・。さすがにそこまで俺も、この馬鹿貴族の兄貴も愚かではない・・・。」
・・・・
「どうするサクラ? 全く声を出していないけど、思う所があるんでしょ?」
「・・・ソフィアを連れて行く? 私たちに危害を加える? なんとなくというか、私たちのパーティーの事を知っているんでしょ? それなら手加減しないよ?! なに?! そんなに私たちパーティーをばらばらにしたいの? 馬鹿なの! 私たちは死ぬまで一緒なんだよ! 途中で引き離す?! そんなことが許されると思ってるの? 私とラウールを引き離すの!? 死にたいの!? っていうか死ぬ・・・? 私たちの自由を侵すの? ラウール? やる???」
サクラが怒っている・・・。
「許してください・・・。あなたとラウール、従魔だけでも無理です・・。そこにもう二人あなたたちが信頼している人が加わっている・・・。俺は・・、私は敵対しません。この馬鹿ドークの兄貴にも言い聞かせます・・・。俺の幼馴染・・・。」
サクラの言葉を聞いたバイスの話し方がやばくなっている。
ついでに殺気を浴びせている人たちの顔色がそろそろやばいかな?
「そう言っているけどラウールは許す? ソフィアはどうする?」
「私はもう関わってこなければそれでいいですよ。」
「僕もこれ以上関わってこなければいいですよ。僕たちはソフィアの商人キャラバンの一員ですから。」
また心の中でみんなが突っ込んだ。
この殺気のどこが商人だと・・・。
「俺が言い聞かせる・・・、だから頼む・・・。」
最後はバイスの土下座になっていた。
Sランク冒険者を土下座させる商人・・・。
さっさと殺気を解いてこの場を離れることにした。
バイスには正体がばれていると思い、最後にもう一度殺気を飛ばしてからこの場を素早く立ち去った。
するとそこにはブーグが待ち構えていた。
ブーグの後ろには鎧を着た、兵士?や冒険者らしき人物が並んでいた。
ブーグが出て行ってから三十分も経っていないのに、準備がいい。
実はブーグはやり手か?
そんなことはさておき、ブーグが不敵に笑い近づいてくる。
「おい、観念しな。そこのエルフは俺の仲間ではなく、ドーク・フロックリン様のものになるのだ。あの時おとなしくしていたらこんなことにはならなかったのにな。ドーク様に誠心誠意仕えるんだな。」
ドーク・フロックリン? この領都の貴族?
「ドーク様はこの都の顔だ! 逆らうとどうなるかわかってるだろ?」
全く分からない・・・。
この人の常識がみんなに当てはまると・・・。
「私たちはラシーア帝国の生まれではありませんし、この国の事をよく知りません。この前来たばかりですから。ですが、庶民を勝手に召し上げると?」
「そうだ。ドーク様が言うことが絶対だ。逆らうと不敬罪で打ち首だ。」
・・・ここまで貴族の権威が強いのか。
「どうする? 死ぬか? ついてくるか?」
「ついて行くわけがないですよ。私は私が信じる仲間と一緒に過ごしますから。」
ソフィアがそう返事をすると、ブークとブークの後ろにいた人たちが一斉に殺気を放ち攻撃の姿勢になった。
それを感じた僕達も対応するために殺気を飛ばした。
おそらくそれだけでも逆らったととらえると思うが止まらない・・・。
・・・・
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僕たちの殺気で誰も動けない。
まだ本気の殺気ではないが、Sランクはないと動けないだろう。
・・・・
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「どうしますか? 僕たちは敵対する人には手加減しません。何も悪いことをしていないのにこの状態だから。悪いことをしていたら罰は覚悟しますが、僕たちが悪かったことは?」
・・・・
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「返事は? 返事がなければ僕たちに罪がないととらえますが?」
・・・・
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「殺気を抑えてくれ・・・。」
後ろからそんな声がした。
ずっと感じていた気配がようやく動いた。
バイス、冒険者ギルドでブークを止めた冒険者だ。
「止めてもいいですけど、この後も理不尽なことがあると僕は怒りますよ?」
