冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
ヤマトの冒険者登録
僕たちは両親と別れ、ニジュールヘ移動した。
街に入り、冒険者ギルドに向かう。
街の中では美しさでソフィアが目立ち、厳つさでもヤマトが目立っている。
結果的に僕とサクラ、クロウも目立つことになる。
何人かは、僕たちを見つけた後に走り出していた。
目立ちながらも冒険者ギルドに到着し、受け付けに進む。
さすがに順番を譲る冒険者はいなかったが、明らかに避けられている・・・。
「お久しぶりですシトカさん! 今日は冒険者活動の再開とパーティー登録、それと・・・、ヤマトの冒険者登録をお願いします!」
急に話しかけられたシトカは動きが止まっている。何度か目をパチパチさせ、ようやく口を開いた。
「お久しぶりですラウールさん。冒険者活動を再開とは?」
「一年ほど魔の森に籠っていたので、全く依頼を受けていなかったんですよ~。だけどそろそろ依頼を受けようかな~と思って。仲間も増えましたしね。」
「ま・・、魔の森ですか・・・。そこは籠る所でしょうか・・・。」
「まーまー、それは置いておいて、ヤマトの冒険者登録を頼むよ!」
「おう! 俺を冒険者に登録してくれ!」
シトカは目の前の獣人が登録するとは思っていなかったようで、また止まった。
・・・・
・・・・
「よう! ダメか!?」
「はっ! 申し訳ありません・・・。強そうな姿を見て、てっきり登録されているものと思っていました。」
「初めてだぞ! よろしくな!」
「よろしくお願いします。それではこちらに必要事項を記入してください。」
そう言うとシトカは登録用紙を出した。
その紙にヤマトが必要事項を記入し、シトカに渡した。
シトカはヤマトが書いた用紙を見て、僕に質問をしてきた。
僕は聞かれたままに答えた。
ヤマトの戦闘力は僕たちと同じくらいある。採取も上手い。罪のあるものを討伐することができる。人柄も僕が保証する。
その言葉を聞き、シトカは少し待っていて欲しいと告げ、奥の部屋に消えた。
少しの時間待っているとシトカが戻ってきて、ヤマトに告げた。
「ギルドマスターのウールに確認をとりました。Sランクのラウールさんが保証する人物であれば、Bランクで登録するようにとのことです。」
・・・・
「いきなりBランクになるんだ・・・。すごいねヤマト!」
「イヤイヤ、お前らが凄いからこそだろ!」
それを聞いていたシトカが口を挟んだ。
「二人ともですよ。強さが保証され、一緒にパーティーも組む。それだけでギルドは依頼を円滑に達成できる可能性が上がる。高ランクの依頼は、多くはないのですが、難しいので。ラウールさんたち【黒猫】には頑張って頂きたいとのことですよ。」
そうして無事にヤマトの冒険者登録を終えた。
ソフィアも冒険者活動を再開するためにプレートを見せると、またシトカが驚いていた。
僕たち【黒猫】も冒険者活動を再開し、ヤマトとソフィアをパーティーに加える手続きをする。
そしてしばらくはニジュールで活動することも伝えた。
「それではこれで手続きは終了です。【黒猫】の皆さんはこれからお時間はありますか?」
時間?
僕たちはすぐに何かをすると決めていなかったが、小声で話し合った。
誰も急ぐものはないという結果になり、シトカに返事をする。
「できましたら、ウールが話をしたいと申しています。別室に移動して頂けますか?」
これからの事も考え、ウールとは話をしておこうと、案内されるがまま移動した。
飲み物が出され、一息つくとドアがノックされた。
「今回はすまない。急な願いに答えてくれて感謝する。」
部屋に入るなりウールは頭を下げた。
そして、テーブルを挟んだ僕の目の前の椅子に座った。
「今回話したいことは内緒にしてもらいたいが良いか?」
どんな話かはわからないが、僕たちは誰かに何かを言う者がいないので同意する。
「ありがたい。これから話すことは、この国の機密にも関わる事だ。国からの依頼があり、信頼できる者にのみ話をしている。各国の冒険者ギルドも同様な動きをしている。」
・・・・
ウールはそこで一度飲み物をのみ、一呼吸おいてから話し始めた。
内容はある程度僕たちに有意義なものだった。
三ヶ月前に神託があり、魔王が出現することを国は知っている。
一ヶ月前に、正しい手順で勇者召喚を行った。
今現在は基礎訓練を終えた勇者が、騎士や高ランク冒険者と旅に出る準備をしている。
二~三年後に魔王が出現すると言われているため、少しでも早く勇者を強くしたいそうだ。
旅の途中で新たな情報を得られたらもうけものだし、魔王に変化する前に討伐することができたらな尚更良い。そんな考えもあるようだ。
今回の魔王は、魔物が進化するのか、魔王として初めから現れるのかはわかっていないので、被害をできる限り少なくしたい。
苦肉の策にも思えるが・・・。
召喚された勇者達は・・・、達と言われる人数だが、初めは混乱していたが、諦めなのか今は訓練に勤しんでいる。
金銭面では、各貴族が負担している。だが貴族の中には悪巧みをする者もいるため、勇者が取り込まれないように、できるだけ信頼できる冒険者に預けたいようだ。
もちろんファンフート・テザンも受け持っている勇者がおり、ダイチ達が先輩として、一つのグループを受け持つことが決定している。
出来れば依頼として引き受けて欲しいとウールに頭を下げられた。
勇者は特殊な能力があり、能力は上がりやすい。ただ、戦闘に向かないものもいる。
そこで依頼期間は勇者が独り立ちするまで。もしくは魔王を討伐するまでとなる。
勇者にかかる金銭的負担は貴族が負う。
旅の間の負担は、各ギルドに請求すると受けとることができる。
金銭負担は無制限ではない。
さて、ここまでの情報で、この依頼はどうしようかな。
