冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

外伝11 名も出てこぬSランク冒険者視点

ニジュールの危機だった。
ゴブリンの集団が拠点を持っていると言う情報を、冒険者ギルドから聞いた。


 我々は地道に依頼をこなし、才能も有り、強さも一流になった冒険者パーティーだった。
 今回討伐を持ち掛けられ、ニジュールのために真っ先に参戦することを決めた。


この二ジュールは我々がSランクに上がった、記念するべき街。
そのニジュールに危機が訪れている。


 作戦会議のため冒険者ギルドの一室に、高ランク冒険者が集まった。
ふむ、まだ若いが、実力は申し分なさそうな2人がいる。
 Sランク冒険者ともなれば、相手の実力もわからなければやってはいけない。


この2人は【黒猫】と言うようだ。
 男女の2人パーティー。
 若いが夫婦か恋人か?
そう考えていると作戦を読み上げられた。
 【黒猫】の2人が広範囲殲滅魔法を唱えて、雑魚を少しでも多く倒すと。
ふむ。やはり冒険者ギルドに信頼されているようだ。
お手並み拝見と行こうか。


2人が魔法を使うという事は、魔法使い2人組のパーティーだったか。
 我々はボスの討伐に集中しよう。


 作戦当日、ギルマスのいつものトーンの作戦開始の合図があり、気合が入った。


そして【黒猫】が詠唱を開始しした。
 出来る限り多くのゴブリンを倒せよ、と心の中で応援した。


 【黒猫】の詠唱は、
 『我はここに願う。あまねく大地の熱よ、我の元に集まれ。そして天空を支配する見えざる力よ、大地の熱を更なる境地に導き給え。熱は力、天空は支配、我はこの空間を支配し目の前の敵を殲滅することを願う・・・、シャイニングフレア!』


 聞いたことのない詠唱だ・・・。
 独自開発の詠唱か?


そして次の瞬間、我々は目の前の出来事が信じられなかった。


 一間で目の前の拠点が消滅した・・・。


 生き残っていたゴブリンが話した・・・。
おそらくゴブリンロード、Sランク・・・。


 早い!目で追うのがやっとだ!


・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・


次の瞬間には、ゴブリンロードの首が飛んでいた・・・。


あの女の子の大鎌が狩った?


 魔法使いの2人ではなかったのか?
あの男の子の動きもとらえられなかった・・・。


 我々はSランク冒険者パーティー・・・。
 名を・・・・・。

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