冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

第一都市での情報収集

港からは徒歩でもすぐにつく距離に第一都市があった。
交易都市サザは都市と港がすぐの距離にある。そして、第一都市の西周りに第十二都市から数字が小さくなり、東周りに第二都市から数字が大きくなる。隣接する所までは、大きな街道が整備され、中心は首都機能を持つ、第十三都市までそれぞれの都市から大きな街道が整備されている。
外に大きな都市、中に小さな町や村、中心に首都といった形だ。


ラウールとサクラは街に入り、宿をとった。
そして宿で、冒険者ギルドの場所を聞き、冒険者ギルドに向かった。


都市と呼ばれるが、実際は街である。大きな街中は様々な店、露天、商品であふれ、世界中の品物が集まるようだ。都市によっても交易場所が違うため、特徴が出るようで、第一都市はテザン皇国から運ばれる品物が多い。


街を見ながら、冒険者ギルドに到着した。
冒険者ギルドでは絡まれることもなく、何でも相談受付に無事たどり着いた。


ラウールは目の前の老齢の女性に従魔について聞くことにした。


「従魔はどういう方法で手に入れることが出来ますか?」


目の前の老齢の女性はラウールを見て、値踏みをするようにしていたが口を開いた。
「従魔は、自然で手に入れる以外は、卵を手に入れることから始まります。卵を手に入れたら、自分の魔力を注ぎます。そして、うまく魔力を注げた場合、魔物が生まれます。その魔物になつかれたら、従魔になります。」


「卵はどこで手に入りますか?」


「卵はダンジョンで稀に手に入ります。その他は、売り出されている卵を買うしか方法はありません。大体はオークションに出品されます。稀に直接店で売っている場合があります。いずれも高価なので、ほどほどの稼ぎしかない冒険者は手に入れることはできません。」


「そうなのですね・・・。ちなみに、買うとしたらどれくらいになりますか?」


「貴重な薬の材料になりますので、大きな家が一軒建つ程度は最低かかります。卵1つで、かなりの数の薬の材料になりますから。」


「ん~じゃあ大体の卵は、オークションで、薬関係の人が落札するんですか?」


「薬関係が何かはわかりませんが、商人ギルドが大体は落札します。後は他の国の貴族や、この都市国家の有力者が落札することもあります。」


「それでは、ほぼオークションは無理と考えたほうが良いですか?」


「そうですね。冒険者であっても、ギルドや貴族の家の予算に競り勝つのは大変だと思いますよ。」


「では、どこのダンジョンで手に入りますか?」


「第三都市の中にあるダンジョンで稀に手に入ります。ただ、低階層はある程度のランクでもなんとかなりますが、上の方は、高ランク冒険者でなければ無理だと言われています。更に50階が最終階ですが、ボスが強いようで、一獲千金を狙うにも、Sランク以上のパーティーや、複数人集まったSランク冒険者でなければ倒せないようです。さらにさらに、魔物の卵はまれにしか出ませんので、割に合うかはわかりませんよ。」


そこまで聞いたラウールは、お礼を言ってサクラと共に、ギルド内の酒場にいった。
酒場で間食をとりながら、サクラと今後のことを相談した。


「サクラ、まずは第三都市にに移動してもいいかな? それで、ダンジョンの情報を集めて、ダンジョン制覇をする。転移陣があったら、最短で繰り返しボスに挑んで、魔物の卵が出るまで挑んでもいいかな?」


「いいわよ。ただし、あまりにも魔物の卵が出ない時は、オークションも考える事。2人のお金を合わせたら、一つくらいは買えるんじゃない?」


「いいの? 2人のお金って?」


「いいわよ。その代わり、落札した場合は後でいっぱい依頼を受けて稼ぐこと。あと、死蔵している魔物の素材も売ってしまう事かな。」


「そんなことでいいならお願いします。もしなかなか手に入らない時はオークションで!」


2人はオークションまで視野に入れることにした。
それまでも、ダンジョンでは魔物の素材を無駄にせずに、全て回収することにして。


後は大鎌だが、武器は第一~三都市ではいい物はあまり流通していないようだ。
念のため街を見て歩いたが、一般的な剣や槍、杖などはいい物はあった。しかし、大鎌のような癖のある武器は売っていなかった。


夕方になり、2人は宿に戻った。
一晩休み、朝1番で移動馬車に乗り、第二都市に向けて移動を開始した。


第二都市までは、町を挟んで2日で着く距離にある。
道中も大きな道は魔物討伐依頼が出ているようで、魔物を見ることはなかった。
魔物は、道を大きく外に外れた場所に出るようで、時々ランクが高い魔物がでる。そう言った時は高ランク冒険者に討伐依頼が出るようだ。


そして無事に第二都市につき、一晩宿に泊まり、すぐ第三都市に向け出発した。


第三都市に向かう馬車で、Sランク冒険者に出会った。
今はソロで活動している冒険者で、名前をトムシーカと言い、今のラウールと同じくらいの175㎝くらいの身長で、細マッチョな体型だった。青い髪を肩まで無造作に伸ばしている。顔も目が鋭いがイケメンだろう。剣を腰に携えている。


この冒険者から、第三都市のダンジョンの情報を聞くことが出来た。

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