冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
ラウールの生まれ変わり
「僕も転生者だ・・・。」
・・・・・・・・
 ・・・・・・・・
言ってしまった・・・。まだ誰にも言ったことのなかった秘密を・・・。
 返事を聞くのが怖いラウールは、サクラの返事を待たずに一気に話し出した。
 「僕も日本で生まれた。あの秋田県だ。
 特に代わり映えのない子供時代を過ごし、大学進学を考えていた時に、車の事故で両親が死んだ。何が起きたかわからなかったけど、1人になった。後で振り返ると進学もできたと思う。だけど僕は生きていくために、稼ぐために国家資格を取ろうと思った。どんな資格がいいか考えた時に、思い出した場面があった。事故後運ばれた病院でもう動かない両親に会った時、何が何だか分からなく涙も出なかった時、そばで寄り添ってくれたのが看護師さんだった。呆然とした僕を、今思えば忙しいときに時間をかけてケアしてくれたその姿にあこがれた。だから看護師になろうと考えて行動した。
そのあとは無事に看護師となり、1人ではあったけど、平和な毎日を送っていた。年齢を重ね、ベテランと呼ばれ始めてきたときに、両親が生きていたらなるであろう年齢の人を大切にしたいと考えて、施設に勤務場所を変えた。その間の事は割愛するけど、死んでしまった。」
 一息つき、
 「そして僕はこの世界に生まれ変わった。神様が、魔力がたまりすぎているこの世界の魔力を消費するため、僕にチートをつけてくれた。たぶんしばらくは同じことが起きないからと言うだけあって、破格なチートだと思う。強さは最強ではないけど、便利なスキルがたくさんある。」
そして、そのあとは生まれてからのことも話し出した。産まれてすぐに捨てられたことも・・・。
 ~~~~~~~~~~
その話を聞いたサクラも、しばらく無言だった。涙は止まり、僕の話を聞いて戸惑っているようだ。
それからしばらくお互い無言だったが、先にサクラが口を開いた。
 「ラウールは初めから私が転生者・・、転移者になるのかな?って気づいてたの?」
 「あれだけテンプレって言ってたらね。まー僕も初めは心の中でテンプレテンプレ言ってたけどね。」
 「・・・なんか、同郷の人に言われると恥ずかしいね・・・。けどそのおかげでラウールに見つけてもらえたからよかったのかな?」
 「結果的にね。でも危険だったと思うよ。そして、もう少しの間は警戒しないといけない。」
 「そうね、まだ国境も超えていないし、黒?も完全に信頼していいかわからないしね。」
 「黒もだけど、もう1つの追手も警戒しておかなければね。話の通りだとかなり安全。まったくうそをつかれていると、危険性が高いからね。」
 「そうね・・・。それでも2人なら何とかなる!お互いチートもあるし、この世界の知識は少ないかもしれないけど、人生経験は豊富な2人だしね。」
 「そうだね。僕もサクラも前世はうん十歳。僕なんて合わせたら、もうすごい年だしね・・・。」
 「・・・。もう年の話はやめよっか。お互い14歳でいきましょ!」
 「そうしよう。」
 「それでだけど、名前はどうする?お互い前世の名前は言ってないけど・・・。聞きたい?」
 「いや、僕たちはもうこの世界の住人なんだから、僕はラウール。君はサクラでいいじゃないか。わざわざ前のことをこれ以上引っ張らなくても。生まれ変わったんだから、君はサクラの人生を楽しむことにしたら。僕はラウールとして楽しんでいるよ。」
・・・・・・
「そうね。私はサクラ。これからの人生は以前とは違うもの・・・。」
 「そう、それでいいと思うよ。そしてサクラ、これは僕からのアドバイス?になるのかな?いくら前世の経験があっても、この世界では年齢に引っ張られるよ。僕なんて幼くなっているよ、気持ちも性格も。知識は持ったままだけどね。感情のコントロールが難しくなったよ。」
 「そうなの?けどそれっていいね!生まれ変わって気持ちも若くなって。これから楽しめそう!」
 「うんと楽しんだらいいよ。僕みたいに感情のまま、他の冒険者を威圧したり、魔法で殺そうとしないようにね?」
 「うん、それはない・・・。」
 最後の言葉はショックだったが、お互いの距離が近くなった気がする。僕もこの世界に来て初めて、前世の言葉や知識を気兼ねなく話せる相手を得ることが出来た。そしてこれからは自分が出来ないことも任せることができると考えている。この2人での旅は楽しくなる予感がしている。
 「サクラは、自分のスキルを知りたい?」
 「ん~、一応神様に聞いたものがついてると思うから、そんなに思わないかな?」
 「そう、じゃあ、僕のスキルを少しだけ教えておくからね。」
そういってラウールは、解析で相手のスキルや名前は魂に刻み込まれているからわかること。ステータスなどの数字は、自分のことはわかるけど、自分以外は数値化できない事。アイテムボックスXと言う便利な者があることを伝えた。解析は、人相手には無断で使わないことも付け加えて。
そして、盗賊退治の時に手に入れて、黒に渡した後返されたもの。マジックボックスをサクラに渡した。容量はわからないけど、かなりのものを入れることが出来るから便利だよ、と。
 初めサクラは断っていたが、ラウールには不要なものだと言い含め、強引に手渡した。
ラウールは、これで裏切られたら僕がお人よしだったとあきらめると考えていたが、サクラは裏切ることのない仲間だとも思っていた。以前より人を信じる気持ちが出てきていると感じた出来事だった。 
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言ってしまった・・・。まだ誰にも言ったことのなかった秘密を・・・。