街に入り、冒険者ギルドに向かう。
街の中では美しさでソフィアが目立ち、厳つさでもヤマトが目立っている。
結果的に僕とサクラ、クロウも目立つことになる。
何人かは、僕たちを見つけた後に走り出していた。
目立ちながらも冒険者ギルドに到着し、受け付けに進む。
さすがに順番を譲る冒険者はいなかったが、明らかに避けられている・・・。
「お久しぶりですシトカさん! 今日は冒険者活動の再開とパーティー登録、それと・・・、ヤマトの冒険者登録をお願いします!」
急に話しかけられたシトカは動きが止まっている。何度か目をパチパチさせ、ようやく口を開いた。
「お久しぶりですラウールさん。冒険者活動を再開とは?」
「一年ほど魔の森に籠っていたので、全く依頼を受けていなかったんですよ~。だけどそろそろ依頼を受けようかな~と思って。仲間も増えましたしね。」
「ま・・、魔の森ですか・・・。そこは籠る所でしょうか・・・。」
「まーまー、それは置いておいて、ヤマトの冒険者登録を頼むよ!」
「おう! 俺を冒険者に登録してくれ!」
シトカは目の前の獣人が登録するとは思っていなかったようで、また止まった。
・・・・
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「よう! ダメか!?」
「はっ! 申し訳ありません・・・。強そうな姿を見て、てっきり登録されているものと思っていました。」
「初めてだぞ! よろしくな!」
「よろしくお願いします。それではこちらに必要事項を記入してください。」
そう言うとシトカは登録用紙を出した。
その紙にヤマトが必要事項を記入し、シトカに渡した。
シトカはヤマトが書いた用紙を見て、僕に質問をしてきた。
僕は聞かれたままに答えた。
ヤマトの戦闘力は僕たちと同じくらいある。採取も上手い。罪のあるものを討伐することができる。人柄も僕が保証する。
その言葉を聞き、シトカは少し待っていて欲しいと告げ、奥の部屋に消えた。
少しの時間待っているとシトカが戻ってきて、ヤマトに告げた。
「ギルドマスターのウールに確認をとりました。Sランクのラウールさんが保証する人物であれば、Bランクで登録するようにとのことです。」
・・・・
「いきなりBランクになるんだ・・・。すごいねヤマト!」
「イヤイヤ、お前らが凄いからこそだろ!」
それを聞いていたシトカが口を挟んだ。
「二人ともですよ。強さが保証され、一緒にパーティーも組む。それだけでギルドは依頼を円滑に達成できる可能性が上がる。高ランクの依頼は、多くはないのですが、難しいので。ラウールさんたち【黒猫】には頑張って頂きたいとのことですよ。」
そうして無事にヤマトの冒険者登録を終えた。
ソフィアも冒険者活動を再開するためにプレートを見せると、またシトカが驚いていた。
僕たち【黒猫】も冒険者活動を再開し、ヤマトとソフィアをパーティーに加える手続きをする。
そしてしばらくはニジュールで活動することも伝えた。
「それではこれで手続きは終了です。【黒猫】の皆さんはこれからお時間はありますか?」
時間?
僕たちはすぐに何かをすると決めていなかったが、小声で話し合った。
誰も急ぐものはないという結果になり、シトカに返事をする。
「できましたら、ウールが話をしたいと申しています。別室に移動して頂けますか?」
これからの事も考え、ウールとは話をしておこうと、案内されるがまま移動した。
飲み物が出され、一息つくとドアがノックされた。
「今回はすまない。急な願いに答えてくれて感謝する。」
部屋に入るなりウールは頭を下げた。
そして、テーブルを挟んだ僕の目の前の椅子に座った。
「今回話したいことは内緒にしてもらいたいが良いか?」
どんな話かはわからないが、僕たちは誰かに何かを言う者がいないので同意する。
「ありがたい。これから話すことは、この国の機密にも関わる事だ。国からの依頼があり、信頼できる者にのみ話をしている。各国の冒険者ギルドも同様な動きをしている。」
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ウールはそこで一度飲み物をのみ、一呼吸おいてから話し始めた。
内容はある程度僕たちに有意義なものだった。
三ヶ月前に神託があり、魔王が出現することを国は知っている。
一ヶ月前に、正しい手順で勇者召喚を行った。
今現在は基礎訓練を終えた勇者が、騎士や高ランク冒険者と旅に出る準備をしている。
二~三年後に魔王が出現すると言われているため、少しでも早く勇者を強くしたいそうだ。
旅の途中で新たな情報を得られたらもうけものだし、魔王に変化する前に討伐することができたらな尚更良い。そんな考えもあるようだ。
今回の魔王は、魔物が進化するのか、魔王として初めから現れるのかはわかっていないので、被害をできる限り少なくしたい。
苦肉の策にも思えるが・・・。
召喚された勇者達は・・・、達と言われる人数だが、初めは混乱していたが、諦めなのか今は訓練に勤しんでいる。
金銭面では、各貴族が負担している。だが貴族の中には悪巧みをする者もいるため、勇者が取り込まれないように、できるだけ信頼できる冒険者に預けたいようだ。
もちろんファンフート・テザンも受け持っている勇者がおり、ダイチ達が先輩として、一つのグループを受け持つことが決定している。
出来れば依頼として引き受けて欲しいとウールに頭を下げられた。
勇者は特殊な能力があり、能力は上がりやすい。ただ、戦闘に向かないものもいる。
そこで依頼期間は勇者が独り立ちするまで。もしくは魔王を討伐するまでとなる。
勇者にかかる金銭的負担は貴族が負う。
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