冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
名前が気になる
クロースに伝言を残しても会えていなかったが、僕は今冒険者ギルドにいる。
チルミさんにクロースから伝言はないか聞いてみると、ちょうど街で旅の準備をしている昨日、冒険者ギルドに寄っていた。
そしてクロースは急ぎの用事が出来たと言って、僕に伝言を残していた。
『サラシトの街に向かう。頼む、サラシトの街まで来てくれ』
だそうだ。
急いで戻るほどの何かが起きているのか? 僕はサクラと相談し、サラシトの街に向かう事にした。
「チルミさん、またたまに来ますから、それまでに僕の噂をもっとましにしておいてくれない? Sランクになっていることも言っていいから。」
「いいのですか? 目立つのは嫌いなのでは?」
「そうだけど、ここからは目立つと思うしね。Sランクにもなったし、身を守る程度の強さもついたと思うから。」
「ラウールさんがいいのであれば、悪いうわさが出た時は訂正しておきますよ。Sランク冒険者は、冒険者ギルドに多大な貢献をしているランクですから。冒険者ギルドのためでもありますし。ただ、Sランクになってから闇に染まる者もいますので、ラウールさんはそうならないでくださいね? 見つけ次第降格処分は下されていますし。」
「わかりました。もし僕が悪い方向に行っているときは遠慮なく処分してください。」
「承りました。」
チルミさんが笑顔を向けてくれた。
「それと、ギルマスにもよろしく言っておいてください。なんだかんだと会えなかったので。」
「それも承りました。この国は首都です。王都とも言われます。今回のマスターは、重要な案件を抱えていたとだけラウールさんにも伝えておきます。」
「なんとなく察しました。それではまた逢う日まで!」
そう言って冒険者ギルドを後にした。
おそらく王家に関わる何かがあったんだな?
!!
もしかして、クロースの要件って・・・、王家絡み?
カーシンはいつも会いたいって言っていたみたいだから、前から会いたかっただけだろうけど・・・。
今回はタイミングよく、巻き込まれる?
~~~~~
ラウールとサクラは街の外に出た。
そして転移でスタスデの街の外まで移動した。
一度街の中に入り、移動馬車に乗り込んだ。
今回も護衛は既に決まっていたため、只の客として乗り込んだ。
スタスデの街から南西に向かって進んだ。
道中はやや魔物が強くなっているようだ。
オークやホブゴブリンが現れる。
沼地方向からはジャイアントトードも出現した。
ワイルドボアも突進してきて、一瞬慌てた。
そこは護衛の冒険者が頑張って防いでいた。
そんな道中も終わり、サラシトの街が見えてきた。
大きさはサーシンと同じくらいあるのではないかと言う規模だ。
門番に挨拶し、街に入った。
小さな町などを通り、10日ぶりの大きな街。
街並みを眺め、目的地を探している2人だった。
~~~~~
「サクラ、宿もいつものわかばに決めたし、冒険者ギルドに行ってしまう?まだお昼過ぎだし。」
2人は宿をとり街を歩いていた。何か目的があるわけではなかったので、適当に歩いている。
「そうね~? どうしよっかな? でも行ってしまおうか?」
「じゃあ、今回は、冒険者っぽい格好で入ってみる?」
「別に普段通りでいいんじゃない?」
「初めての冒険者ギルドで絡まれる確率は?」
「ん~、だいぶ!」
僕とサクラは相談した。しかし二人ともいい案が出てこない。どっちにしても絡まれる予感が・・・。だったら普段通りでいいのではないかと言うのが、サクラの意見だ。
あっ!武器以外で着こなしている装備は全て中級程度の装備だった・・・。
「普段着で行こっか? 武器だけ頑張ってもね・・・。」
「そうね、この街でいい防具を作ってくれるところはないかな? クロースに聞いてみる?」
「そうだね。僕たちに合った防具がそろそろほしいね。」
二人は冒険者ギルドの場所を聞き歩き出した。
そして冒険者ギルドを発見し、思い切ってドアを開けた。
ガチャ!
みんなの視線が・・・・、普通だ。
僕たちもそろそろ駆け出しを卒業した程度の見た目になったか?
