冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
ここでも貴族様?
【コボルトの森】を制覇したラウール達は冒険者ギルドに、回収した素材を提出し、依頼を終えた。もちろん着替えは済んでいる。
 「はい、依頼達成です。これでサクラさんはDランクです。おめでとうございます。」
サクラはランクアップすると思っていなかったから驚いていた。
 「おめでとうサクラ。次はCランクに上がるために、盗賊とか人相手にだね。・・・・あ~!あのダンジョンの人たちはダメかな?」
 「ダンジョンで何かあったんですか?」
 「え~と、追剥に合いまして、返り討ちにしました。」
・・・・・受付さんはため息をつき、これだとフクネさんも苦労しますねと考えた・・。
 「えーと、フクネ先輩から聞いてはいましたけど、先に言ってくださいそういう情報は・・。それで、どうしたんですか?その人たちは・・・。」
 「え~とですね、服を切り裂いて・・・、1人は手首を切り落として・・・、1人は足を切り落として放置してきました。」
 「・・・、何といえばいいのか・・・。だれか証明できる人はいますか?」
 眉間に指をあてている。
 「目が疲れましたか? え~と見ていた冒険者がいました。名前は聞きませんでしたけど、男性3人、女性1人のパーティーでした。」
 「そうですか・・・。後で見ていた人がいないかは探してみます。ただ、証拠がないと不利になることもありますから、早めに教えてくださいね?」
 「はい、わかりました! あと、後ろ盾がいると言っていましたよ。罪を犯して捕まっても何とかなる的な。」
デアエンさん、目の前の受付さんはまた眉間に指をあてた。
 「追加情報ですか・・・。わかりました。聞かれて正直に答えていますし、【黒猫】の御2人には罪はないでしょうが、4人パーティーを見つけることが出来たら聞いておきます。ラウールさんたちももし見かけたら、冒険者ギルドに行くように言ってくださいね。」
そう言われたその時、冒険者ギルドにその4人が入ってきた。ダンジョンで倒した男5人を連れて。
 「ちょうどいい!! さすがの幸運値!」
ラウールは今入ってきた冒険者たちに声をかけた。
そして、その冒険者と、5人の男は別室に連れて行かれ、ラウール達はギルドで待機となった。
 ~~~~~~~~
 「時間がかかってるね?」
ちょっと飽きてきたラウールは、目のまえで魔物図鑑を見ているサクラに声をかけた。
 「そうね。おそらくだけど、後ろ盾の事も聞いてるんでない?」
 「ん~、まずは僕たちの潔白だけは証明されて、早く帰りたいんだけどな~。そろそろ夕方だし。」
 「私も帰りたいけど、一応見られてるしね、他の受付さんに。」
そう言われ、ラウールも本の続きを読みだした。ラウールはこの国の規則が書かれている本を読んでいた。
 ~~~~~~~~
 「お待たせしました。【黒猫】さんは黒猫の格好をして撃退しただけで、無実が証明されました。」
 「とんだ不意打ちだよ。」
ラウールは肩を落とした。
 「それがあった・・。」
サクラは天を仰いだ。
 「あとは後ろ盾ですが、これはラウールさんたちにはお教えできません。しかし、冒険者ギルドがしっかりと調査することをお約束いたします。」
 「それはいいんですけど、僕たちに危険は?そして猫の格好は忘れてください。」
と頭を下げた。
 「今の時点で危害は加えられないでしょう。今何かすると、自分が関わっていると言っているようなものですから。そして忘れませんし、フクネさんにもお伝えします。」
そう受付スマイルが飛び出した。
ラウールはあきらめた。
 「では実害がありそうなら教えてくださいね。」
そういって冒険者ギルドから出ようとドアの前に歩いて行った。
そしてラウールがドアに手をかけようとした瞬間、ドアが勢いよく開け放たれた。
 「おい! ここにドブンがいるだろ! あいつを渡すんだ! あと他にも4人いただろ、そいつらもだ!!この俺様の言う事が聞こえないのか!! 早くしろ!!」
そう、身なりのいい中年の小太りな男が怒鳴り始めた。
 「そこの女! 早くしろ!! 貴族である俺様が言っているんだからな!」
 段々と受付に近づきながら言い放っている。
 「これはこれはウオルフ・ゼンダー男爵。ドブンと言う男でしたら、これから憲兵に引き渡されますが?」
 受付の前に到達した男爵は、カウンターを叩き、
 「ならん!俺様の命令に従うんだ!!」
 「いたしかねます。犯罪については、貴族でおられても、介入することは認められておりません。」
 「だから今渡すんだ! まだ憲兵は来てないんだろ!」
 「無理でございます。」
 何度となく渡せ、無理を繰り返していると、憲兵が到着した。その憲兵にも渡せと言っていたが、「なにか後ろめたいことでも?一緒に行きますか?」と言われて、顔を真っ赤にして引き下がっていた。
そして次は誰が突き出したのか聞き始め、怪しさ満点の貴族だ。
しかし冒険者ギルドは中立な組織。貴族がごねただけでは名前を聞き出すことはできなかった。
しばらくして、大きな音を立てながら貴族は帰っていった。
 「できるだけ巻き込まれないように気を付けてくださいね?」
 「いやいや、そこは冒険者ギルドで守ってくださいね?」
 「これまでのいきさつを知っているのが、ギルドだけとは限りませんから?」
 「え~・・・・。」
できるだけ目立たないようにしよう。