「わかっている・・・。俺の力にかけてそれは止める・・・。」
「俺の力? あなたにそんな力があるのですか?」
「一応な・・・。俺はオークが出たと聞いて一度戻ってきた・・・。この領都出身のSランク・・・、冒険者だ・・。それなりに力はある・・・。」
Sランクね~。
それなりに強いとは思ったけど、Sランクか。
世界に百人程度だから、ここであっても不思議ではないが・・・。
「その圧倒的な圧力は・・・、この世界に・・、俺も動けないほどの圧力を与える・・・、そんな人物は・・・。」
「そんな大したものではありませんよ? 僕たちは商人ですから。」
その時プレッシャーを感じていた人すべてが心の中で叫んだ。
そんな商人がいるか! と。
「今は商人という事にしておこう・・・。それで、君たちは・・・、この、領都の危機を・・・、一緒に防いでくれるのかな?」
ここでその話題・・・。
ブーク? こいつがここにいなければ協力してもよかったが。
「それほどの実力・・・。どうにでも・・・、なるだろ・・・。」
話が進まないので一度殺気を抑える。
ただ、ブーク達には今より強い殺気をピンポイントで与えて。
「これで話しやすいだろ? バイスさん? どうしたいのこれ? 内緒で協力するつもりだったけど、こんな事があると、放置したくなるけど。」
・・・・
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「殺気を解いてくれてありがとう。ようやく普通に話せる。俺はバイス。バイスと呼んでくれ! 一応Sランクだが、お前たちにはかなわないな。君たちはあのあれだろ?
この国の事情は関係なく、俺は君たちに敵対したいとは思えない。あれはこの国が愚かだったから・・・。」
もう一度殺気を飛ばし、すぐに抑える。
「その話題はしないでくださいね~。僕たちの事がわかりそうな話は、僕達に敵対したととります。」
「すまない!」
「それでどう落とし前をつけてくれるのでしょうね? いくらSランク冒険者でも、貴族が言った事に正面から逆らえませんよね?」
・・・・
・・・・
「こいつ、ドークの兄貴に話を持っていく・・・。こいつの一番上の兄貴だ。このドークが騒ぎを起こすせいで兄貴はいつもしりぬぐいをしているんだ。ここでフロックリンの危機を拡大することになったドークを許さないだろう・・・。」
「この貴族はソフィアを狙ったんだよ? 仲間を狙われて、僕たちが黙っているとでも?」
・・・・
「そこは俺の顔に免じてとしか言えないが、どうにか許してもらえないだろうか? 必ず・・・、絶対に悪いようにはしない・・・。」
「その結果僕達を取り込もうとするのはなしだよ?」
「わかっている・・・。さすがにそこまで俺も、この馬鹿貴族の兄貴も愚かではない・・・。」
・・・・
「どうするサクラ? 全く声を出していないけど、思う所があるんでしょ?」
「・・・ソフィアを連れて行く? 私たちに危害を加える? なんとなくというか、私たちのパーティーの事を知っているんでしょ? それなら手加減しないよ?! なに?! そんなに私たちパーティーをばらばらにしたいの? 馬鹿なの! 私たちは死ぬまで一緒なんだよ! 途中で引き離す?! そんなことが許されると思ってるの? 私とラウールを引き離すの!? 死にたいの!? っていうか死ぬ・・・? 私たちの自由を侵すの? ラウール? やる???」
サクラが怒っている・・・。
「許してください・・・。あなたとラウール、従魔だけでも無理です・・。そこにもう二人あなたたちが信頼している人が加わっている・・・。俺は・・、私は敵対しません。この馬鹿ドークの兄貴にも言い聞かせます・・・。俺の幼馴染・・・。」
サクラの言葉を聞いたバイスの話し方がやばくなっている。
ついでに殺気を浴びせている人たちの顔色がそろそろやばいかな?
「そう言っているけどラウールは許す? ソフィアはどうする?」
「私はもう関わってこなければそれでいいですよ。」
「僕もこれ以上関わってこなければいいですよ。僕たちはソフィアの商人キャラバンの一員ですから。」
また心の中でみんなが突っ込んだ。
この殺気のどこが商人だと・・・。
「俺が言い聞かせる・・・、だから頼む・・・。」
最後はバイスの土下座になっていた。
Sランク冒険者を土下座させる商人・・・。
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