先に進み、受付の前に並んだ。
「サクラ、普通だね。」
「そうね、誰も絡んでこないね。絡まれたいわけでないけど、新鮮。」
「あっ! 僕たちの番が来たよ。」
目の前の受付の人は普通に人族で、優しい雰囲気がある。
「初めまして! 本日はどのようなご用件ですか?」
そう受付の人は微笑んだ。
「初めまして。よくみんなの顔を覚えていますね? 僕はラウール、隣はサクラ。【黒猫】と言うパーティーを組んでいます。今日は伝言をお願いに来ました。」
「はい! 顔を覚えることが得意なんです。それでは伝言をお預かりする前に、冒険者プレートを拝見しても?」
ラウールとサクラは冒険者プレートを提示した。
「はっ! あの【黒猫】でしたか・・・。噂はこちらにも届いておりますよ。マスターも一度会ってみたいと言っていましたし。Sランク冒険者は、100人程度しか存在していませんので。EXに至っては、3人ですよ、過去も合わせて。」
初めて知った事実。けど、100人って多くないか?
EXに至っては3人? 過去も合わせて?
「今考えたことを当てて見せましょう。100人は決して多くはないですよ。この世の中で冒険者の数は膨大ですよ。このギルドですら何人が登録したと思っているんですか? その大勢の中の100人ですよ? 今までSランクに何人会っているかわかりませんが、みんなが凄い人ですよ。」
「・・・すごいですね?100人ではなくて、何で考えていることが?」
「勘です!」
「勘って・・・。ま~いいですけど、EXランクの人って?」
「EXランクの人は、過去にいた勇者が1人、賢者と呼ばれた人が1人。この2人はもうお亡くなりになっています。そして現在唯一のEXランクの人は・・・、現役です!」
そのままだ・・・。
現在唯一の後に・・・、現役って・・・?
「現役の人がいるんですね? その人のお名前を聞いても?」
「いいですけど、その前に伝言を聞きたいのですが・・・、って、伝言をお預かりしております。お聞きになりますか?」
「ちょっ! 聞きますけど、EXランク冒険者の名前も教えてくださいね・・・。それで誰から?」
「カーシン伯爵様とクロース様です!」
おーう、二人か・・・。
それでも聞かないといけないのだろうなとラウールは苦笑いした。
チルミさんにクロースから伝言はないか聞いてみると、ちょうど街で旅の準備をしている昨日、冒険者ギルドに寄っていた。
そしてクロースは急ぎの用事が出来たと言って、僕に伝言を残していた。
『サラシトの街に向かう。頼む、サラシトの街まで来てくれ』
だそうだ。
急いで戻るほどの何かが起きているのか? 僕はサクラと相談し、サラシトの街に向かう事にした。
「チルミさん、またたまに来ますから、それまでに僕の噂をもっとましにしておいてくれない? Sランクになっていることも言っていいから。」
「いいのですか? 目立つのは嫌いなのでは?」
「そうだけど、ここからは目立つと思うしね。Sランクにもなったし、身を守る程度の強さもついたと思うから。」
「ラウールさんがいいのであれば、悪いうわさが出た時は訂正しておきますよ。Sランク冒険者は、冒険者ギルドに多大な貢献をしているランクですから。冒険者ギルドのためでもありますし。ただ、Sランクになってから闇に染まる者もいますので、ラウールさんはそうならないでくださいね? 見つけ次第降格処分は下されていますし。」
「わかりました。もし僕が悪い方向に行っているときは遠慮なく処分してください。」
「承りました。」
チルミさんが笑顔を向けてくれた。
「それと、ギルマスにもよろしく言っておいてください。なんだかんだと会えなかったので。」
「それも承りました。この国は首都です。王都とも言われます。今回のマスターは、重要な案件を抱えていたとだけラウールさんにも伝えておきます。」
「なんとなく察しました。それではまた逢う日まで!」
そう言って冒険者ギルドを後にした。
おそらく王家に関わる何かがあったんだな?
!!
もしかして、クロースの要件って・・・、王家絡み?
カーシンはいつも会いたいって言っていたみたいだから、前から会いたかっただけだろうけど・・・。
今回はタイミングよく、巻き込まれる?
