冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

続くのかダンジョンボス

Sランク冒険者の集団が入って行き、30分ほどで門を開けることが出来た。
Sランク冒険者たちの名前は、必要がある時に思い出そう、そう思いながら、ボスに向かって行った。
ボスは【ゴブリンロード】だった。
45回目のボス戦も勝った。そしていつも通り、宝箱はミスリル装備だった。


ボスを倒し、一度入り口まで転移陣で戻る。
するとそこにはまだSランク冒険者の集団がいた。
ダンジョンで会っているため、声をかけて、宝箱について聞いてみるた。
すると内緒だよと言って、ミスリルインゴットだったと教えてくれた。
ここで魔物の卵が出なくてセーフ!とラウールは心の中で叫んだ。


Sランク冒険者はこれで一度パーティーと個人に別れて行動するそうだ。
また次の月に集まる日を決めて。
それはそれで効率が良いと感じた。必ず人数に合わせた回数を1年で攻略し、魔物の卵であれば売る。必要な装備が出たら欲しい人がもらう。そして、インゴットも、何か装備品を作りたい人がもらう。
もっとレアな素材はあるようだが、このダンジョンのボスの素材と、ミスリルがあれば、Sランクに見合った装備が充実するという事だった。


~~~~~~~~


そこからまたラウールとサクラのボス討伐が始まった。




そして、宿屋に泊まった回数を数えて、ボス戦の数を数えなくなったころ、今まで出たことのないボスが現れた。
【グリフォン】が目の前にいた。


「サクラ! もしかしてパターンが変わった? 今回のボス戦は期待したい!」
そう言って月光を構えた。


「そうねラウール。私も付き合うって言ったけど、毎日毎日ボスボスの巣ボスって思って疲れてきちゃった。」
ちょっと後半は口が回らないほど早口になっていた。
御免ね付き合わせて。


「よし! 倒そうサクラ! これで決まりだ!」
何が決まりかはわからないが、ラウールは猛スピードでグリフォンに迫った。
そして、一気に目の前にジャンプすると、首を切りつけた。


コテン・・・。


一発で首を落としてしまった。
倒されたグリフォンは一瞬でラウールのアイテムボックスXにしまわれた。


そして目の前には宝箱・・・。
今度こそ・・・。
僕の幸運値91の力をここで見せて!!
そう願いながら、一気に宝箱を開けた。


そして、目の前には・・・。










【魔物の卵】
そうラウールの解析さんは解析した。


「うぉっしゃ~~~!!」
柄にもない言葉で自分の身長以上に跳躍し、万歳の格好をしている。


「やったよサクラ! これってパターンがあるのかな! もしかして、少ない数しか討伐していないから、あの冒険者たちはわからないだけかな!?」
着地したラウールはサクラに問いかけた。


「どうなんだろう? 今まで出てこなかったのもたまたまで、パターンはないかもしれないし。もう一回出るまでやる?」
ちょっとにやにやしながらサクラが聞いた。


「イエシバラクハエンリョシマス・・・。」


「何に入れたらいいかな?僕のアイテムボックスXだと入りそうだけど、時間停止だし・・・。ここまで来て卵の時間が止まって、孵化しなくなっても嫌だし・・・。かといって、そのまま持って歩くのも狙われそうだしな~。」
困った顔をして考えているラウール。
そこにサクラが何か思いついたように話しかけた。


「ラウール、昔私が使わせてもらった、マジックボックスはどう? あれなら、時間停止がなかったと思ったけど。生き物は試したことはないけど、どうだろう?」


ラウールは悩んだ。
悩んで悩んで悩んで。
サクラの意見もいいけど、もっと何かいい方法はないか?


・・・・・
・・・・・


「もしかして、そのまま転移陣でもどって、受付に戻った事だけ伝えて、物陰で転移しちゃう?転移陣が大丈夫なら、転移の魔法も大丈夫でしょ。そうすると、宿までの距離を歩いて見られることもないし。少しくらいの疑問があっても誤魔化せるんでない?」


「だったら、あの宿屋は防犯もいいし、転移陣で入り口に戻ったらすぐに転移して宿屋に魔物の卵を置いて、またすぐ同じところに転移してきたら?そうしたら、受付の人にも見られないし、移動の不自然さもないんでない?」


「そっか! その手があった! ダンジョンの中から外に転移できないけど、入り口の転移陣のところは大丈夫だものね。ただその一瞬を見られないようにしないとね。」


「だったら、外の時間で夜になってから出る? 夜なら人はいないでしょ。」


「そうだ! 夜はよほどのことがない限り冒険者はダンジョンの中も移動しないものね。外の時間の夜に怪我をすると、治療院も教会もすぐに対応してくれないしね。」


そこまで話を煮詰めたラウールとサクラは夜まで、ダンジョンの中にいることにした。幸いこのボス部屋にいても他の冒険者の邪魔にはならない。唯一攻略している冒険者たちはさっき出て行ったし。


2人はどんな魔物が出て来るか話をし、楽しみにしながら夜を待った。


そして夜になり、転移陣で入り口に戻った。


戻ったところで一瞬でラウールが消え、次の瞬間には戻ってきた。
「成功だよサクラ!」


魔物の卵は普通のバックには入らないので、以前手に入れた背負い籠に入れ、外からは見えないように一応準備していた。
その心配は不要だった。


受付の人も夜だが何も言わなかった。
宿に戻るときは大通りを移動し、物騒な道にはそれず移動した。
そして夜であっても快くおかみのフーリンが起きていて迎えてくれた。


~~~~~~~~


部屋に戻りラウールは思い出している。
魔物の卵には魔力を注ぐ。
魔物が孵化したら、なついてくれるか確認。
どんな魔物が出るのかはわからない。


なついてくれなかったらどうしよう?
せっかくの機会だ。絶対になつかせて見せる。


孵化しないとは考えもしないラウールだった。

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