 「はい、依頼達成です。これでサクラさんはDランクです。おめでとうございます。」
サクラはランクアップすると思っていなかったから驚いていた。
 「おめでとうサクラ。次はCランクに上がるために、盗賊とか人相手にだね。・・・・あ~!あのダンジョンの人たちはダメかな?」
 「ダンジョンで何かあったんですか?」
 「え~と、追剥に合いまして、返り討ちにしました。」
・・・・・受付さんはため息をつき、これだとフクネさんも苦労しますねと考えた・・。
 「えーと、フクネ先輩から聞いてはいましたけど、先に言ってくださいそういう情報は・・。それで、どうしたんですか?その人たちは・・・。」
 「え~とですね、服を切り裂いて・・・、1人は手首を切り落として・・・、1人は足を切り落として放置してきました。」
 「・・・、何といえばいいのか・・・。だれか証明できる人はいますか?」
 眉間に指をあてている。
 「目が疲れましたか? え~と見ていた冒険者がいました。名前は聞きませんでしたけど、男性3人、女性1人のパーティーでした。」
 「そうですか・・・。後で見ていた人がいないかは探してみます。ただ、証拠がないと不利になることもありますから、早めに教えてくださいね?」
 「はい、わかりました! あと、後ろ盾がいると言っていましたよ。罪を犯して捕まっても何とかなる的な。」
デアエンさん、目の前の受付さんはまた眉間に指をあてた。
 「追加情報ですか・・・。わかりました。聞かれて正直に答えていますし、【黒猫】の御2人には罪はないでしょうが、4人パーティーを見つけることが出来たら聞いておきます。ラウールさんたちももし見かけたら、冒険者ギルドに行くように言ってくださいね。」
そう言われたその時、冒険者ギルドにその4人が入ってきた。ダンジョンで倒した男5人を連れて。
 「ちょうどいい!! さすがの幸運値!」
ラウールは今入ってきた冒険者たちに声をかけた。
そして、その冒険者と、5人の男は別室に連れて行かれ、ラウール達はギルドで待機となった。
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 「時間がかかってるね?」
ちょっと飽きてきたラウールは、目のまえで魔物図鑑を見ているサクラに声をかけた。
 「そうね。おそらくだけど、後ろ盾の事も聞いてるんでない?」
 「ん~、まずは僕たちの潔白だけは証明されて、早く帰りたいんだけどな~。そろそろ夕方だし。」
 「私も帰りたいけど、一応見られてるしね、他の受付さんに。」
そう言われ、ラウールも本の続きを読みだした。ラウールはこの国の規則が書かれている本を読んでいた。
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 「お待たせしました。【黒猫】さんは黒猫の格好をして撃退しただけで、無実が証明されました。」
 「とんだ不意打ちだよ。」
ラウールは肩を落とした。
 「それがあった・・。」
サクラは天を仰いだ。
 「あとは後ろ盾ですが、これはラウールさんたちにはお教えできません。しかし、冒険者ギルドがしっかりと調査することをお約束いたします。」
 「それはいいんですけど、僕たちに危険は?そして猫の格好は忘れてください。」
と頭を下げた。
 「今の時点で危害は加えられないでしょう。今何かすると、自分が関わっていると言っているようなものですから。そして忘れませんし、フクネさんにもお伝えします。」
そう受付スマイルが飛び出した。
ラウールはあきらめた。
 「では実害がありそうなら教えてくださいね。」
そういって冒険者ギルドから出ようとドアの前に歩いて行った。
そしてラウールがドアに手をかけようとした瞬間、ドアが勢いよく開け放たれた。
 「おい! ここにドブンがいるだろ! あいつを渡すんだ! あと他にも4人いただろ、そいつらもだ!!この俺様の言う事が聞こえないのか!! 早くしろ!!」
そう、身なりのいい中年の小太りな男が怒鳴り始めた。
 「そこの女! 早くしろ!! 貴族である俺様が言っているんだからな!」
 段々と受付に近づきながら言い放っている。
 「これはこれはウオルフ・ゼンダー男爵。ドブンと言う男でしたら、これから憲兵に引き渡されますが?」
 受付の前に到達した男爵は、カウンターを叩き、
 「ならん!俺様の命令に従うんだ!!」
 「いたしかねます。犯罪については、貴族でおられても、介入することは認められておりません。」
 「だから今渡すんだ! まだ憲兵は来てないんだろ!」
 「無理でございます。」
 何度となく渡せ、無理を繰り返していると、憲兵が到着した。その憲兵にも渡せと言っていたが、「なにか後ろめたいことでも?一緒に行きますか?」と言われて、顔を真っ赤にして引き下がっていた。
そして次は誰が突き出したのか聞き始め、怪しさ満点の貴族だ。
しかし冒険者ギルドは中立な組織。貴族がごねただけでは名前を聞き出すことはできなかった。
しばらくして、大きな音を立てながら貴族は帰っていった。
 「できるだけ巻き込まれないように気を付けてくださいね?」
 「いやいや、そこは冒険者ギルドで守ってくださいね?」
 「これまでのいきさつを知っているのが、ギルドだけとは限りませんから?」
 「え~・・・・。」
できるだけ目立たないようにしよう。
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