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ラウールとサクラは街の外に出た。
そして転移でスタスデの街の外まで移動した。
一度街の中に入り、移動馬車に乗り込んだ。
今回も護衛は既に決まっていたため、只の客として乗り込んだ。
スタスデの街から南西に向かって進んだ。
道中はやや魔物が強くなっているようだ。
オークやホブゴブリンが現れる。
沼地方向からはジャイアントトードも出現した。
ワイルドボアも突進してきて、一瞬慌てた。
そこは護衛の冒険者が頑張って防いでいた。
そんな道中も終わり、サラシトの街が見えてきた。
大きさはサーシンと同じくらいあるのではないかと言う規模だ。
門番に挨拶し、街に入った。
小さな町などを通り、10日ぶりの大きな街。
街並みを眺め、目的地を探している2人だった。
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「サクラ、宿もいつものわかばに決めたし、冒険者ギルドに行ってしまう?まだお昼過ぎだし。」
2人は宿をとり街を歩いていた。何か目的があるわけではなかったので、適当に歩いている。
「そうね~? どうしよっかな? でも行ってしまおうか?」
「じゃあ、今回は、冒険者っぽい格好で入ってみる?」
「別に普段通りでいいんじゃない?」
「初めての冒険者ギルドで絡まれる確率は?」
「ん~、だいぶ!」
僕とサクラは相談した。しかし二人ともいい案が出てこない。どっちにしても絡まれる予感が・・・。だったら普段通りでいいのではないかと言うのが、サクラの意見だ。
あっ!武器以外で着こなしている装備は全て中級程度の装備だった・・・。
「普段着で行こっか? 武器だけ頑張ってもね・・・。」
「そうね、この街でいい防具を作ってくれるところはないかな? クロースに聞いてみる?」
「そうだね。僕たちに合った防具がそろそろほしいね。」
二人は冒険者ギルドの場所を聞き歩き出した。
そして冒険者ギルドを発見し、思い切ってドアを開けた。
ガチャ!
みんなの視線が・・・・、普通だ。
僕たちもそろそろ駆け出しを卒業した程度の見た目になったか?
先に進み、受付の前に並んだ。
「サクラ、普通だね。」
「そうね、誰も絡んでこないね。絡まれたいわけでないけど、新鮮。」
「あっ! 僕たちの番が来たよ。」
目の前の受付の人は普通に人族で、優しい雰囲気がある。
「初めまして! 本日はどのようなご用件ですか?」
そう受付の人は微笑んだ。
「初めまして。よくみんなの顔を覚えていますね? 僕はラウール、隣はサクラ。【黒猫】と言うパーティーを組んでいます。今日は伝言をお願いに来ました。」
「はい! 顔を覚えることが得意なんです。それでは伝言をお預かりする前に、冒険者プレートを拝見しても?」
ラウールとサクラは冒険者プレートを提示した。
「はっ! あの【黒猫】でしたか・・・。噂はこちらにも届いておりますよ。マスターも一度会ってみたいと言っていましたし。Sランク冒険者は、100人程度しか存在していませんので。EXに至っては、3人ですよ、過去も合わせて。」
初めて知った事実。けど、100人って多くないか?
EXに至っては3人? 過去も合わせて?
「今考えたことを当てて見せましょう。100人は決して多くはないですよ。この世の中で冒険者の数は膨大ですよ。このギルドですら何人が登録したと思っているんですか? その大勢の中の100人ですよ? 今までSランクに何人会っているかわかりませんが、みんなが凄い人ですよ。」
「・・・すごいですね?100人ではなくて、何で考えていることが?」
「勘です!」
「勘って・・・。ま~いいですけど、EXランクの人って?」
「EXランクの人は、過去にいた勇者が1人、賢者と呼ばれた人が1人。この2人はもうお亡くなりになっています。そして現在唯一のEXランクの人は・・・、現役です!」
そのままだ・・・。
現在唯一の後に・・・、現役って・・・?
「現役の人がいるんですね? その人のお名前を聞いても?」
「いいですけど、その前に伝言を聞きたいのですが・・・、って、伝言をお預かりしております。お聞きになりますか?」
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