 返事を聞くのが怖いラウールは、サクラの返事を待たずに一気に話し出した。
 「僕も日本で生まれた。あの秋田県だ。
 特に代わり映えのない子供時代を過ごし、大学進学を考えていた時に、車の事故で両親が死んだ。何が起きたかわからなかったけど、1人になった。後で振り返ると進学もできたと思う。だけど僕は生きていくために、稼ぐために国家資格を取ろうと思った。どんな資格がいいか考えた時に、思い出した場面があった。事故後運ばれた病院でもう動かない両親に会った時、何が何だか分からなく涙も出なかった時、そばで寄り添ってくれたのが看護師さんだった。呆然とした僕を、今思えば忙しいときに時間をかけてケアしてくれたその姿にあこがれた。だから看護師になろうと考えて行動した。
そのあとは無事に看護師となり、1人ではあったけど、平和な毎日を送っていた。年齢を重ね、ベテランと呼ばれ始めてきたときに、両親が生きていたらなるであろう年齢の人を大切にしたいと考えて、施設に勤務場所を変えた。その間の事は割愛するけど、死んでしまった。」
 一息つき、
 「そして僕はこの世界に生まれ変わった。神様が、魔力がたまりすぎているこの世界の魔力を消費するため、僕にチートをつけてくれた。たぶんしばらくは同じことが起きないからと言うだけあって、破格なチートだと思う。強さは最強ではないけど、便利なスキルがたくさんある。」
そして、そのあとは生まれてからのことも話し出した。産まれてすぐに捨てられたことも・・・。
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その話を聞いたサクラも、しばらく無言だった。涙は止まり、僕の話を聞いて戸惑っているようだ。
それからしばらくお互い無言だったが、先にサクラが口を開いた。
 「ラウールは初めから私が転生者・・、転移者になるのかな?って気づいてたの?」
 「あれだけテンプレって言ってたらね。まー僕も初めは心の中でテンプレテンプレ言ってたけどね。」
 「・・・なんか、同郷の人に言われると恥ずかしいね・・・。けどそのおかげでラウールに見つけてもらえたからよかったのかな?」
 「結果的にね。でも危険だったと思うよ。そして、もう少しの間は警戒しないといけない。」
 「そうね、まだ国境も超えていないし、黒?も完全に信頼していいかわからないしね。」
 「黒もだけど、もう1つの追手も警戒しておかなければね。話の通りだとかなり安全。まったくうそをつかれていると、危険性が高いからね。」
 「そうね・・・。それでも2人なら何とかなる!お互いチートもあるし、この世界の知識は少ないかもしれないけど、人生経験は豊富な2人だしね。」
 「そうだね。僕もサクラも前世はうん十歳。僕なんて合わせたら、もうすごい年だしね・・・。」
 「・・・。もう年の話はやめよっか。お互い14歳でいきましょ!」
 「そうしよう。」
 「それでだけど、名前はどうする?お互い前世の名前は言ってないけど・・・。聞きたい?」
 「いや、僕たちはもうこの世界の住人なんだから、僕はラウール。君はサクラでいいじゃないか。わざわざ前のことをこれ以上引っ張らなくても。生まれ変わったんだから、君はサクラの人生を楽しむことにしたら。僕はラウールとして楽しんでいるよ。」
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「そうね。私はサクラ。これからの人生は以前とは違うもの・・・。」
 「そう、それでいいと思うよ。そしてサクラ、これは僕からのアドバイス?になるのかな?いくら前世の経験があっても、この世界では年齢に引っ張られるよ。僕なんて幼くなっているよ、気持ちも性格も。知識は持ったままだけどね。感情のコントロールが難しくなったよ。」
 「そうなの?けどそれっていいね!生まれ変わって気持ちも若くなって。これから楽しめそう!」
 「うんと楽しんだらいいよ。僕みたいに感情のまま、他の冒険者を威圧したり、魔法で殺そうとしないようにね?」
 「うん、それはない・・・。」
 最後の言葉はショックだったが、お互いの距離が近くなった気がする。僕もこの世界に来て初めて、前世の言葉や知識を気兼ねなく話せる相手を得ることが出来た。そしてこれからは自分が出来ないことも任せることができると考えている。この2人での旅は楽しくなる予感がしている。
 「サクラは、自分のスキルを知りたい?」
 「ん~、一応神様に聞いたものがついてると思うから、そんなに思わないかな?」
 「そう、じゃあ、僕のスキルを少しだけ教えておくからね。」
そういってラウールは、解析で相手のスキルや名前は魂に刻み込まれているからわかること。ステータスなどの数字は、自分のことはわかるけど、自分以外は数値化できない事。アイテムボックスXと言う便利な者があることを伝えた。解析は、人相手には無断で使わないことも付け加えて。
そして、盗賊退治の時に手に入れて、黒に渡した後返されたもの。マジックボックスをサクラに渡した。容量はわからないけど、かなりのものを入れることが出来るから便利だよ、と。
 初めサクラは断っていたが、ラウールには不要なものだと言い含め、強引に手渡した。
ラウールは、これで裏切られたら僕がお人よしだったとあきらめると考えていたが、サクラは裏切ることのない仲間だとも思っていた。以前より人を信じる気持ちが出てきていると感じた出来事だった。 
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