冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

外伝10 キソ・ポルフォ視点

キソはラウールに手紙を書いた。
そして明日からは遠征だ。
近くの森だけど、生徒はそう呼んでいる。
サワーに頼んだから、今頃は手紙が冒険者ギルドに届いているはず。
ラウールが遠征に同行する冒険者だったらいいな~。


~~~~~~~~


冒険者ギルドから戻ってきたサワーの口数が少ない・・・。
何を聞いても答えてくれない。


~~~~~~


遠征当日だ!
楽しみ~!


教室に入ると、連絡として今日の遠征は中止になったと言われた・・・、ナゼ?
授業開始の時間になると、教師が詳しい説明をしてくれた。
事前の打ち合わせに行った教師が、何かをしてしまって、冒険者ギルドから依頼を断られたと・・・。
何をしてるんですか!
生徒の楽しみを奪って!


それでも遠征は必要な行事なので、再度日程を調整してくれるそうだ。
ただ、冒険者ギルドは学園の依頼は今後受け付けないと説明された。
さらに、学園関係者にまで影響が及ぶようだ・・・。
そこは学園長が直々に冒険者ギルドに交渉することになっているから、できるだけ我々生徒には影響が及ばないようにお願いしてくれるそうだ。
そこまでの揉め事になるなんて、何をしてくれたんですか先生!


数日して、ラウールが会ってくれると返事があった。久しぶりに会えるから、場所がどこでも、ウキウキしていた。


冒険者ギルドに入ると、まわりの冒険者全員から視線を感じた。
ラウールと話していても冷たい、距離がある・・・。
ラウールの態度まで変わるなんて、どんなことがあったの?


落ち込んだまま冒険者ギルドを出て、サワーをもう一度問い詰めた。
すると、ウッド先生は冒険者を侮辱した。受付の人に暴力を奮おうとした。
幸いサワーが止めたため、怪我はなかったようだが、冒険者達の怒りは収まらないだろうと・・・。


そしておそらくラウールが来た方向から考えると、今回の依頼を一度は受けた冒険者なのだろうと。




実際に侮辱された中にラウールも・・・。


その後は学園長のお願いもあり、学園の生徒には影響を受けないように冒険者ギルドはしてくれた。
学園と、教師については観察期間として、学園の評判を今後注視してから処分を解くか決めるそうだ。


ラウールともう一度普通に話はできるのかな?
寂しさが込み上げるキソであった。


~~~~~~


そして数日後にラウールから謝罪の手紙が届いた。
あのときはどうにかしていたと・・・。
許してもらえるならまた前みたいに話したいと。


私は嬉しかった。この手紙には、自分勝手な人は嫌いと言ったけど、キソを嫌いなわけではないと。本当に反省していると。


ん~、どんな仕返しをしてみようか?
次に会うのが楽しみになったキソであった。

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